参議院 法務委員会 第7号
2025年5月8日・101 発言・国会会議録で会議の全文を見る(外部サイト、新しいタブで開きます)
発言の全文
令和七年五月八日(木曜日) 午後一時開会 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 若松 謙維君 理 事 古庄 玄知君 渡辺 猛之君 田島麻衣子君 矢倉 克夫君 川合 孝典君 委 員 小川 克巳君 岡田 直樹君 片山さつき君 山東 昭子君 森 まさこ君 山崎 正昭君 打越さく良君 福島みずほ君 谷合 正明君 嘉田由紀子君 仁比 聡平君 鈴木 宗男君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 参考人 東京大学大学院 法学政治学研究 科教授 …
ただいまから法務委員会を開会いたします。 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授成瀬剛君、日本弁護士連合会刑事調査室室長河津博史君及び立命館大学大学院法務研究科教授渕野貴生君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいた…
東京大学の成瀬剛と申します。 本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただき、ありがとうございます。 私は、刑事訴訟法の研究、教育に従事しており、今回の法律案に関しては、法制審議会刑事法部会において幹事として審議に加わりました。本日は、同部会における議論を踏まえ、本法案に賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 以下では、お配りした資料に沿ってお話をさせていただきます。 初めに、本法案に対する総論的意見を申し上げます。 一般に、刑事手続において情報通信技術を活用することは、刑事手続の円滑化、迅速化に資するとともに、刑事手続に関する国民…
ありがとうございました。
次に、河津参考人にお願いいたします。河津参考人。
日本弁護士連合会刑事調査室室長の河津でございます。 本日は、意見陳述の機会をいただき、感謝申し上げます。 当連合会は、刑事手続のデジタル化には賛成しておりますが、本法律案は国民のプライバシーの権利や弁護人の援助を受ける権利を軽視し、バランスを欠いた内容であることから、修正を求めてまいりました。 衆議院における修正により、電磁的記録提供命令や記録媒体の押収に当たり、デジタル社会において個人情報の保護がより重要になっていることに鑑み、できる限り被告事件又は被疑事件と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないとする附…
ありがとうございました。
次に、渕野参考人にお願いいたします。渕野参考人。
立命館大学で刑事訴訟法を担当しております渕野でございます。 本日は、貴重な機会をいただきまして、感謝をいたします。 時間に限りがございますので、配付をいたしました資料に基づきまして、電磁的記録提供命令及びビデオリンク方式による証人尋問の拡大の二点を中心に、被疑者、被告人の適正手続保障の観点から法案には大きな問題があるということについて意見を述べさせていただきます。 電磁的記録提供命令に関し、法案の第一の疑問点は、令状主義が要求する差押対象物の特定に当たる提供対象情報の特定が厳格に行われるのかという点です。有体物であれば一応物単位で特定することができ…
ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。 自民党の古庄玄知です。 この改正法案の二百十八条三項、電磁的記録を保管している人などに対して提出しなさいと、今度、提出したら提出したということを黙っておきなさいと、こういう条項があるんですが、この秘密保持義務というんですかね、何か聞いたことがあるなと思って思い出したら、刑法百三十四条ですかね、秘密漏せつ罪という、弁護士とか医者とか産婆さんとかが職務上知り得た秘密を外に漏らした場合、これは刑罰の対象になります。 そこで、この刑法百三十四条の秘密漏せつ罪の違法性と、今回の電磁的情報を取り扱っている人…
お答えいたします。 刑法の百三十四条の秘密漏示罪は、医師や弁護士等に対して、私人がプライバシーに関わる情報を提供せざるを得ないような関係にあることを前提に、そのような職務にある者がクライアントから得た秘密を漏示してはならないという趣旨で定められているものです。 これに対しまして、本法案に含まれている秘密保持命令というのは、当該電磁的記録提供命令に応じてデータを提供したという事実を情報主体に伝えることがその後の罪証隠滅等に及ばれるリスクがあると。すなわち、その命令を守らなかった場合に捜査妨害とかが発生するということを想定したものでありまして、そもそも守…
今、成瀬参考人御指摘になったとおり、保護法益が異なりますので一概に比較することはできないのではないかと私も思います。
ただ、弁護士としまして、やはりこの弁護士の守秘義務というのは非常に重いものがございますので、それよりも法定刑が、本法律案の秘密保持命令義務違反が重いということについては違和感もございます。
お二人の参考人がお答えいただいたところと重なりますけれども、その弁護士やお医者さんの守秘義務については、プライバシー、患者さんのプライバシーや依頼人のプライバシーを守らなくてはいけないという職務に対する信頼感、その職業に対する信頼感というものが保護法益になっているのに対して、今回の秘密保持命令は、司法作用に対する妨害という観点からの保護が求められているということですので、これ一概に比べることはできないというふうに考えますが、そもそもその罰則が付けられているということによる威嚇効果というものが、先ほど意見の中でもありましたけれども、様々な副作用を及ぼさない…
これ、罰則の方を見てみると、秘密漏せつ罪ですか、漏示罪ですか、あれは六月以下の懲役で十万円以下の罰金、で、今回のその提供命令、秘密保持の罰則が一年以下の拘禁刑、それと三百万円以下の罰金、プラス両罰規定、法人も処罰しますよと、そういうふうな規定になっていて、かなり刑法百三十四条に比べて重いんじゃないかなというふうに刑罰の面から見ると思います。 先ほど、成瀬参考人と渕野参考人、法益が違うということを言われました。河津参考人も同じようなあれだと思いますが、私が考えたのは、医者とか弁護士のその職業倫理に照らしたときに、やっぱりその倫理に反して自分を信頼して委ね…
お答え申し上げます。 私は刑事訴訟法を専攻しておりまして、刑法の分野については専門家ではないんですけれども、まず、法制審議会の刑事法部会におきましては、刑法を専攻する研究者の委員、幹事の方もいらっしゃって、この秘密保持命令に違反した場合の法定刑がどうあるべきかということについて慎重に議論が行われたということをまず報告させていただきます。 その上で、この秘密保持命令に違反した場合がなぜ刑法の百三十四条の秘密漏示罪よりも法定刑が重くなっているのかという点について、私の考えを申し上げたいと思います。 先ほどの意見表明の中でも申し上げたとおり、秘密保持命令…
