櫻井祥子 (参政党)

2026年5月20日・第221回国会 参議院 本会議 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 18 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 35 発言)

参政党の櫻井祥子です。

会派を代表して、産業競争力強化法等の改正案について質問いたします。

今回の改正案は、産業競争力の一層の強化を図るため、国内投資の促進、供給網の強靱化、産業用地の整備、担い手の確保等を行うものです。我が国をより自立した強い国としたいという思いは我が党も共有しておりますので、基本的な方針には賛同いたします。その上で、以下質問させていただきます。

まず、大胆な投資促進税制について伺います。

この税制は、投資利益率、ROI一五%以上等の要件を満たす設備投資について、即時償却又は税額控除を認める制度であり、全業種を対象としております。

一方で、FIT・FIP制度の対象となる太陽光発電や風力発電事業は、国民の電気料金に上乗せされる再エネ賦課金によってその収益性の一部が支えられています。一定数の国民がこの再エネ賦課金に疑問を持つ中で、こうした再エネ事業でこの税制を利用すること、つまり、国民負担に支えられた制度収入を前提にしてROI一五%以上を達成する再エネ案件でこの大幅な税制優遇を受けることについて、国民の理解は得られるのでしょうか。

政府として、こうした案件を対象から除外する、又はROI算定上、FIT・FIP制度による、FIT、FIPによる制度収入を補正するなど、国民負担との均衡を図る考えはないか、経済産業大臣に伺います。

この大胆な投資促進税制の平年度の見込みとしては、対象となる投資額は四兆円程度、税の減収分は四千百億円程度となると承知しております。インパクトのある減税措置となりますが、これがどの程度国民生活に裨益するとお考えでしょうか。どう賃上げにつながるのか、どう国民生活が良くなるのか、経済産業大臣に見解を伺います。

また、主務大臣認定を受けた場合に金融支援を受けられる事業適応計画の類型として、新たに国際経済事情激変型と事業費上昇型が追加されることについては、現在の世界情勢を受けて必要性があると認識しています。

ただ、現在の物価高には二つの要因があると考えます。一つは輸入物価上昇、そしてもう一つは、三十年続いた緊縮財政によって供給能力が毀損し、結果として供給能力が需要を下回るインフレギャップが生まれていることです。

高市総理も御発言のとおり、日本は国内投資が圧倒的に不足してきた結果、供給能力、つまり、物やサービスを生み出す力は削られてきました。

例えば、公共投資はピーク時の六割まで減り、一九九七年に六百八十五万人だった建設業の就業者数は、昨年には四百七十七万人となっています。現在深刻になっているインフラの老朽化への対応や今後の災害への備えは、供給力があってこそできることです。この不足した供給能力を取り戻していくためにも、今回のような国内投資の促進策は重要であると考えます。

高市内閣は、以前から、縮小均衡を招く行き過ぎた緊縮財政ではなく、未来への投資としての積極財政で国力を強くするといった内容や、単年度のプライマリーバランスにはこだわらない旨を発信されてきました。

ここで改めてお尋ねしますが、供給能力こそが国力の根幹であり、財政出動によって政府主導で民間投資を牽引していく方針に変わりはありませんか。日本成長戦略担当大臣にお伺いいたします。

また、イラン情勢の影響により不足が危ぶまれる燃料油や石油由来製品の調達について、政府の日々の御尽力に感謝いたします。

ただ、現在の発達した流通網において、全てをくまなく把握するということは大変難しいものがあり、政府の発信と実際の現場の声には乖離が見られます。私の地元の茨城県龍ケ崎市では、市の指定のごみ袋が手に入りにくくなっておりますし、塗料や自動車部品、プラスチック製品など、なかなか入ってこないという声も度々耳にします。仕入れが滞り、営業がほぼ停止していて、このままでは倒産してしまうという悲痛な声も聞きます。

