衆議院 内閣委員会 第23号
2026年6月25日・88 発言・国会会議録で会議の全文を見る(外部サイト、新しいタブで開きます)
発言の全文
令和八年六月二十五日(木曜日) 午前九時開議 出席委員 委員長 山下 貴司君 理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君 理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君 理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君 理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君 東 国幹君 衛藤 博昭君 大空 幸星君 岡本 康宏君 長田紘一郎君 金子 容三君 川崎ひでと君 河野 正美君 こうらい啓一郎君 坂本竜太郎君 佐藤 主迪君 平 将明君 辻 由布子君 中田 宏君 平井 卓也君 平沢 勝栄君 文月 涼君 …
これより会議を開きます。 松野博一君外十六名提出、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、日本大学名誉教授百地章君、桃山学院大学副学長・法学部教授江藤隆之君、中央大学法科大学院教授・弁護士野村修也君、武蔵野美術大学造形学部教授・学長補佐志田陽子君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、…
皆さん、おはようございます。ただいま御紹介いただきました日本大学の百地でございます。 専門は憲法学ですが、国旗損壊罪法案につきまして、賛成の立場から、所見の一端を述べさせていただきます。 時間が十分と限られておりますので、少々早口で失礼いたします。 一、国旗損壊罪の必要性について。 刑法二百六十一条には器物損壊罪があり、これによって国旗損壊行為を罰することは可能です。しかし、同罪では、他人の所有する国旗を損壊した場合は罰することはできますが、自己の所有する国旗を損壊した場合は罰することができません。 また、我が国には、外国国章損壊罪はありますが…
ありがとうございました。
次に、江藤参考人にお願いいたします。
ただいま御紹介にあずかりました江藤でございます。 本日は、意見を述べる機会をいただき、誠にありがとうございます。 刑法研究者の立場から、理論面と、制定後に予想される適用面について意見を申し上げます。 まず、理論面です。 刑罰法規を新設する場合には、単にその行為は望ましくないというだけでは足りません。刑罰は、国家が個人に科す最も強力な制裁であり、用いるには、必要性、相当性、処罰範囲の明確性が求められます。ここで問題となるのが、立法事実です。 立法事実とは、法律の必要性を基礎づける事実であり、目的だけでなく、手段の合理性も含みます。つまり、刑罰の新…
ありがとうございました。
次に、野村参考人にお願いいたします。
皆さん、おはようございます。 中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也と申します。大学教員として法律学を教えまして今年で三十七年目、弁護士として実務に携わって今年で二十二年目となります。 本日は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいというふうに思います。 なお、本日の私の意見は、二〇一八年から七年間にわたりまして、外国人技能実習機構の評議員として、外国人との共生社会の実現を目指してきた経験を踏まえたものでございます。 いわゆる国旗損壊罪につきましては、保護法益が不明確だ、あるいは、内心の自由や表現の自由に対…
ありがとうございました。
次に、志田参考人にお願いいたします。
ただいま御紹介をいただきました武蔵野美術大学の志田陽子と申します。専門は、憲法学及び芸術に関連する各種の法律を研究対象及び教育対象としております。 本日は、発言の機会をいただきまして、大変感謝しております。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案について、憲法に照らして考察するということをいたしました。そして、結論から申し上げますと、現在の案では、将来、憲法訴訟になったときには違憲と判断される可能性が非常に高いと考えております。以下、その理由を述べます。 まず、処罰対象が非常に広い、広範であるということです。 現在の案は、処罰対象が、公的機関が公式に掲…
ありがとうございました。
以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
―――――――――――――
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。安藤たかお君。
どうも、安藤でございます。 本日は、参考人として御出席をいただきまして、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。 先生方からお話しされた内容と非常に重なる部分がありますけれども、あえて質問をさせていただきたい、そう思っております。 では、最初の質問ですけれども、国旗損壊罪の立法の必要性に対してです。 百地参考人と野村参考人にお願いしたいと思います。先生方、ほとんどお話しになりましたけれども、話し足りないこと、あるいはちょっと深掘りしたいことを含めて教えていただければと思います。 現行の器物破損罪や自国旗に関する一般法で対応可能な事…