差押対象物件を第三者が所持していると、その物件を差押えに来ましたよといったときに、人からその物を預かっていて、いや、実はさっき警察が来て、あなたから預かっているものを持っていかれたんだよと。それによって、捜査の初期段階にそれによって捜査ができなくなるという場合もたくさんあるんじゃないかなと思うんですが、今までは差押えの場合はそういう口止めみたいなことはしていなかったのに、今回はそういう口止めみたいな条項を初めて作ったのはどういう意図なのか、その辺について、成瀬参考人、お願いします。
先生が御指摘のとおり、現在の刑事訴訟法におきましては、捜索差押えを行った場合に、その被処分者が当該差押えがあったという事実を第三者に告げるということを止めるような規定というものはございません。ですので、現行法においては、捜査機関が捜索差押えを実施する場合には、そのような事態が発生し得るということも念頭に置いた上で、いつのタイミングでその強制捜査に着手するかということを考えているものというふうに理解しております。 それに対しまして、今回の電磁的記録提供命令というのは、むしろその現場に対する捜索差押えを行うよりも更に前の段階で事前にある程度情報を把握してお…
今の成瀬参考人の御意見を聞いて、河津参考人と渕野参考人、どのようにお考えなのか、お考えを聞かせてください。
電磁的記録提供命令によって電磁的記録の提供が行われた場合に、その事実を犯人に知らされることによって捜査の妨げになる場合があるという一般論の限度では理解できないわけではございません。
ただ、今、古庄委員御指摘になったとおり、それは従来の捜査手法においても同じことは起こり得たはずであり、その電磁的記録提供命令というのが従来の捜査手法よりもより初期の段階でのみ用いられる捜査手法でないことも考えると、この制度に限って秘密保持命令を罰則付きで設ける合理性というのは必ずしも十分ではないのではないかと個人的には考えます。
電磁的記録提供命令に対する罰則が罪証隠滅の防止のために必要だというのがその罰則を設ける根拠になっているわけですけれども、しかし、よく考えてみれば、通常の捜索差押えの場合も、それから今回の電磁的記録の提供命令の場合もそうですけれども、既にその提供をしたことによって、あるいは差押えをしたことによって、主たる証拠については捜査機関が確保しているはずなわけです。したがって、その残された部分について証拠隠滅、罪証隠滅の危険というものが具体的、現実的な危険として一体本当にどの程度あるのかということをやはり厳密に考えてみる必要があるように思われます。 そうすると、こ…
時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
ありがとうございます。立憲民主党の参議院議員の田島麻衣子と申します。 本日は、三人の先生方、本当に大事なお話をありがとうございました。特に、はるばる遠方から来られた参考人の方もいらっしゃって、心から敬意と感謝を表したいと思います。 私は、まず成瀬参考人に対して、通信の秘密について伺いたいんですが、先ほどお話の中で、憲法で保障される通信の秘密というのは令状主義による事前のチェックが入るので、これは不当に制約されるものではないというお話を伺ったと思うんですが、その後、河津参考人のお話にもありますとおり、令状が出た件数、二十五万件要請されたうちの却下された…
お答え申し上げます。 先ほど河津参考人の方から令状発付の件数あるいは令状却下件数について御紹介がありました。 ただ、私の認識するところでは、そもそも捜査機関側が裁判所に令状を請求するかという時点で、相当内部的なチェックが行われた上で初めて裁判所に請求が行くというふうに理解をしております。さらに、裁判官が令状を発付するとしても、捜査機関が請求してきた内容どおりに発付しているというふうには必ずしも言えませんで、請求してきた内容の中でも、被疑事実との関連性が薄いと思われる場合には差し押さえるべきものから排除するなどの判断をした上で、厳格な審査をした上で令状…
ありがとうございました。 もう一回成瀬参考人に伺いたいんですが、私は前回の参議院の委員会質疑で例を出したんですね。国会議員が選挙期間中に演説をしていて、やじを飛ばしていた一般の市民の方が警官止めようと入ったときに警官を傷つけてしまったという事例を出して、この事例では具体的に誰と誰との間の何が差押えの対象になるのかということを法務省に聞いたんです。答えられないんですよね。ICカードなのか、それともインターネットの履歴なのか、何なのか、いつからいつまでなのかということを答えられないんですよ。そのときに私は非常に不安感を覚えたんですよね。本当に個別具体的な事…
先生がさきの質疑においてそのような事例を出されて議論をされたというのは、議事録を事前に読んでまいりましたので、拝見しております。 ただ、私自身も、今先生が出していただいた事例につきまして、具体的にどうなりますかというふうに聞かれましても、当該事件の事案とかあるいは証拠関係によってどのような電磁的記録が必要となるかは変わってまいりますので、一概に申し上げることは困難であるというふうに考えております。その点は御容赦いただければと思います。 その上で、繰り返しになりますけれども、今回の電磁的記録提供命令というのは、裁判官が被疑事実に関連するものだけを提供さ…
ありがとうございます。非常に勉強になりました。
もう一回、申し訳ない、成瀬参考人に伺いたいんですが、先生は法制審議会の刑事法部会で御議論されているということで、衆議院側でもこれは議論になったんですけれども、この刑事法部会の中にどれだけ通信の秘密の専門家がいらして、どこまで通信の秘密との関係は議論されているのか。実際にずっと出席されていたと思いますので、御所見を伺うことができたらと思います。
通信の秘密というのは憲法上の規定でございますので、一番の専門家は恐らく憲法研究者なんだろうと思います。 ただ、捜査機関が通信の秘密を制約して捜査を行うという自体は、今回の電磁的記録提供命令で初めて行われるものではありませんで、今日の議論でも出てまいりました通信傍受ですとか、あるいは記録命令付差押えでも通信の秘密を侵害することはあり得たわけです。ですので、刑事訴訟法、私を含めた刑事訴訟法の研究者というのは、この刑事捜査の場面でどのような要件の下に通信の秘密が制約され得るのかということについては日頃から研究を続けておりまして、その観点で申しますと、法制審に…
ありがとうございます。
次に、河津参考人に伺いたいと思います。
河津参考人には、衆議院側の修正案に対する評価を伺いたいと思います。三つ出ていまして、秘密保持命令に一年を超えない期間の制限、それから附則に被疑事件とは関係のない個人情報は収集しないように留意する旨、それから身体的拘束を受けている被告人と弁護人の間における通話等を可能とするための運用上の措置等が衆議院側で修正案として提出されました。
