白川容子 (日本共産党)

2026年5月13日・第221回国会 参議院 本会議 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 28 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 37 発言)

日本共産党の白川容子です。

私は、日本共産党を代表し、健康保険法等の一部を改正する法律案について、高市総理に質問いたします。

まず、本法案は、自民、維新の連立政権合意書に掲げられたOTC類似薬の自己負担分を求めるために、一部保険外療養を創設するとしています。七十七成分、約千百品目のOTC類似薬について、薬剤費の四分の一を特別の料金として保険外の負担を患者に求めますが、薬剤費の残り四分の三に掛かる定率負担と合わせると、現在窓口で三割負担の方は約五割の負担になります。五割もの自己負担の押し付けを、もはや公的保険の給付とは呼べません。将来にわたって七割の保険給付、自己負担は三割以内を維持するとした二〇〇二年改正健保法附則の趣旨に反することになるのではないですか。

こうした保険外しは、社会保険料の抑制のためと説明されています。しかし、衆議院の審議で、OTC類似薬の患者負担増による国民の社会保険料の軽減は月三十三円程度であることを政府は認めました。今回の制度改変で、けがや病気になったときの負担増は、その何十倍にもなるのではありませんか。

しかも、負担増はこれだけにとどまりません。昨年末の自民、維新の政調会長間合意にも、二〇二七年度以降、OTC類似薬以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指すと書かれています。条文上でも、保険外しの範囲はOTC類似薬以外の薬剤にも広げられることになっているのではありませんか。

さらに重大な問題は、薬剤だけでなく、診察、処置、手術、在宅医療なども厚労省の判断だけで保険給付から外せる条文になっていることです。ドラッグストアで販売される薬剤と医療保険で支給される薬剤との公平性を理由とした見直しだと説明しながら、なぜ薬剤以外も含めて厚労大臣の判断で保険給付から外せる条文になっているのですか。

また、衆議院では、一部保険適用外だと言いながら、条文上では薬剤費の全額負担も可能だと認めました。一連の療養の一部を保険外にすることが可能となれば、薬剤だけでなく、診察や処置などでも全額負担を求めることが可能になってしまうのではありませんか。

結局、この法案は、OTC類似薬の負担増を入口に、国民に際限のない負担増を強いるものです。医療費抑制の施策を転換しない限り、一部保険外療養の保険外しは、負担と給付の調整弁として政府の都合のいいように運用され続けていくことになりはしませんか。明確な答弁を求めます。

私は元々、病院職員として働き、お金がなくて治療も受けられない方々と向き合ってきました。本法案で問われているのは、人の命と政治がどう向き合うのかであり、お金のあるなしで命の重さが量られるような、命の沙汰も金次第という状況にしてはならないということです。

今、長引く物価高騰、中東情勢による経済や暮らしへの追い打ち、医療や介護の負担が国民の生活を圧迫しています。こうしたときだからこそ、社会保障の果たすべき役割が問われています。

社会保障は憲法二十五条の生存権を保障するものであり、高齢者も現役世代もひとしく暮らしを支えるものです。それとは真逆に、世代間対立をあおりながら、実は全体の給付を削減するようなやり方が、高市総理、あなたの目指す社会保障の在り方なのですか。総理にとって社会保障とは何なのか、はっきりとお答えください。

国民全体の生活を支える給付が少な過ぎることが日本の社会保障の構造的な問題です。大軍拡予算を改めて、この構造こそ変えるべきではありませんか。明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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