御質問ありがとうございます。 初めに、立法事実の問題、定義の問題から入りたいと思います。 私の知る限りでは、立法事実というのは、当該立法を正当化し得る社会的、経験的基礎を指しますが、実際の被害が生じていなくても、その構造的な危険性に着目して制度を設計することは法制度として一般に認められている、このように理解しております。それを反対派の皆さんが、国旗を損壊するような事例はほとんどない、聞かないなどとして立法事実が存在しないと主張されるのは、立法事実の理解としては正しくないというふうに考えております。 また、現に、予想される将来の事象に対応する立法を行…
御質問ありがとうございます。 ちょっと私は、もう既にかなり御質問の内容についてお話しさせていただきましたので、なぜ私が今回こういう形の発言をさせていただいたかの背景だけお話をさせていただきます。 実は、国旗損壊罪が存在しているヨーロッパ諸国の実際の処罰事例をいろいろと調べさせていただきましたところ、やはり表現の自由に該当するようなものについては処罰から外れていて、最終的には、ヘイトと思われるような悪質な、著しい侮辱行為といったようなものについて、それが処罰の対象になっているというのが現状であります。恐らく我が国におきましても、この法案ができますと、実…
どうもありがとうございました。
では、次の質問に移らせていただきます。
次は、表現の自由とのバランスに関してです。これまた百地参考人にお願いしたいと思います。
先生は、表現の自由は公共の福祉によって制約され得るとの立場に立ち、違法性判断の具体的基準をどのように定めるべきか、また、それらの基準を法文や運用指針にどのように落とし込むべきか、どうか御示唆をいただければと思います。
御質問ありがとうございます。 表現の自由との関係ですけれども、表現の自由は極めて大切な権利であることは私も考えております。人後に落ちません。しかし一方で、制約があることも事実でありまして、これは各種の判例によって積み重ねられています。 今回の国旗損壊罪につきましては、表現の自由の侵害とされないように、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損する行為、つまり、通常考えても犯罪的行為とみなされるような行為に着目して、限定した上でそれを処罰するということでありますから、私は表現の自由とのバランスをきちんと考えた上での立法だと思っております。 したがいまして、…
どうもありがとうございました。
では、次の三番目の質問に行きたいと思っています。
これは野村参考人にお願いしたいんです。今日のお話には直接なかったんですけれども、運用上の留意点とデジタル空間の扱いに対してです。
非親告化や、インターネット上では動画、生配信のみの適用を想定する中で、過剰な処罰や萎縮が生じないようにするための運用の線引き、例えば、捜査、起訴の基準、拡散性の評価方法や、私人所有の扱い、芸術、学術的表現の除外などについてどのようにお考えなのか、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
御質問ありがとうございます。 私は、やはり表現の自由は非常に大切なものだというふうに考えております。それは皆様方、同じ思いでこの法案に向き合っておられるのではないかなというふうに思っておりますが、その場合におきましては、例えば過去に作成されたもの、作品ですね、そういったようなものを表示するというようなことは、これは表現行為として最大限尊重されるべきだというふうに思いますが、現に人が見ている前で不快な状況を拡散させるような行為そのものが社会の分断を生むというふうに思われますので、限定的に、例えばネットにおけるものにおきましても、生配信というような形で、そ…
どうもありがとうございました。 では、最後の質問に行きたいと思います。捜査、起訴の基準と手順、安全装置についてです。百地参考人と野村参考人にお聞きしたいと思います。 動画の生配信やデモ等の政治的表現が問題となる可能性を踏まえて、捜査、起訴の具体的基準、拡散性の評価、行為性の立証、個人所有の国旗の扱い、芸術、学術的表現の除外などをどのように定めていくべきか、検察、警察の運用指針や不起訴基準に盛り込むべき具体的な項目を挙げて教えていただきたいのと、さらに、恣意的運用や表現の萎縮を防ぐために、立法段階で導入すべき手順的なもの、監督的な安全装置、事前のガイド…
御質問ありがとうございます。 私は専門は憲法でございまして、刑法上あるいは刑訴法上のいろいろな諸問題は詳しいことが分かりませんので、映像の問題について一言申し上げたいと思います。 立法過程を聞いていますと、映像で流された国旗損壊の情報とかそういったものについては、規制の対象から外したというふうに聞いております。 これについても、私もこの問題は専門外ですけれども、一応素人なりに考えますと、やはり法律は、現に目の前で公然と行われる行為、国旗損壊行為でありますから、そのリアリティーあるいはその衝撃度等においては大きなものがあると思います。一方、映像を通し…
御質問ありがとうございます。 実際に刑事事件を様々やらせていただいている観点から申し上げますと、実際には、先ほどちょっと御懸念のあったような形で、逮捕されたりとかあるいは勾留されるという事案はたくさん存在しております。 その中で、内心に関わる事柄、例えば侮辱罪という形で、もし逮捕というか捜査を受けるという形になりますと、当然のことながら内心に関するところまで踏み込んで警察は捜査をするということは常識的に存在しているものでありまして、この法案だけが特別何か突出してそういう事態を巻き起こすというふうには理解できないかなというふうには思っております。 た…
どうも、先生方、ありがとうございました。大変参考に、また勉強になりました。
私も医者なんですけれども、医者の立場からでは、精神科の疾患、それに近い方、あるいは薬物の副作用が背景にある場合に、刑罰と治療のバランスをしっかりと丁寧に決めていく必要があるんじゃないかな、そう思いました。
本当にどうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。これで終わりにいたします。