参考人はこの衆議院側の修正案をどのように評価されるか、御所見伺いたいと思います。
秘密保持命令についても期間を明記したこと、それから電磁的記録の収集についてできる限り被疑事実、被告事件、被疑事件と関連性のないものを取得しないように特に留意すべきである点、これらについては、本日も資料として配付していただいておりますけれども、日本弁護士連合会が表明してきた意見書の内容を採用していただいたものであるというふうに理解をしております。 その一方で、先ほど意見陳述の中でも申し上げましたが、国民のプライバシーを守るためにはこの事前規制だけでは不十分でして、事後規制を有効に機能させなければなりません。そのためには、この秘密保持命令以前の問題として、…
ありがとうございます。非常に客観的な評価をいただきまして、引き続き、まだあと参議院側でも質疑続きますので、国会答弁、きちんと深めていきたいというふうに思います。 次に、渕野参考人について伺いたいと思います。 先ほどもるるお話が出ていますけれども、この電磁的記録提出命令によって差し押さえられた記録というのは消去されないということなんですよね。私もそれを問題として感じまして、さきの参議院の委員会でも随分取り上げたんですが、法務省は、これを消去しない理由として、国家賠償請求訴訟等が提起された場合を考えて消去しないんだということも言われていたんですが、この点…
国家賠償請求等で使われる場合というのが実際にどの程度あるのかということがはっきりしないわけですけれども、問題の本質はやはりそこではないというふうに思います。情報が消去されないことによって、最もメジャーな使われ方、最も想定される使われ方というのは、他事件にその情報を流用して使うということが一番大きな問題を生じさせると思いますので、その国家賠償に使うかもしれないからというのは、その消去しないことによるメリットの、幾つかあるメリットの最も、何というんですか、最後の方のメリットを持ち出して、一番大きな問題点である他事件への流用であるとか、あるいは違法収集証拠であ…
ありがとうございます。 次に、最後に、成瀬参考人に最後お聞きしたいんですが、今、渕野参考人からも御指摘がありましたけれども、他事件への流用について伺いたいと思います。 さきの法務委員会でも私以外でも質問されていた委員の方がいらっしゃるので再度聞きたいんですけれど、この電磁的記録というのはもう未来永劫ずうっと積み重なって保存されていくリスク、危険性というのがあって、法務省は不同意性交罪を例に挙げていましたけれども、同じ類型の刑であれば使用することもあるんだということをおっしゃっていましたが、全く別件に使用する、これは許されないという理解でよろしいですか…
現在の刑事訴訟法の基本的な考え方をお伝えしたいと思います。 現在の刑事訴訟法においては、その物ないしはデータを取得する段階で、強制的に取得するのであれば、事前に令状を得た上で行うというのが原則的な仕組みでございます。当該データはもちろん被疑事実に関連するものとして取得されるわけですけれども、同じデータが別の被疑事実に関わりを持つということも当然ございます。その場合に、他事件に利用するということを禁止する規定は刑事訴訟法にはございません。 一例を挙げますと、例えば業務上横領罪の被疑事実で商業帳簿を差し押さえたといたします。その商業帳簿について、当然、業…
私の時間、これで終わりになりますので、質疑を終わらせていただきたいと思います。
本当に三人の参考人の方々、ありがとうございました。
公明党の矢倉克夫です。 三人の参考人の先生方、今日は本当に貴重な御意見またいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。 私からは、まず成瀬参考人にお伺いしたいと思うんですが、先ほど御説明いただいた中で、電磁的記録提供命令、こちら、これまでの記録命令付差押えとかとの違い、今までは言わば記録媒体としての有体物、それと今回の無体物としての情報の違い、前者は記録媒体である以上、それ特定の必要があるというお話があったと思います。その上で、また令状主義との関係で、このデータについても、裁判所、裁判官が関連するものとして限定をしているということが…
お答え申し上げます。 まず、電磁的記録提供命令において取得するデータが関連するものに限られるようにどう制度上担保されているかという点でございますが、今回、まず裁判官の事前の令状審査をかませるという仕組みになってございますし、その際の要件というのは、これまで差押えや記録命令付差押えで要求されていた要件と全く同じものが要求されているわけです。 更に申し上げますと、今回の電磁的記録提供命令というのは、被処分者にデータを選別していただいて出していただくという形になりますので、捜査機関が捜索差押えの現場で選び出すという作用とは異なってまいります。すなわち、事件…
ありがとうございます。 続いて、成瀬参考人に、また今のこの捜査機関が令状によって電子データ取得する手続の関係ですけど、今おっしゃったアメリカの方の連邦刑事訴訟規則九十一条で、それで書いている限りだと、アメリカの方では、捜査機関が令状に基づいてサービスプロバイダーからデータの提供を受けたり、ハードディスクドライブを押収してデータを取得した後、その中から令状の対象となるデータを期限付で選別する、で、この選別されたデータのみを取得するという手続があるというふうに聞いたことがあるんですが。 こういう実行困難な方法によることなく捜査機関の手元に保存されるような…
今委員が御指摘のとおり、アメリカは五十州ございますし、連邦もあるということで、法域ごとにかなりルールが異なるわけでございますが、一部の法域においては、データを提供させるに当たっても、まず第一段階として事業者からデータを提出させて、その上で更にそのデータを選別する過程を二段階目として設ける法域というものもございます。 ただ、それはアメリカの全法域で一般的に行われているものではなくて、私自身が認識している限りでは、アメリカも多くの法域においては、日本と同様に、一度裁判官の令状審査をかませてデータを提供させて、その上で被疑事実に関連するデータを捜査機関側で精…
ありがとうございます。 ちょっと、じゃ、次にまた済みません、成瀬参考人、また引き続きで恐縮ですけど、先ほど、電磁的記録の保管、消去の部分で、これ刑事訴訟法体系全体を考える問題である、その趣旨をまた詳しく教えていただきたいのと、一方で、河津参考人からは、これに関連したところで、要は有体物を想定している今の下でこの消去の規定がないということが、じゃ、今回のような無体物、情報データを想定しているもの、同じようになくていいという話じゃないというような御意見があったと思うんですけど、それについての成瀬参考人の御意見をいただきたいなと。あわせて、それについて河津参…
