渕野貴生立命館大学大学院法務研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 92 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

私も、本人への通知ということが非常に重要だと思います。

それは、今、河津参考人がお答えになった、その本来収集されるべきではないデータが収集されたことに対して不服申立てをする機会を保障するということだけではなくて、特にこの本人が被疑者である場合に、その被疑者として嫌疑を掛けられている事件に関して、その提供されたデータが何であるか、捜査機関がどういうデータを持っているのかということを知ることによって自らのその刑事事件の防御に使うと、つまり、証拠開示を受けてその捜査機関が収集したデータを被疑者側が自己のその刑事事件の弁護のために使うということができなくなってしまうおそれがあるからです。

これは河津参考人が別のところでよく指摘をされていますけれども、捜査機関が収集したデータですね、提供命令を受けたデータについて、必ずしも全てきちんと証拠として管理をしていない、できていないのではないかという疑いが払拭できないときには、これはいわゆる証拠のリストにも記載されないので、結局、弁護人、被告人はどういうデータを捜査機関が提供命令を受けたかということを知ることが制度上できないという問題が発生してしまいます。

ですので、この点からも、本人への通知というのは、被疑者が今その立件をされようとしている当該事件に関する弁護活動との関係でも非常に重要だというふうに考えます。

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