次に、後藤祐一君。
中道改革連合の後藤祐一でございます。 四人の参考人、それぞれ全員の皆様に、百地先生から順にお伺いしたいと思います。この法律と憲法の関係です。 国旗損壊罪は、表現の自由に対する刑罰をもってする規制立法でございますから、基本的人権を公共の福祉が制約できるかという議論になるわけでございます。これについて我が国では、経済的自由に比べて精神的自由はより慎重に判断すべきだという二重の基準論というのが通説となっておりますし、明白かつ現在の危険が必要だという考え方もあれば、必要不可欠な公共的利益が必要だといった考え方もございます。 この法律が、そもそも違憲立法か、…
御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、憲法学上そのような議論がなされておりまして、精神的自由、表現の自由の優越的地位ということが言われておりますし、経済的自由の制限とは違う、これはおっしゃるとおりであります。 現実に、この問題、今回の国旗損壊罪について考えた場合、確かに対象は国旗の損壊ということで、精神的自由に関わることではあると思います。しかし、実際に行う行為としては、これは器物損壊罪に該当するような、そういう行為ですから、その外形に着目しているわけであって、精神的な自由の侵害とかそういう点との関わりは、直接は対象になっていない。むしろ、…
御質問ありがとうございます。 表現の自由が無制限でないことは確かでございまして、一定程度の制約を受けます。ただし、その制約が刑罰による制約である場合については、単なる公共の福祉よりもより強い制約理由が必要になると刑法研究者としては考えております。 違憲であるか合憲であるかということにつきましては、恐らく合憲の部分もあり得ると思います。他人の物を損壊したような場合については、なお合憲であり得る部分もあると思いますが、本法案が成立して主に意味を持ちますのは、自己所有のものを損壊するときでございますから、このときは違憲の疑いが出てこようと思います。 ただ…
御質問ありがとうございます。 御懸念の表現の自由との関係は、この法案を考えるに当たって最も重要な論点であるというふうに私も思っております。ですからこそ、この条文の中に表現の自由を尊重すべしという条項が入っているものとも理解しております。 これを実際に実務家として見た場合に、刑を執行する側の警察官がこの条文があることによってどういう対応を取るかといった場合には、まずは、表現の自由に侵害が及んでいないかどうかということを一番最初に考えることになるだろうというふうに思います。 そういう点で、事例としましては、私が先ほど申し上げましたように、例えば侮辱罪と…
御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、精神的自由権に関して規制を及ぼすという場合には、特に高度な現実的、具体的必要性があることが必要であるということが、憲法学でも、また判例でも確認されているところと考えております。そこに照らした場合に、そもそも法令違憲の部分と、それから適用、運用において違憲になる部分と、それぞれについて御質問をいただきました。 そもそも違憲となる部分というのは、一方の価値観を持つ国民の不快感、嫌悪感といった感情を保護するということ。この部分は、憲法上、憲法二十一条だけではなく、十四条の信条という文言からしても、憲法違反とな…
先生方、ありがとうございました。 続きまして、これは江藤先生と野村先生にお伺いしたいと思いますが、今の関連で、江藤先生は、違憲の疑いがあり得る、しかも、それは警察が立件するかしないか判断するところで結構判断されるんじゃないかとか、そういうお話もございました。 今の観点からすると、運用に当たって、違憲にならないようにするために、取り締まる側がこういうことを守らなきゃいけないというところを少し説明いただけないでしょうか。 特に、国旗の損壊等に形式上当たるにしても、それが政治的表現だとか芸術的表現だとかに当たる場合というのは、三条での留意規定があるように…
御質問ありがとうございます。 適用するに当たって、裁判まで行ってしまうと、これは違憲の審査がかなりされ得ると考えております。ですから、そのような危険な、危険なといいますか、起訴等まで行くと危険ですので、恐らく警察、検察の段階で、これは外国国章損壊罪がそうなっている、そのように運用されているので私はそのように考えているわけですけれども、外国国旗等が損壊されても、一応話は聞くけれども立件しないという形になっております。 政治的な表現、芸術的な表現について、本法案の三条の規定は余り意味をなさないと考えておりまして、といいますのは、表現の自由に留意するのは当…
どうもありがとうございます。 今お話があったように、憲法を常に意識しながら運用することは当たり前とはいっても、条文の中に書かれるということは非常に重要な意味を持っているということは間違いはないというふうに考えております。 その上で、やはり、警察や検察にとって一番の悩みは、先生が御指摘された政治的な表現、いわゆるデモ活動などについては、これは集団示威活動、示威行為として、表現の自由の中で長年保障されてきている行為でありますので、それとの関係性の中でこの法律をどのように考えるのかというのは、非常に悩ましい問題だというふうには思います。 ただ、そうなりま…
ありがとうございました。 江藤先生からは、三条はこのままだと意味がちょっと薄いのではないか、むしろ、政治的表現、芸術的表現は処罰対象としないというぐらい書けば意味があるんじゃないかというお話がありました。そうなれば私もいいと思うんですが、そうならないでこのまま成立した場合には、やはり、この法律をどう運用するかということに関して、何らかの基準ですとか、警察がこれに基づいて行動するんだというものが必要だと私は思うんです。 どういった場合が構成要件に該当するのかしないのか、あるいは、どういった場合は違法性阻却がされるのかされないのか、そういったものを表現の…