お答え申し上げます。 刑訴全体の趣旨に関わるというふうに申し上げた点について、敷衍して説明をさせていただきます。 まず、通常の有体物を差し押さえた場合というのを念頭に置いていただきたいんですけれども、例えば被疑者の自宅にあった日記帳を差し押さえたという場合には、多くの場合、警察官はその日記帳原本を触ると証拠を破壊してしまうリスクというものもありますので、それを直ちにコピーを取った上で、そのコピーの方を捜査で活用するというような形になっております。その日記帳の差押えが違法だという形で取り消された場合には、当然、日記帳は相手方に返すことになるわけですけれ…
附則四十条でまさに定めていただきましたように、デジタル社会において個人情報保護の重要性がより社会的に認知されるようになっているということを踏まえる必要があるだろうと思います。 今回のデジタル法案は、旧来の刑事訴訟法全般をデジタル化していこうというものですから、それにふさわしい国民のプライバシーを保護する仕組みをつくる必要があるだろうということです。 先ほども申し上げましたけれども、通信傍受法には既にその記録を消去する仕組みというものが設けられていますし、いわゆる撮影新法におきましても、電磁的記録の消去、さらにそれには複写物を含めた消去の仕組みというの…
大変参考になりました。お二人、誠にありがとうございます。
また、ちょっと、じゃ、河津参考人に。問いだけになってしまうかもしれません。
電磁的記録命令を受けた者が当該電磁的記録にアクセスすることが不正アクセスに該当するというような場合、不正アクセスを理由として当該電磁的記録を提供することが罰則の対象となるかどうかについて、何か御意見があれば伺いたいなと思うところですが。
電磁的記録提供命令を受けた者がその電磁的記録を提供することが不正アクセスに該当してしまう場合にその義務を履行する必要があるのか、あるいは履行することが許されるのかということについて、法務省の方でどのようにお考えになっているのかというのは私も聞いてみたいと思います。 ただ、実際、この命令を受けた時点でこの電磁的記録を利用する権限を有していない、ただし、事実上この電磁的記録を利用するために必要な情報を有しているという場合に、この電磁的記録にアクセスすることがいわゆる不正アクセスに該当してしまう場合というのはあり得るように思われます。 私は、この法は不法な…
ありがとうございます。 また成瀬参考人に伺いたいと思うんですが、申し訳ありません、これ例えば、あと、またこの電磁的記録提供命令を受けた者が負う義務が、特定された電磁的記録を提供することに尽きる、それ以上に電磁的記録の復号化や解読に協力することにまで及ぶかどうかというところはちょっと教えていただきたい。 先ほど、自己負罪特権の関係からちょっと話が違うんですけど、この新たなものを提供するときに自己負罪特権というところとの関係があると。既に存在しているものを出すのは違うという話。それを考えると、復号化とか解読というのは新たなものを提供することにもなり得ると…
今委員御指摘いただきましたように、この電磁的記録提供命令というのはあくまでも既に存在する電磁的記録の提供を命じるものでございます。パスワードのロックが掛かっているとしても、そのデータ自体は既に存在するということになります。 捜査機関としては、ロックが掛かっていたら中身が見れませんから、ロックを解除した状態で提供してくださいということは命じることができるわけですけれども、それは捜査機関にそのパスワードを直接教えてくださいというわけではなくて、被疑者の側でロックを解除して、解除された状態のデータを出すだけですから、あくまでもこれは既に存在する電磁的記録を提…
ありがとうございました。
済みません、渕野参考人には、ビデオリンクによる証人尋問の関係で、検察官が請求した証人に対して弁護人が反対尋問を行う場合の、ある意味どういう影響があるかということをお伺いしたかったところだったんですが、申し訳ありません、時間がちょっと来てしまいましたので、また引き続き御指導いただくことができればと思います。
今日は、改めて三人の参考人の先生方、大変貴重な御意見ありがとうございました。
以上で終わります。
ありがとうございます。 三人の皆様、専門の立場からの御意見ありがとうございました。 〔委員長退席、理事矢倉克夫君着席〕 日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 私は、四月二十三日の本会議でもまず大きな前提として申し上げたんですけれども、新しい情報技術の誕生、そしてその活用というのは人間の社会的な活動の構造を大きく変えてくるだろうということで、特にその情報技術にアクセスできる人たちとできない人たちの間の構造の問題、これを立法府としては、何よりも国民の皆さんの人権と、それから刑事訴訟法の場合には冤罪を防ぐということが大事だと思っております。もちろん犯…
御質問ありがとうございます。 いわゆる電子令状を、令状請求についてIT化をするということによって、捜査機関が令状請求するに当たって、疎明資料を用意し、裁判所に持っていって対面で審査をしてもらうというコストが減るわけです。コストが減ること自体は元々IT化の目的なので一見良さそうに見えるんですけれども、コストが減るということは、捜査機関が今までよりもより簡単に令状請求をすることが可能になってきます。そうしますと、単純に考えて、例えばこれまで百件しか令状請求できなかったところが五百件令状請求できるようになるというような事態が発生しかねないわけです。このときに…
ありがとうございます。 あわせて、私も本会議のときに、今、日本中で、容疑者になった、被疑者になったときって弁護士さんが頼りですね。その弁護士さんとのやり取りがオンライン接見ができるかどうかということで、今回は権利として認められていないんですよね。 ちょうど今日の新聞ですけど、大変な、地方で弁護士、なり手がいなくなっていると。例えば、秋田県ですと一人の弁護士が対象とする人口が一万二千七十八人、東京は六百三十五人、二十倍差があるんですね、弁護士の数が。 こういうところで、やはり地方やあるいは島嶼部というようなところはオンライン接見ができるようにというこ…
委員が御指摘いただきましたとおり、私も、オンライン接見というのは、被疑者の弁護人を依頼する権利、この弁護人を依頼する権利は憲法三十四条で保障されておりますけれども、その内実は弁護人の有効な援助を受ける権利ですので、これが地方等で物理的に接見に行くことが難しいということによって有効な援助を受ける権利が保障されていないとすれば、それはオンラインでそこを補充するというか補うことによって初めて権利保障が実現したというふうに言えるというふうに考えますので、オンライン接見についても本来であればきちんと権利として保障すべきであるというふうに考えます。
ありがとうございます。
これも鈴木大臣は、権利として認めるには全て条件を整えなきゃいけないと、それができないからということで全部をできないようにしているんですけど、やはりモデル的に地域条件などを付けて先駆的にやるべきだろうと私どもも思っております。
