成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 63 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

電磁的記録提供命令がそのデータを管理している事業者を名宛て人として発令された場合、事業者はまず被処分者になりますので、不服申立てが可能でございます。さらに、その事業者が管理しているデータが例えば顧客のデータであり、その情報主体が観念できるものである場合には、情報主体も当該処分に利害を有する者として不服申立ては可能でございます。まず、不服申立てはできます。

その上で、委員御指摘のとおり、その不服申立てをするためには当該電磁的記録提供命令が発令されたことを情報主体が知る必要があるわけでございますけれども、まず、秘密保持命令が発令されていない場合には、そのデータを管理する事業者は、もちろん事業者によりますけれども、一部の事業者は、もう契約上の義務として、捜査機関にその情報主体のデータを渡した場合、渡す前後どちらかですけれども、情報主体に対して通知をするというふうな義務を負っている事業者というのも複数ございます。そのような場合には事業者から情報主体に通知が行くことになりますので、それを受けて情報主体が不服申立てをするということが可能になってございます。

さらに、秘密保持命令が発令された場合には、その契約上の義務をオーバーライドする形で裁判所の命令が来ますので、事業者は一定期間はその電磁的記録提供命令が発令されたことを情報主体に伝えることはできないわけでございますけれども、先ほど申し上げた仕組みにより適切なタイミングに秘密保持命令というのは取り消される、ないしは失効することになっておりますので、それ以後はやはり契約上の義務に基づいて情報主体に通知が行くであろうと。そうだとすると、そのタイミングで情報主体が裁判所に対して不服申立てをすることは可能であるというふうに考えております。

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