御質問ありがとうございます。 私も、これは明確な基準ができればよい、萎縮も招きづらくなりますし、運用の予測が立ちますので、基準ができればよいと考えています。しかし、この法案というか、今回の問題点は、その基準を作ることができない、今基準を作れるところまでまだ議論が明確に定まっていないという点に問題があると思います。 一体どこまで処罰すべきなのか、どこまでが処罰されずにどこからが処罰されるべきなのかということのコンセンサスがまだうまく国民の間にも国民感情としてもできておらず、相当軽いものを処罰すべきだと考える方から、相当重いものしか処罰しないんだと考える…
だから、刑法を変えるときは法制審に回すんですよ。二十日後施行だと間に合わないと思いませんか。
江藤先生にもう一問。少し期日を遅らせて、法制審も含めて客観的に議論していただいて基準を作っていただくべきだと思いますが、いかがですか。
おっしゃるとおりで、私も、法制審等でしっかり議論をして、内容を固める、目的とその適用範囲等をきちんと固める議論があるべきだと考えています。
以上です。
ありがとうございました。終わります。
次に、横田光弘君。
日本維新の会の横田でございます。 私は、法律論それから解釈等々、いろいろな議論が、これまでも内閣委員会そして今日の参考人の方々をお招きしながら交わされるというのは非常に重要なことだと当然のことながら思うわけですけれども、私は、今日は、日本人としての普通の感覚、この観点で質問をさせていただきたいというふうに思っております。 今、ワールドカップをやっていますよね。ワールドカップ、日本は非常に頑張って、すばらしい成績を出しつつある。テレビを見ていましたら、ワールドカップのときに、始まる前に、国旗の前で国歌を斉唱して、それが選手、監督だけじゃなくて、それこそ…
話すと長くなるかもしれません。 私もその様子は拝見いたしましたし、あるテレビ番組で、これまでの過去のレジェンドと言われる方々にも伺いましたが、やはり、始まる前の国旗が上がるときには、各人がみんな、緊張すると同時に感動するということは聞いております。 ただ、私は、今回、申し上げていますけれども、内心自体の中で日本の国旗が嫌いだという国民の人がいても、私はそれでもいいというふうには思います。それを強要して、国旗をみんな尊重しようという法律をもし作っているんだとすれば、それはちょっと強要することになるかなというふうには思いますが、ただ、先生おっしゃるとおり…
ありがとうございます。そういうことだと思いますよね。 もちろん、内心のいろいろな思いというものを規制する、そんなことはできるわけもありませんし、この日本でしてはならない、私もそう思います。ただ、本当に森保監督なんかは、日本のために日の丸に勝利を誓うというような趣旨のことを時々おっしゃっているわけです。それに対して、最近SNS等々では、日の丸にバッテンをつけるとか、中をくりぬいちゃうとか、そんなような、私から見れば蛮行とも言えるようなことが平気で行われている。多くの日本人の感情として、何かを主張するために自分の国の国旗を燃やすなんというようなことは理解不…
大変重要な御質問をいただきまして、誠にありがとうございます。 まず、私のインタビューにお目通しをいただいたこと、大変光栄に存じます。そして、大変重要なところに目を留めていただきました。 切実な思いを抱えて、思い余ってとがった表現をしてしまう人が出てくるということは、洋の東西を問わず、かなりあり得ることです。そして、日本では特に、侮辱的な表現でなくても政治的表現をすること自体を不快がる人がSNSなどを見ていると非常に多い。そのために、私は、不快感や嫌悪感というものを処罰の根拠、構成要件とすることは非常に危ういということをまず一番大きな原則として述べたい…
ある意味では非常に私も理解する部分をお答えいただきました。ありがとうございます。 日本は、御承知のように、表現の自由が保障された国でもあります。私、議員会館、三階なんですけれども、ちょうど参議院側と向かい合っているんですよね、第二で。それで、いつも政府に対する抗議の団体、頻繁に来るんですよ。大音量でがんがんやるものだから、秘書との会話もなかなかままならないなんてことがしばしばあるんですよね。それだけいろいろ自由があるということです。 それで、平和教育という名の下なら何をやってもいいというふうに、今大きな問題になっていますけれども、例の高校の、禁止区域…
御質問ありがとうございます。 恐らく、私は今委員がおっしゃられた冒頭の、国民が国旗に対してどういう感情を持っているのかということが非常に重要な、この法案を審議する上での前提ではないかなというふうに思っています。 それは何かといいますと、やはり特別なものなんですね。国旗というのを見ると、多くの国民は自分のアイデンティティーを感じますし、それから誇りもそこに感じますし、さらには愛着も感じる、こういう道具なんですね。 ですから、表現をするときにその道具というのは、物すごい強い力を持っているものだということを前提に、表現というのは考えなきゃいけないというふ…
ありがとうございます。 非常に分かりやすく説得力があったと、私は今先生の解説でよく分かりました。 とにかく、私たちは自由な国にいるんだということで、国民が不快に思う、こういったようなものを国旗に当てはめていろいろ表現をしようとすることに対しては、やはり慎重でなければいけない。そして、今回このSNS等については、附則で、三年目でまた見直すということになっていますから、そういうことも含めて、今後、私たちのこの日本の社会が、平和で、そして自由にいろいろな物が言えるということを前提に、この国旗損壊罪を早く制定していかなければいけないというふうに思っております…