そういった民間の声を集めるために経産省の情報提供フォームがあり、その存在を報道陣や業界団体などに周知しているとのことですが、多くの中小企業の方が知らないか、又は、知っていても情報提供して何が変わるのかと諦めてしまっているのではないでしょうか。

実際にフォームを拝見したところ、情報提供だけでなく、供給要請という項目がありました。このフォームから供給要請をした場合にどういった対処がされるのかを具体的にお伝えすることで、情報はより集まりやすくなるのではないでしょうか。

供給要請を受けた場合の具体的な対処としてどのようなことが考えられるのか、またそれを周知する方法についても、併せて経済産業大臣にお尋ねします。

次に、地域経済牽引事業の用に供されるデータセンターに対する工業用水の供給の義務付けについてお尋ねします。

データセンターでは発熱するサーバー機器を冷却する必要があり、今後、AI用のサーバーの増加に伴い、データセンターで使う冷却水の量も増えていくと考えられます。

そのために、今回、工業用水の供給の義務付け対象として新たにデータセンターが加わることになりましたが、これによる水不足の懸念はないのでしょうか。また、製造業等に向けた工業用水との優先順位をどのように位置付けるのでしょうか。経済産業大臣にお尋ねします。

次に、生活維持役務等供給事業の効率化支援に関連してお尋ねします。

昨今、特に人口が減少している地域において、生活に必要不可欠なサービスである生活必需品の販売や交通、物流、ガソリンスタンド、自動車整備等の事業の採算が悪化し、継続が困難になる事例が多数発生しています。

本改正案には、こうした事業の合理化、多角化、広域化に対して金融支援等を行うことが盛り込まれていますが、今後も人口減少が続けば、効率化した上での維持にも限界があります。維持するには一定の人口規模が必要であり、そのためには東京一極集中の是正が必須なのではないでしょうか。

まず、交通網についてですが、地方の交通網は単なる採算事業ではなく、国土保全、防災、通学、通院、観光など地域経済を支える社会インフラです。能登半島地震でも明らかになったように、過疎地域だから道路や鉄道への投資を抑えるという発想では更に人が住めなくなり、都市集中が進みます。

鉄道の大半は以前は国有であった歴史もあります。地方創生を本気で進めるのであれば、採算性だけで地方鉄道の存廃を判断するのではなく、自治体が所有者となった上で民間が運営する上下分離方式や国による施設維持支援も念頭に、一時的な支援にとどまらない安定的な財源確保を目指す、検討するべきではないでしょうか。国土交通大臣の見解を伺います。

最後に、東京一極集中の是正についてお尋ねします。

現在の東京圏の人口は全人口の三割ほどとなっており、この三十年ほど転入超過となっています。地方の人口流出を食い止めるためには、進学先として魅力的な大学や、その後の就職先である企業立地を地方に増やす必要があると考えます。

東京から地方への本社機能移転時に税額控除を行える地方拠点強化税制は既に存在しますが、あくまで移転時の一時的な支援となっています。

現在、各地域ごとの戦略産業クラスター計画が話し合われている地域未来戦略においては、地方での企業立地促進に向けて更に踏み込んでいただきたいと思います。本社機能だけではなく、研究開発拠点、製造拠点、データセンター等を地方に移転、新設する企業に対し、法人税の税額控除や特別償却、あるいは補助金、交付金といったあらゆる方法を考慮した上で、より継続的な支援を御検討いただけないでしょうか。地域未来戦略担当大臣の見解を伺います。

参政党は、国内投資の促進を地方経済の活性化につなげ、大企業だけでなく中小企業も元気になり、真面目に働く全ての国民が豊かになれる、そういう日本をつくりたいと考えています。そして、これは与野党問わず、共に目指せる日本の形であると思います。

以上で私の質問を終わります。

ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕

前後のやりとり

14の発言を見る

22の発言を見る

顔写真の出典(Wikimedia Commons、5件)