渕野貴生立命館大学大学院法務研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 18 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

電磁的記録提供命令に対する罰則が罪証隠滅の防止のために必要だというのがその罰則を設ける根拠になっているわけですけれども、しかし、よく考えてみれば、通常の捜索差押えの場合も、それから今回の電磁的記録の提供命令の場合もそうですけれども、既にその提供をしたことによって、あるいは差押えをしたことによって、主たる証拠については捜査機関が確保しているはずなわけです。したがって、その残された部分について証拠隠滅、罪証隠滅の危険というものが具体的、現実的な危険として一体本当にどの程度あるのかということをやはり厳密に考えてみる必要があるように思われます。

そうすると、これまでの通常の捜索差押えにおいては、残された証拠があり得るとしても、それが、第三者から被疑者等にその情報が伝わったとしても実効的な罪証隠滅につながるリスクというのがそこまで大きくないというふうに考えられていたのではないかというふうに法律の立て付けとして考えることができると。そうだとすると、電磁的記録提供命令についても同じことが言えて、必ずしもこの場合にだけ罰則を付けないと罪証隠滅の現実的なリスクを阻止できないということにはならないのではないかというふうに考えます。

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