次に、森ようすけ君。
国民民主党の森ようすけでございます。 本日は、お忙しいところ、貴重な御意見を聞かせていただき、本当にありがとうございます。 これまでの御発言、そして御答弁とかぶる内容もありますが、改めてお伺いすることも大事なことだと考えますので、その点御容赦をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 まず、私としても、この国旗損壊罪の法案について、大前提として、他国の国旗と同じように我が国の国旗も大切に思う、尊重していくことは大切なことだというふうに考えているわけで、国民民主党としても共同提出をしているところです。 一方で、罪刑法定主義の観点からなかな…
御質問ありがとうございます。 この国旗損壊罪が表現の自由の侵害に当たらないか、あるいは内心の自由の侵害に当たらないかといった問題、これは重大な問題であります。 このうち、表現の自由の侵害に当たらないかということは、これまでもいろいろとお話しされてきましたし、私も、ここで対象となっているのは、そもそも表現の自由を超える、いわば犯罪的な、実際に器物損壊罪として処罰されるようなそういう行為を対象として制限しているだけですから、規制しているだけですから、表現の自由の問題については問題ないと思います。 それから、内心の自由の質問、今日は余り出てきませんでした…
御質問ありがとうございます。 もうかねてから何度かお話ししているかとは思いますけれども、やはり問題となりますのは、先ほど江藤参考人の方からもお話があったんですけれども、実際の実務を考えてみますと、乱発して、これによって刑事罰を科していこうというような行為が想定されにくい法律ではないかなというふうには思っております。 やはり、誰が見てもこれは表現だというふうには言えないような悪質な行為が行われているときにこそ、この刑事罰が役に立つというふうに考えて運用されていくものだというふうに思われますので、そう考えれば、その行為自体に対しては、普通の侮辱罪が適用さ…
御答弁いただいて、ありがとうございます。 実際の実務を想定したところにおいて、警察実務が煩雑にならないように、そして業務過多にならないように配慮していくことが重要だというふうに捉えているところでございまして、その点は江藤参考人の冒頭の御説明の中でも触れられていたというふうに認識をしております。 今、野村参考人がおっしゃっていただいたとおり、誰が見ても悪質なものに限って対象になっていくというのが、私もそのように認識をしていて、今回の法律においても、二条の二項において、客観的な事情を総合的に勘案して行うというような規定を設けているわけですけれども、これは…
御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、先ほどの野村参考人もおっしゃるとおり、誰が見ても悪質であると言えるものだけに適用されるということが担保されるのであれば、ある程度のクリアはできると思うんですが、先ほどの質疑でも申しましたけれども、誰が見ても駄目なんだということについてのコンセンサスがないということなんですね。そうであるから、誰が見ても駄目なものにしか適用しませんと、国会や骨子や警察が幾ら基準を作って説明したとしても、一般国民としては、これは誰かが見たら不快と言われるかもしれないとか、そういうところで萎縮が起きてしまう。 本来でしたら、法…
御答弁ありがとうございます。 まさに、誰が見たときに悪質なのか、悪質じゃないと捉えるのかというところの主体の、誰というのが極めて大事だと私も認識をしていて、昨日のこの内閣委員会の質問の中でも聞いたところ、一般通常人というのを想定しているんですが、これも非常にふわっとしていますよね。 なので、国会答弁なども通じて、この誰というのが一体どういうことを想定しているのか、そして行為といってもいろいろ濃淡がありますよね。こうしたところをしっかり具体的にしていくことが国会質疑の中でも求められているんだろうなということを改めて認識させていただいたところでございます…
立法事実の定義については、先ほど申し上げました。現にそういう事実がなくても、将来そういう危険性があり得るということを想定して立法するということはあり得る、現にそういう法律も存在するということを申し上げました。 国旗損壊の場合には、むしろ、元々我が国にはなかったというのは、その理由はよく分かりませんが、まさか自国の国旗をそこまでする人間はいないだろうというような、そういった国民的な、何というか、そういう思いがあり、あるいは共通の信念みたいなのがあってできてこなかったんじゃないかなとも思うんですけれども、実際は分かりませんが。しかし、現に不備な状態にあるわ…
では、野村参考人、申合せの時間が過ぎておりますので、できるだけ簡潔にお願いいたします。
ありがとうございます。 先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、器物損壊の事例というのは確かにあります。器物損壊罪は親告罪でありますので、その物を持っている人が、大した価値のないものが傷つけられたというふうに考えて、それで告訴をしないということになれば、事件は終わってしまいます。しかし、国旗というものが、物としての価値が少なかったとしても、そこに込められている国民全体の思いというものは非常に重要なものでありまして、それを、一私人の告発するか否かによってこの問題が終わってしまうというのはやはり実態に合わないのではないかなというふうに思いますので、そうい…
本日いただいた御意見を踏まえて、あした以降も質問をさせていただきます。
本日はありがとうございました。
次に、川裕一郎君。