同じ質問を河津参考人様、お願いしたいんですが、このオンラインで令状が取れるようになるときの令状主義が徹底できないんじゃないのかという懸念についてはどうでしょうか。
まず前提として、現在の令状審査がどの程度厳格に行われているのかということについての評価は先ほどの成瀬参考人の意見と私の認識では食い違いがございます。これは、先ほど御紹介した統計数字だけからはどちらが正しいのかということを一概に申し上げることはできないのかもしれませんが、私は、やはり捜査機関の反対当事者として、非常に抽象的な差し押さえるべき物で令状が発付されてしまっている、それに基づいて相当包括的な差押えが行われてしまっているという実情を目にすることがございます。 例えば、ある一件の金融機関からの融資を受けたことが詐欺に当たるのではないかということで、詐…
ありがとうございます。今回の袴田事件についても、やはり静岡の裁判所が判断していただいたという、大変大きな役割を果たしていただきました。御指摘のとおりだと思います。
それから、後半のオンライン接見ですけど、これを権利としてより広めるためにはどうしたらいいでしょうか。
私、やはりこのオンライン接見、さらには電子的な書類の授受についても権利として認められるべきであると考えます。これは、刑事手続全体をデジタル化するという中で、最も権利が保護されるべき被疑者、被告人を取り残すべきではないからです。 これについては様々な支障が当局からは指摘されておりますが、結局のところ、それは予算の振り向けの問題であるというふうに思われます。このオンライン接見にしても電子データの授受にしても、相応の設備の整備が必要となることは理解できます。しかしながら、これを実現する上で、先ほども申し上げましたが、施行日を相当先に設定をして、そこに向けて段…
ありがとうございます。それもまた、附帯決議のところできちんと参議院としても入れていく必要があると思います。
同じ質問を成瀬参考人にお願いをしたいんですが、この令状がより安易に出されてしまうんじゃないのかという懸念についてはどうでしょうか。
今回の法案におきましては、疎明資料として出す書類を紙媒体でなく電子データにすることができ、また、令状請求する際に裁判所までその紙媒体の資料を持っていく必要はなくて、オンラインで裁判所に疎明資料を提供することができるようになると。その限りにおいては捜査機関が令状請求をしやすくなるわけですけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、裁判官に令状を発付していただくためには、特定の事件に関する被疑事実というか、疑いがあるということを前提に、かつ、それに関連するデータであるということまでを疎明しなければなりませんので、その疎明資料自体を準備する作業というのはこれま…
ありがとうございます。
これからの問題ですので、是非、当事者の皆さんに留意をしていただきたいと思います。
後半の質問で、オンライン接見ですけど、地方で多分先生をやっていらしたら、卒業生がなかなか、まあ言うたら田舎に行ってくれないと、東京と大阪に集まってしまうという実態を見ておられると思うんですけれども、オンライン接見を権利化するにはどうしたらよろしいでしょうか。
御質問ありがとうございます。 今委員が御指摘になられたように、なかなか地方で弁護士をやってくれないというところは一教育者としても悩んでいるところでして、是非、私の大学を卒業した学生たちにも地方で活躍する弁護士さんになってほしいというふうに日々願っているところでございます。 その上で、オンライン接見について申し上げますと、その重要性自体は全く否定するものではございません。とりわけ、先生が御指摘になられた地方におきましては、その重要性というのはもう切実なものがあるというふうに認識をしております。 今回の法案におきましてはオンライン接見を権利として認める…
ありがとうございます。
行政の立場からしたら、それこそ何千億もお金掛かるわけではないので、それこそ地域別にモデル的に試行していただいて、そして少しでも遠隔地の皆さんの人権、人格が守られるような、そんな方向を私たちも是非願っております。
以上、質問を終わります。ありがとうございました。
国民民主党の川合孝典と申します。
参考人のお三方には貴重な御意見頂戴しまして、ありがとうございました。
私からは、まず渕野参考人に御質問させていただきたいと思います。
電磁的記録提供命令の問題点ということで、提供対象情報の特定不可能性について御説明、冒頭いただきました。その中で、本当に厳格にいわゆる必要な情報を限定できるのかということの問題提起をいただいたわけですが、参考人は厳格に限定するために何が必要だとお考えになっているのかをお教えいただきたいと思います。
これは非常に難しいと思います。厳格に特定をするということは非常に難しいというのが率直なお答えです。 とはいえ、もしこの制度ができたときには、やはり被疑事実に関連しない情報をなるべく収集しないということが運用の中では目指される必要があると思います。ですので、そのときには、やはり捜査機関に提出を要求する、令状請求に当たって捜査機関に提出を要求する疎明資料ですね、この疎明資料でどの電磁的記録がその提供の対象になるのかということをなるべく具体的に根拠を示して請求をさせると。そして、そこが抽象的にしか疎明できていないのであれば、それはきちんと令状請求を却下すると…
ありがとうございます。 いわゆる電子データのやり取りということを考えたときに、何が必要で何が必要でないのかというものをそのデータの中から抽出してそれだけを証拠として提供するということが具体的に可能なのかどうなのかというところが、正直、私自身もイメージができていない。 他方、参考人が御指摘されたような懸念が多くの衆参の委員の皆さんからも意見として出されているということを考えたときに、可能な限り厳格にその限定、証拠を、提出資料を限定するということの努力は必要だとすれば、現行法の中で、そもそもの刑事訴訟法自体を抜本的に、先ほど成瀬参考人がおっしゃったように…
今回、衆議院の修正案におきまして、委員御指摘のとおり、一年以内ということで定められましたので、裁判官が秘密保持命令を発する際に一年以内の期間を定めるということになるんだろうと思います。ですので、まずは、その期間を経過した場合には当然のことながら秘密保持命令の効力はなくなります。 それからもう一点、重要な点だと思うんですが、改正法におきましては、捜査機関は、秘密保持命令が必要なくなったという判断をした場合には、それを取り消さなければならないという規定も設けられております。ですので、捜査機関が捜査の進捗状況を踏まえて、もはや秘密保持を命じておく必要はないと…
