大臣に伺ったんだけれども、刑事局長が答弁されたので、引き続き具体的なことについてお聞きをしたいんですが、これは繰り返しにもなるんだけれども、例えば、袴田事件のときに、確定審の中で五点の衣類のカラー写真がずっと出されなかったわけですけれども、だけれども、確定審の中では、袴田巌さんは犯行時の着衣としてズボンをはかされたわけですよね。三回はかされた。三回はかされたんだけれども、はけなかった。なぜはけなかったのかというと、袴田さんが肥えたんだ、太ったんだという言い方と、みそ漬けにされていたからズボンが縮んではけなかったんだという点と、もう一つ、ズボンのタグがBだった、そのBが確定審の中では肥満体のBだったということなんだけれども、実は違った。当時、検察がお持ちだったズボンのタグ、Bというのは、肥満体という意味じゃなくて、ズボンの色だった。だから、その証拠物が確定審の段階で提出されていたら、全然違った展開になっていたんじゃないかと私は思っているわけ。
だから、袴田事件の確定審のときだって、主任裁判官は、袴田さんは無罪だと心の中では思っていたけれども、死刑判決を書かざるを得なかったわけでしょう。とんでもない話があったわけですよ。これは合議の問題は別のことでしょうけれども、死刑判決を書いた人が、実は心の中では無罪だと思っていた。
袴田さんが昨日おっしゃっていたように、五十八年闘ってきたわけですよ。袴田事件だけじゃないですよ。今でも冤罪だといって闘っている方々が多くいらっしゃる。だから、あのとき、ちゃんと証拠物として提出されていたら、袴田さんやその御家族や支援者などなどのとんでもない苦悩や苦痛や人間的尊厳の辱めとか人権問題というのはなかったんじゃないですか。今だったらそういう証拠はスムーズに出されるんですか。お答えください。
32
平口洋(自民)法務大臣
お答えいたします。
昨日の袴田ひで子さんに対する参考人質疑の様子については、国会中継の映像を視聴いたしました。そこでは、多年にわたる大変な御経験を踏まえた事件への思いや、現行の再審制度に関する率直な御意見が述べられたというふうに承知をいたしております。
いわゆる袴田事件のように、再審請求から再審無罪判決の確定までに長期間を要する事態が二度と起こることがないよう、再審制度の速やかな改正が必要であるとの思いを強くした次第でございます。
この発言のページ
33
有田芳生(中道)
私が大臣に伺いたいのは、証拠資料の吟味の前に、まず証拠がちゃんと出されていれば、袴田さんの事件についてだけではなく、多くの事件について、もっと早く冤罪だったということが明らかになったのではないですかという質問なんです。
資料の吟味の前に、証拠の幅広い提示、それが必要なんでしょうと聞いているんですよ。違いますか。
この発言のページ
34佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
委員の御指摘のように、平成十六年の改正、いわゆる通常審における証拠開示のルールができる前は、証拠開示であるとか、それに伴う裁判の長期化であるとか、様々な論点があって、いろいろな議論があったところでございました。
その上で、そのような証拠開示に対して、その当時、裁判所からの勧告等がなければそれに対応しないといった運用が行われたのは事実でありまして、その当時のことでありまして、今の目線から見ると証拠開示が消極的だったというのは事実でございます。
その上で、先ほど来、委員も御質問の前提としておられますように、平成十六年以降、証拠開示制…
この発言のページ
- (上の発言)
35
有田芳生(中道)
大臣に伺ったんだけれども、刑事局長が答弁されたので、引き続き具体的なことについてお聞きをしたいんですが、これは繰り返しにもなるんだけれども、例えば、袴田事件のときに、確定審の中で五点の衣類のカラー写真がずっと出されなかったわけですけれども、だけれども、確定審の中では、袴田巌さんは犯行時の着衣としてズボンをはかされたわけですよね。三回はかされた。三回はかされたんだけれども、はけなかった。なぜはけなかったのかというと、袴田さんが肥えたんだ、太ったんだという言い方と、みそ漬けにされていたからズボンが縮んではけなかったんだという点と、もう一つ、ズボンのタグがBだった、そのBが確定審の中では肥満体のBだったということなんだけれども、実は違った。当時、検察がお持ちだったズボンのタグ、Bというのは、肥満体という意味じゃなくて、ズボンの色だった。だから、その証拠物が確定審の段階で提出されていたら、全然違った展開になっていたんじゃないかと私は思っているわけ。
だから、袴田事件の確定審のときだって、主任裁判官は、袴田さんは無罪だと心の中では思っていたけれども、死刑判決を書かざるを得なかったわけでしょう。とんでもない話があったわけですよ。これは合議の問題は別のことでしょうけれども、死刑判決を書いた人が、実は心の中では無罪だと思っていた。
袴田さんが昨日おっしゃっていたように、五十八年闘ってきたわけですよ。袴田事件だけじゃないですよ。今でも冤罪だといって闘っている方々が多くいらっしゃる。だから、あのとき、ちゃんと証拠物として提出されていたら、袴田さんやその御家族や支援者などなどのとんでもない苦悩や苦痛や人間的尊厳の辱めとか人権問題というのはなかったんじゃないですか。今だったらそういう証拠はスムーズに出されるんですか。お答えください。
36佐佐藤淳法務省刑事局長
お尋ねについてお答えする前に、本年六月三日の法務委員会における委員からの御質問に対して、私の答弁に誤りがございましたので、まずはこの場をおかりして、おわびの上、訂正させていただきたいと思います。
その委員会で、有田委員から、再審無罪事件検討結果報告についてお尋ねをいただいた際、私が、既に保管期間は経過していますので、現状として残っているわけではないなどとお答えしましたが、この答弁は誤りでございまして、正しくは、現在も検察当局において行政文書として保有されているということでございますので、私の勘違いでございまして、その旨訂正いたします。申し訳ございません…
この発言のページ
37
有田芳生(中道)
だから、証拠が決定的なんですよ、証拠が。全面的に開示しなければいけないのに、今の政府案の中では。
次の質問に行きますけれども、証拠の目的外使用の禁止規定について、これをちょっと細かく伺いたいんですけれども、私たちは、再審法改正案に対する修正を今検討しておりますけれども、その一つとして、目的外使用の禁止規定及びその違反に係る罰則規定を削除をする、そうしなければいけないと検討しているんですけれども、この私たちの主張に対して、いかがですか。
この発言のページ
38佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
再審請求審でそのように悪用された事例があるのかという質問であるというふうに、なぜ必要なのかという趣旨でお答えいたしますと、現実には、通常審における証拠の目的外使用の禁止に係る罰則が適用された事案として、強制わいせつ被告事件の被告人であった者がその犯罪に係る事件の捜査報告書の内容をインターネットに掲載したことについて有罪判決が確定した事案であったり、いわゆる児童買春等処罰法違反の被告事件の被告人であった者がその犯罪に係る事件の供述調書の抄本に関する複製の一部が閲覧可能なURLをインターネットサイトに掲載したことにつきまして有罪判決が確…
この発言のページ