参政党の川裕一郎です。 本日は、国旗損壊罪の慎重な審議、大事な審議に四人の参考人の皆様に来ていただきまして、本当にありがとうございます。先ほどから知見のあるお話、大変勉強になっております。 私たち参政党は、昨年から、法案提出や、また地方議会で意見書の提出などを通じて、この課題に取り組んできました。今回、四党共同提出という形で前進したということは、非常に意義のあることだと思っております。 本来であれば、国旗を故意に傷つけたりする行為、こういうものに対して処罰する法律を立法府がわざわざ作らなくてはいけないことに非常に悲しい思いをしております。しかし、現…
どうもありがとうございます。 参政党さんの、去年ですか、令和七年に起こりました国旗にバツ印をつけたという行為、私も、非常に残念、悲しく思っております。あのような行為は、当然表現の自由を超えるものであって、まさに侮辱罪に当たるようなものであると考えております。こういうことがあってはならないということで、器物損壊罪では対処できないそういう問題にも対応するためにも、是非作っていただきたい。 器物損壊罪との関係について言いますと、器物損壊罪は、自己の所有する物に対しては対象にならない。国旗の場合は果たしてそんなことがあるのかという議論もこれまで出たようであり…
御質問ありがとうございます。 私自身は、個人的には、日の丸にバツ印が掲げられているものを目の前に出されると非常に心が痛みます。しかしながら、これを刑罰によって抑制すべきかどうかという問題は、また別の問題であるように思われます。 といいますのも、今回の法案において、もし、今御質問の趣旨を私なりに理解したところによりますと、日の丸にバツをつけたら処罰するのだというような趣旨の法案であるのであれば、それは相当に憲法違反の問題が私は生じ得ると思います。選挙演説のときに日の丸にバツ印を掲げたものを出しても処罰しないのだという趣旨の法案であるかと理解していたので…
ありがとうございます。 非常に難しい局面だというふうには思います。といいますのは、政治活動の自由というものは当然に保障されなければいけないということですので、その事案がちょうど選挙中であったということをどう見るかというのはやはり大きな問題だろうというふうに考えています。 他方、ほかにも、選挙以外のところでも、いわゆる政治的な主義主張を述べるために集団でデモ活動を行っているというときに、自分たちの意思表示の一環として、政治活動として何らかの形で国旗に対する損壊行為があったというのはどう考えるべきなのかというのは、次の次元として考えるべきだと思います。 …
御質問ありがとうございます。 バツ印につきましては、もっといい表現をしようよ、その表現は見苦しいよというふうに説得をする材料にはなると思いますが、しかし、これをやめさせることを刑罰によって強制するところまではできないというところは、刑法を御専門となさっておられる参考人がおっしゃったことと私自身も同じ考えを持っております。憲法が要請していること、禁止していること、その中間に、強制はしないというゾーンがありまして、バッテンをつけるという表現は、その真ん中のところにある問題であると思っております。 また、バツ印自体は、一般には、私は賛同いたしませんといった…
では、補足で。百地参考人。
失礼します。 先ほどバツ印の国旗の話が出ましたけれども、私も段階があるということは考えておりまして、つまり、この法律では、公然と毀損する、破壊するという行為が問題になっておりますから、具体的に言うと、自ら旗にバツ印をつける、これ自体は許されないと思いますけれども、それはそれとして、これを持ち込んだ場合は、公然と公衆の前で破壊したものには当たらないだろうと思います。 同じように、映像表現の場合も先ほどちょっとありましたけれども、ドキュメントですね、映像を放映するために作るんだという場合も段階があるわけでありまして、放映された段階においてはこれは規制対象…
それぞれのお立場の中からの見解、ありがとうございました。 今ほどの答弁の中から、百地参考人が最後にお話をされた、今回の公然との関係なんですけれども、おっしゃるとおり、今回の法律の中では、例えば自宅で国旗にバツをつけて持ってきて振り回しても、これは対象外ということで、公然とということなので、人前で実際にバッテンをつけて、また燃やしたりということが対象になります。 ただ、今回のこの法律案の附則の中で、追加の事項として参政党が要望させていただいたんですけれども、自宅で例えば損壊してきたものでも、そのものを外に持っていって大衆の前で陳列すること、これは検討事…
かなり難しい問題だろうと思いますが、一応、公然とという言葉を普通の日本語の常識として考えるならば、目の前で、大衆の前で公然とという、そういう趣旨に取れます。 しかし、解釈次第というか、この法律全体を見ますと、行為の外形とか周囲の状況その他の客観的な事情をということで、そこでバツ印をつけたその国旗を掲げることのために、例えば細かい話ですけれども、そっと隠れてやったとしても、これは一体の行為として、一連の行為として見れば、そういったことは果たしてどうなんだろうかと。文字どおりの公然じゃないからいいんだとも言い切れないような気もしますし、その辺はちょっと難し…
時間になりましたので、これで終わります。
ありがとうございました。
次に、高山聡史君。
チームみらいの高山聡史です。 参考人の先生方、本日は貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。 まず、罪の成否を判断する基準について百地参考人に伺います。 かつて議論されてきた国旗損壊罪の案では、日本国に対して侮辱を加える目的でという行為者の主観的な意図を要件としておりました。これに対して今回の法案は、意図や目的を要件とせず、人に著しく不快感や嫌悪感を催させる方法でと、公然と損壊する行為を外形的、客観的に判断するという構成に改められていると承知をしております。参考人は今日の意見陳述の中でも、行為者の意図や目的も問題とすべきではないかと述べられてお…