ありがとうございます。 今、準抗告の話が出ましたので、そのことについても確認をさせていただきたいんですけれども、秘密保持命令に対するいわゆる不服申立て規定については、これ電磁的記録提供者が事業者なんかである場合には、その事業者に対して不服申立て権を認めるといった内容になっていると理解しております。 そうすると、情報提供の名宛て人ではないですよね。要は、情報のいわゆる持ち主ではない、いわゆる事業者にこの不服の申立て権があるということになりますから、本来の情報主体には不服申立て権が実質的にないということになりますので、そもそも何を証拠として差し押さえられ…
電磁的記録提供命令がそのデータを管理している事業者を名宛て人として発令された場合、事業者はまず被処分者になりますので、不服申立てが可能でございます。さらに、その事業者が管理しているデータが例えば顧客のデータであり、その情報主体が観念できるものである場合には、情報主体も当該処分に利害を有する者として不服申立ては可能でございます。まず、不服申立てはできます。 その上で、委員御指摘のとおり、その不服申立てをするためには当該電磁的記録提供命令が発令されたことを情報主体が知る必要があるわけでございますけれども、まず、秘密保持命令が発令されていない場合には、そのデ…
適切なタイミングで秘密保持命令が解除されるまでは不服申立てはできないということ、単純にそういう理解でよろしいわけですね。はい、分かりました。 では、その次ですが、河津参考人に素朴な質問をさせていただきたいんですけれど、証拠の保管に関して、ありのままにどうやって保管するのかということの重要性についてお話を頂戴しましたけれども、そのお話をされた折に、保管している情報の中から本来開示するべき情報が開示されなかったことで裁判所の判断が変わってしまっていたような事例があるということを事例として挙げていらっしゃいましたけど、そういう事態を生じさせないようにするため…
証拠の中で電磁的記録ということに限定してお話をさせていただきたいと思いますけれども、電磁的記録提供命令を使った場合を含めて、捜査機関が電磁的記録を収集する場合というのはいろいろバリエーションはあり得るだろうと思います。任意捜査、任意に提出を受ける場合も含めると、捜査機関は現在でも多くの電磁的記録を取得しているのではないかと思います。 先ほど御紹介させていただいた事例では、警察がその電磁的記録を取得して警察署内のパソコンに保管していたにもかかわらず、それが証拠として取り扱われていなかった。その結果として、検察官も恐らくその証拠のその電磁的記録の存在を知ら…
ありがとうございます。 同様の質問を成瀬参考人にもさせていただきたいと思うんですけれども、このありのままに証拠を保管するということと同時に、いわゆる必要な証拠の開示をきちんと行える環境をどう整えるのかという意味でいくと、私は、むしろ、今の警察の捜査に当たっての証拠の収集したものなんかが何のルールもなくいわゆる捜査担当者のパソコンの中にごちゃごちゃに入ってしまっていると、そういった状況で今物事が進んでいるということを考えたときに、むしろこういったルール化をされることで電磁的記録が要は体系立って保管をされるようになるという意味では、むしろ進むのかというふう…
まず、現行刑事訴訟法の基本的な考え方としましては、警察が捜査の過程で取得した証拠というものは全てまとめて検察官に送致し、起訴後、必要な証拠開示制度の下で弁護側に開示するという仕組みであるというふうに考えております。委員御懸念のその警察における証拠の管理が適正であるのかという点につきましては、詳細についてまでは存じ上げませんが、警察も内部規則等を種々設けて証拠の適正な管理に努めているというふうに私自身は認識しております。 今回、今までもデータを管理するということはあったわけですけれども、電磁的記録提供命令に応じて警察が管理すべきデータというものが増えてま…
今内規できちんと情報管理をしていくということがありましたけれども、いわゆる第三者、これだけ個人情報の問題ですとか様々な問題点が指摘されている、その状況の中で、現行刑事訴訟法の枠組みの中でこのデジタル化をどう進めていくのかということを今一生懸命知恵を絞って皆さんで考えていらっしゃるわけで、そうしたことを考えたときに、その内規で本当にいいのかということは、実は私、これをいろいろ検証する中で感じておりまして、例えばその保管の方法ですとか期間の問題ですとか、きっちりやっている、皆さんきっちりやっていらっしゃると思うんです。きっちりやっていてもどこにあるのか分から…
先生のおっしゃる問題意識は非常によく分かるところでございまして、今後、証拠あるいはデータの管理の在り方というものについて、この現代の情報社会において今までどおりでよかったのかということを刑訴法全体を見直しながら抜本的に考えていくということは、中長期的な課題ではあろうかと思います。 私自身も是非それに取り組んでいきたいというふうに考えておりますけれども、まずは、今回の本法案との関係では、これまでやられてきた内部規則を従前以上に活用してきちんと管理を行うということをやっていただき、その間に、研究者やあるいは立法者の先生方と知恵を絞って、今後刑事訴訟法全体と…
ありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わります。
日本共産党の仁比聡平でございます。 参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 まず、電磁的記録提供命令の令状における特定の問題について三人の参考人の皆さんにお尋ねしたいと思うんですけれども、これ本会議以来申し上げているように、有体物であれば特定の空間があって、そこの中に存在するものと。ですから、捜索場所と対象物で特定がされると。例えば、この法務委員会を開いている二十三委員会室という場所が捜索場所になれば、この議場にある紙だとかパソコンだとかというものがその対象物になるわけですね。事件との関連性というのは問題になるけれども、少なくともこの場所の中に…
私の意見を述べたところでも述べたことの繰り返しですけれども、私は、本来的に憲法三十五条の要求を満たす特定性を、この電磁的記録、いわゆるデータについて、その特定性の要求を満たすことは不可能だというふうに率直に考えます。
成瀬参考人に、そこでお尋ねしたいのは、この指摘にどう答えるのかということと、それから、これまでの質疑の中で、田島理事からの質問の場面でしたけれども、つまり、被疑者がその犯行を犯したと言われる場所にどのようにして来たのかと、犯行に至る経緯などの関係でICカードの履歴を取得するというような場合が例えばあるという例でいうと、被疑事実との関連性がそのような形で、つまり、このICカードの履歴を取得する必要があるというところまで特定して令状請求がなされなきゃいけないと、そういう場合に限定されるという話なのか、あるいは、限定をされるかどうかはおいておいて、そういう場合…
まず、先生、憲法三十五条の捜索する場所が特定できるのかという御指摘があったかと思いますけれども、電磁的記録提供命令の場合には、捜索を行うことは想定しておりませんで、むしろ押収するものが押収するデータとして特定できているのかという部分が問題になろうかと存じます。 その上で、どのような審査をするかというところなんですが、先ほども渕野参考人から御指摘があったように、警察の方で疎明資料を相当具体的に出していただき、その上で裁判官がその被疑事実と関連するデータを、データが作成された時期とか、あるいはファイルの形式等の限定を掛けることによって、この押収すべきもの、…
河津参考人、今のようなお話といいますか考え方では、これまでの捜査実務による人権侵害ということを考えたときに到底限定されるとは思えないと、条文そのものは限定は何らしていないわけで、これでは、これまでと同じような権利侵害が起こるのではないかということだと思うんですが、そういうことでしょうか。
この電磁的記録提供命令によって犯罪事実とは関連しない国民のプライバシー情報が取得される、それによって人権侵害が生じるということについては重大な懸念を抱いております。 一方で、この電磁的記録の特定性ということに関して申し上げると、例えばピンポイントで特定のメールデータということに特定して提供を命じることも不可能ではないのだろうと思います。これが、その特定性が失われていってどんどん抽象的な記載になっていったときに、電磁的記録提供命令を受けた者としてはどこまで提供すれば義務を履行したのかが分からなくなってくる。そうなってくると、そのような状況で義務違反を理由…
もう一点、秘密保持命令に関して渕野先生にお尋ねしたいと思うんですけれども、つまり、情報主体にとって知らない間に収集されて、にもかかわらず、そのサーバーを信頼して使い続けるということが当然起こりますよね。一年たってその保有命令が解けて、分かったときには、実はその間に丸裸にされていたと。 このネットとかオンラインに対する信頼なんかはもう大きく変わってしまうんじゃないかというような事態があるかなと思うんですけれども、渕野参考人にお尋ねしたいと思うのは、そういう意味で、情報主体が知るという機会あるいは不服申立てを行うという機会を奪うということは、デュープロセス…
委員御指摘のとおりかと思います。 私も、秘密保持命令が一年という、最長で一年という期限付であったとしても、その一年間の間については不服申立てをする機会が事実上奪われるわけです。法制審の中での議論等では偶然知る場合もあるだろうというようなお答えもされていたようですが、偶然知ることができた場合にだけ不服申立てができるというのは、これは権利とは到底呼べないと思います。 そして、その中で、先ほどのお答えとちょっと関連をしますけれども、必ずしも厳格に被疑事実に関連する情報だけではなくて、情報というのはいろんな内容を持っていますので、グレーゾーンの情報、それから…
その点で成瀬参考人にお尋ねですが、先ほど、さっきの質疑の中で、より初期の段階とか、あるいは密行性がより高い場合ということなのかなと私受け止めたんですけれども、つまり、今、渕野参考人がおっしゃったとおり、本来、帰属の情報の主体である被疑者などの知る、あるいは不服申立ての機会というのはこれ極めて重いもので、これを奪ってでも密行して捜査をする必要があると、そういう場合を裁判所が定めるんだと、そういう趣旨なんですか。
秘密保持命令というのは、被処分者が命令を受けたことなどを情報主体に伝えることを通じて、その情報主体が罪証隠滅行為に及ぶおそれがあるということを裁判官が事前に審査して、そのおそれがあるというふうに判断した場合に発令するものでございます。
ですので、その情報主体に伝えることが罪証隠滅行為に及ぶおそれにつながるんだというふうに判断される事例が秘密保持命令の対象になるというふうに考えております。
よく分からないですね、やっぱり。 もう一点。河津参考人が冒頭の意見陳述の中で述べていただいた捜査資料の問題ですね。 つまり、証拠品ではないというふうに捜査機関が扱ったことによって、村木さんの事件で、改ざんフロッピーは隠す、還付だといって隠されたし、それからLINEの履歴が不存在だ、証拠として扱っていなかったからだといって隠されたというような、こうした捜査の実態があるじゃないか、実務の実態があるじゃないかというこの点について成瀬参考人にお尋ねしたいんですが、法制審で検証されたのかという点について、先ほどの議論で詳細については存じ上げないというお話もあっ…
お答え申し上げます。
法制審議会の刑事法部会におきましても、今委員が御指摘のような警察による証拠の管理の在り方、今回、電磁的記録提供命令によって新たに取得される電磁的記録の管理の在り方については議論がなされているところでございます。
その点に関しましては、新たな立法をすべきではないかというふうな意見もたしかあったような記憶がございますけれども、ただ、その場合には現行刑訴法全体を見直す大きな作業になるので、差し当たりは今ある警察内部の規則等を活用する形でやっていくというふうな形で議論はまとまっているというふうに認識しております。
返すようで申し訳ないけど、まとまったのかというと、そうじゃないんじゃないのかと思うんですよね。 日弁連の委員が指摘をしているけれども、先ほど詳細については存じ上げないというふうにおっしゃったように、警察ないし、あるいは実情をきちんとテーブルにのせて是非を評価したり議論したりとかしたのかというと、そうではない。そういう意味でも検証はされていないのではないかと思いますし、渕野参考人が冒頭の意見陳述で指摘をされた、記録命令付差押えやあるいは令状裁判官の特定の審査というようなことについて検証した上で法案の提案に至ったのかというと、そういう指摘はあったけれども検…
委員御指摘のとおり、最終的にも部会においては、弁護士の委員の方が反対意見を述べられて、多数決で審議が終えられたということは事実でございます。
ただ、法制審部会というのは法制の在り方について議論する場でございますので、議員御指摘のような事例があることを念頭に置きつつも、その法制の在り方あるいは内部規範の在り方としてどのような議論、形があるべきかという形で議論を行い、最終的に多数決で結論が出されたというふうに認識をしているところです。
最後に、河津参考人に一問だけ聞きたいので。
オンライン勾留質問ということを考えたときに、例えば、留置場から裁判所に体がちゃんと移動して外の空気を吸って、留置管理官だとか警察官だとか、まして検察官だとかとは違う、裁判所の職員と裁判官によって質問を受ける、これはとても大事だと思うんですけれども、このオンラインで留置場も勾留質問の場所であり得るみたいなことは、ちょっとこれは問題なのではないかと思いますが、いかがですか。
時間になりましたので、簡潔にお願いいたします。
はい。
私も同様の問題意識を有しております。国際人権法上も、被留置者が裁判官の面前に連れていかれることは権利として保障されているべきですので、その意味で、オンライン勾留質問は、仮に本法律案が成立するとしても、極めて例外的に運用されるべきだと私は考えております。
ありがとうございました。