ありがとうございます。 まず、侮辱する目的ということにつきまして、私は外国国旗損壊罪と同じように侮辱目的でと書くのが自然だろうと思います。その理由としましては、先ほど来言っていますように、国旗というのは国家の尊厳の象徴である、国家の名誉を傷つけようということになりますから当然侮辱目的というのは伴うはずでありまして、それを書くのは自然だろうと思います。 しかし、侮辱目的ということを外せば、その場合に、まず、国旗損壊行為を厳格に制限して考えますけれども、更に侮辱目的というものを外すことによって、また処罰の対象が軽減されるということは事実でありまして、そう…
ありがとうございます。 次に、本法の施行までの準備について、江藤参考人と野村参考人のお二方に伺いたいと思います。 本法案は、成立すれば公布から二十日間というごく短期間で施行されることが見込まれております。しかし、第二条の構成要件、すなわち、どのような行為が処罰の対象となり、どのような行為がならないのか、また、どのような場合には違法性が阻却されるのかについては、客体、態様、行為、周囲の状況など、判断を要する要素が少なくないというふうに考えます。 この点について、私は、施行までに一定の措置が必要ではないかというふうに考えております。つまり、構成要件に該…
御質問ありがとうございます。 基準が明確になるべきだというのはまさに御指摘のとおりです。ただし、それが、成立後、施行までの間ではなく、もちろん施行してからでもなく、刑法は罪刑法定主義がございまして条文に書いてあればそれが基本的に適用されるものでございます、ですからこれは、成立までに基準を条文に盛り込む、もし成立するのであれば、成立するまでに明確な構成要件を条文に書き込むということが必要であると考えます。 条文が曖昧なまま、施行までに、あるいは施行後に基準が示されたとしても、罪刑法定主義上の懸念は消えない。それは、罪刑を法律で定めるのが罪刑法定主義です…
質問ありがとうございます。 内心に関わる事柄が要件になっていますと、非常にそれは、どういう内心がよい内心で、どういうものが悪意なのかということを考えなければいけなくなると思いますが、今現在お示しいただいている法律の条文からいきますと、かなり客観的な行為の状況で認定できるような条文になっているのではないかなと私は思っています。 法律は確かに言葉によって書いてありますけれども、その言葉自体は、常に一義的に解釈できるようにでき上がっているものではなくて、その時々の様々な社会通念によって解釈されているものであります。例えば、殺人という言葉自体については、ほぼ…
ありがとうございます。 いずれにしても、これが明確に理解できるものであるということが非常に重要であるというところは、お二人、共通したところかなというふうに思います。 続いて、志田参考人に伺います。 国旗を損壊する行為を規制することに対して慎重な御意見をいただいたと思うのですが、そういった場合においても、ヘイトスピーチのために国旗を損壊するということに関しては、例えば、人格権を侵害する行為やヘイトスピーチのために国旗を利用する行為を規制することに絞った立法であれば、憲法違反となる可能性が薄くなるという趣旨のことをおっしゃっていたと思います。 そこで…
大変重要なところに御質問をいただきまして、誠にありがとうございます。 私がお手元にお配りしたレジュメですと、三ページ目に書かせていただいている内容がその御質問に該当するところだと思います。 ヘイトスピーチのために国旗を使用するような表現についてはどう考えるかということですが、現在、日本には二〇一六年制定のヘイトスピーチ解消法というものがありまして、各自治体がヘイトスピーチを解消していくように努めることということで、例えば、明らかなヘイトスピーチデモ、排外的な、排撃的なデモというものに場所を貸したりはしない、また、自治体によっては処罰を検討するというと…
ありがとうございます。 人格権侵害に対する対処としてどうあるべきか、あるいは、ヘイトスピーチへの対処としてどうあるべきかという議論がこれまでも積み重ねられてきて、その枠組みで対処すべきであるという御意見であったと理解をいたしました。 続いて、野村参考人に伺います。 参考人は、国旗を損壊する行為を国民全体に向けられたヘイト行為とも位置づけられるということで、外国国章損壊罪においては、外国国章を損壊する外国人に対するヘイト行為は抑止されている形になっている、その一方で、日本国旗を損壊する日本国民に対するヘイト行為は処罰の対象になっていないということを述…
今委員がおまとめいただいたとおりでございます。 一点、先ほどの質疑の中にありましたヘイトスピーチに関して、既に法律があるので、その延長線上でという話になっていますけれども、御案内のとおり、我が国の二〇一六年のヘイトスピーチ解消法は、外国人に対してのヘイトスピーチだけを片面的に規制しているものでありまして、各自治体における条例も全てそのような状況になっております。 そのときに、多くの国民から質問があって、日本国民に対するヘイトはどうなっているんだということに対し、衆参両院の議員の皆様方が附帯決議という形で、国民に対してもヘイトが行われることは許されない…
ありがとうございます。
今日、四人の参考人の先生方に御意見をいただきまして、大変参考になりました。国旗損壊罪に対する賛否のスタンスは先生方の中でもそれぞれあると思いますが、引き続き丁寧に審議させていただいて、いただいた内容も踏まえて議論を深められればというふうに思っております。
以上で、時間ですので、私の質問を終わります。
次に、畑野君枝君。
日本共産党の畑野君枝です。
本日は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案について参考人の方々から御意見をいただき、ありがとうございました。