参考人の皆さん、御苦労さまです。 鈴木宗男と申します。私が最後ですので、よろしくお願いします。 このいわゆる刑事デジタル法案、衆議院において修正や追加された部分がありますので、この点について、各委員の質問とも一部ダブりますけれども、お尋ねをしたいと思います。 検察官等が電磁的記録提供命令を受ける者に対して行う、みだりに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならない旨の命令、いわゆる秘密保持命令について、一年を超えない期間を定めて行うこととするという修正が衆議院でされました。 メールやSNS等のユーザーによる不服申立ての機会の確保としてこの修…
お答え申し上げます。 秘密保持命令の期間につきましては、政府提出法案の段階では、期間を定めるということは元々の原案にはなかったものでございます。その代わりにどのような規律を想定していたかといいますと、その期間を定める代わりに、捜査機関が必要がなくなったときには直ちにその命令を取り消すという仕組み、さらには、その被処分者である事業者の側から請求をして捜査機関に取り消してもらう、その判断が万が一納得できないという場合には裁判所に不服申立ても認めると、そういう形で適切なタイミングに秘密保持命令が取り消されるという仕組みを想定していたわけです。 ただ、衆議院…
秘密保持命令に期間が定められたことにつきましては、先ほども申し上げましたが、日本弁護士連合会の意見書の内容を採用していただいたものですので積極的な評価をしております。 ただ、今この秘密保持命令に注目が集まっておりますが、不服申立ての機会の保障という観点からは、秘密保持命令以前に、情報主体への通知制度こそが必要なのではないかと私は考えております。それはなぜかといいますと、多くの事業者は、この秘密保持命令を受けようが受けまいが、あるいは秘密保持命令の効力が失われようが、本人に通知しない可能性が高いからです。 本人の権利を守るという観点からは、やはりこの本…
私も、本人への通知ということが非常に重要だと思います。 それは、今、河津参考人がお答えになった、その本来収集されるべきではないデータが収集されたことに対して不服申立てをする機会を保障するということだけではなくて、特にこの本人が被疑者である場合に、その被疑者として嫌疑を掛けられている事件に関して、その提供されたデータが何であるか、捜査機関がどういうデータを持っているのかということを知ることによって自らのその刑事事件の防御に使うと、つまり、証拠開示を受けてその捜査機関が収集したデータを被疑者側が自己のその刑事事件の弁護のために使うということができなくなって…
ありがとうございました。
同じくこれ、衆議院の方で附則第四十条での修正があるんですけれども、この電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、デジタル社会において個人情報の保護がより重要となっていることに鑑み、できる限り被告事件又は被疑事件と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないというのが入っていますが、プライバシーの保護の観点や個人情報保護の観点からこれで十分なのかどうか、参考人の皆さんの見解をお知らせください。
電磁的記録提供命令を行うためには、裁判官の事前の令状審査を経る必要があります。そして、裁判官は、警察官から出された疎明資料に基づいて被疑事実に関連するというふうに判断したデータのみを提供させるべき電磁的記録として定めて令状を発付するというふうな仕組みが取られておりますので、元々今回の法案の中では、その被疑事実と関連性を有しない個人情報等を取得しないような仕組みが設けられていたと言うことができます。 その上で、今回、衆議院の修正案において新たに附則四十条というものが設けられたわけですけれども、この点は国会議員の先生方の問題意識を踏まえた修正であるというふ…
附則四十条につきましても、日本弁護士連合会の意見書での提案を採用していただいたものであり、積極的に評価をしております。先ほども申し上げましたが、実質的にこれを運用するのは裁判官ですので、裁判所がこの附則四十条が規定された趣旨を踏まえて厳格な令状審査を行うことが何よりも重要であると考えております。 一方で、プライバシーの保護という観点からは、事前規制だけでは十分ではないと考えられています。どれだけ事前規制を掛けようとしたとしても、無関係なプライバシー情報等々は混入し得る、さらには、令状の趣旨に反して、許可された範囲外の情報を取得してしまうということが起こ…
私も、この附則四十条によって裁判官が厳格な令状審査をすることが強く望まれるとは思いますが、私は、本質的にはそれは不可能であろう、ではないかというふうに考えます。 先ほど成瀬参考人が御説明されていましたけれども、令状請求するに当たって、例えば千点のデータが請求されました、そのうち五百点が犯罪に関連するデータで、残りの五百件が犯罪に関連しないデータですというときに、先ほどの成瀬参考人の御説明だと、例えばAさんからのメールについてこれは関連するかしないかを判定し、次にBさんからのメールについて関連するかしないかを判定し、クレジットカードについても、この店で使…
ありがとうございました。 ほかにも質問を考えてきましたけれども、あと二分しかないものですから、最後に河津参考人に一つお尋ねします。 先ほど嘉田委員から押収についてのお話がありました。私自身、経験者として、検察の押収あるいは家宅捜索、非常に矛盾感じています。段ボール持っていく映像がよく映りますけれども、あの段ボール、一人では抱えられません、書類入っていれば。現実、関係のない写真だとか全く無駄な資料まで持っていくんですね。私はこれ非常に問題だと、このプライバシーだとか人権の問題からも思っているんです。 と同時に、あの家宅捜索のとき、必ずテレビ来ています…
報道機関へのリークという問題について、日本弁護士連合会の組織としての見解はございませんけれども、私自身は、事件を担当する中で、やはりこの情報のリークが行われているということを感じることは少なくございません。それが単に被疑者とされた人物の名誉を毀損するだけではなくて、有罪イメージのようなもの、世論に影響を与えていくことによって公正な裁判が害されているのではないかという問題意識は私も有しております。
終わります。
以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様には一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十四分散会
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- 仁比聡平: Sohei Nihi 2022-6-5.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Noukei314、CC BY-SA 4.0
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