私は、この法案は、刑罰で思想、良心の自由、内心の自由、表現の自由を侵害し、罪刑法定主義に反するなど、明白な違憲立法だと考えており、廃案にすべきだという立場でございます。
まず最初に、志田陽子参考人に伺います。今日行われている議論の中で、どのような点に問題があると思われたか、御意見を伺います。
御質問ありがとうございます。 まず、表現の自由などの精神的自由に規制を及ぼす場合には、よほどの必要性、英語で言いますとコンペリングという言葉があるんですが、よほどの強い必要性が必要である。ここから立法事実論の議論が出てくるのですが、このとき、立法事実があるのかという議論に対して、国旗が損壊された事実があるということは、立法事実としては不足していると私は考えております。その奥に、国旗損壊行為によって国民の重要な権利が害されている、あるいは国民の生命、健康が危機に瀕するということが確認されるといったようなレベルの必要性、これがコンペリングと言われる高度な必…
ありがとうございました。
次に、江藤隆之参考人と志田陽子参考人に伺います。
本法案の提出者は、不快、嫌悪という感情、つまり、主観を客観的に判断できると答弁しておりますが、私としては、要件も曖昧な上に処罰範囲は不当に広く、刑罰としてあり得ないと思っておりますが、いかがでしょうか。
御質問ありがとうございます。
御指摘のとおり、本法案における不快、嫌悪というのは、どこまでなのか、どこからなのかが曖昧であり、刑罰法規が備えるべき明確性から逸脱していると考えます。
似たようなものは、例えばストーカー規制法等にあるんですけれども、その場合は、前段に、文の前に例示のようなものがついていたり、しかも、例も明らかに不快なものが明示されていますけれども、今回は、そうではない一般的な表現にとどまっていますので、明確性の観点からいくと、罪刑法定主義違反の疑いがあると考えます。
ただいま、罪刑法定主義からの問題があることが指摘されましたが、私も同じように考えております。見る人にとっての主観で判断の発端が生じるというものについては、これを定義として限定していくことが非常に難しい。 そして、罪刑法定主義に反するという問題は、日本国憲法の条文に照らした場合には、憲法三十一条の、法の適正手続の中の、法律で定めたことによらなくては国家は人に刑罰その他の不利益を与えることはできない、そういう原則になっていますけれども、ここで言う法律というのは明確なものでなくては、この三十一条が意味を成さないことになってしまいます。その観点からも、明確性の…
ありがとうございます。
引き続きまして、江藤参考人と志田参考人に伺います。
私人による現行犯逮捕ができるようになる、思想、信条の異なる市民同士が不快だとか嫌悪感を持ったとお互いの言動を監視し合う、こういう息苦しい社会になるのではないかと昨日私は質問したんです。こういう点について、どのようにお考えになるでしょうか。
ありがとうございます。
現にそれが起きるかどうか分かりませんが、可能性としてはあり得るかと思います。ただし、それが最後まで認められるということはない、単に国旗を粗末に扱っていた、さあ、現行犯逮捕だというようなのが認められる、最後までそれが正当な逮捕だと認められることはないと思いますけれども、しかし、私の先ほどの意見陳述でも申し上げましたけれども、通報するとか、あの人が国旗を粗末に扱っている、許さないというふうな、そういう社会が来る可能性はあり得ると思います。
以上です。
御質問いただいた危険性、通報が濫用的に行われる危険性というのは、日本社会の場合、十分あると考えております。 これは、六年前のコロナ感染症の蔓延を防ぐためにみんながステイホーム、自宅で過ごそうという状態になったときにかなり実際に行われたことです。警察への通報ではないですけれども、あそこのお母さんは外で子供を遊ばせている、それでいいのかというように、市民同士が言いつけ合うというようなことがあり、これはそうした通報や、それからSNSに上げて、これでいいのかというふうにあげつらう行為というのは、決して悪い、相手を傷つける気持ちからではなく、違法なことなんじゃな…
どうも今日はありがとうございました。
以上で終わります。
これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
次回は、明二十六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十六分散会
顔写真の出典(Wikimedia Commons、6件)
- 山下貴司: Takashi Yamashita 2018.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 後藤祐一: Yuichi Goto 20140117.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Information Security Oversight Office、Public domain
- 森ようすけ: Yosuke Mori 2025-5-25(4) (cropped).jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Noukei314、CC BY 4.0
- 川裕一郎: 党代表選会見 川裕一郎.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Mottinn、CC0
- 高山聡史: 高山聡史(2025年10月12日・縦画像).jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、依田奏、CC BY 4.0
- 畑野君枝: Kimie Hatano.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Saeima、CC BY-SA 2.0