お答えいたします。
刑事訴訟法三百十六条の十四の第二項の証拠の一覧表の交付手続といいますのは、検察官が公訴事実を立証し、被告人、弁護人がそれに反証を行うという当事者主義的構造の下で、公判前整理手続あるいは期日間整理手続に付された事件におきまして、被告人が証拠開示請求をするための手がかりといたしまして検察官が保管している証拠の一覧表を交付することによりまして、証拠開示請求を円滑、迅速ならしめ、公判前整理手続等がより円滑、迅速に行われようとするためのものでございます。
その上で、これに対しまして、再審請求審というのはちょっとジャンルとか時期が違いまして、既に有罪判決が確定して、その根拠となった証拠群が判決書や確定記録によって把握できる、その論理構造、全体構造が把握できる中で、どの証拠の認定や証拠評価が誤っているかを自ら把握して主張する立場にある再審請求人の側から見て、その検察官の手持ち証拠がどのような証拠であるのかということを、自分が間違っていると考える事実認定、あるいは、その証拠がそもそも信用性がない証拠であるのに、それによった裁判所の判断が誤っているというふうに主張するためのことをまず念頭に置いて、それに関連する証拠を開示させていくということを狙った手続になるかと思うんですけれども、そういう意味で、再審請求人、再審請求者が再審請求事由の存在を主張して、裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続ということもあって、職権主義と当事者主義で前提が少し異なるというのは事実ではあろうというふうに思います。
その上で、審理の在り方とか、その時期、そもそも確定審の判決がある後なのか、そもそも裁判が始まる時点で証拠開示の手がかりをつくるべきなのかどうかという意味において、三百十六条の十四と二十七というのも、少しジャンルが違う、何といいましょうか、証拠の開示を迅速化するための一種の仕組みの、ちょっと違う視点から行われているものだということでありまして、今回、再審請求審において証拠提出命令のための制度をつくるに当たりましては、三百十六条の二十七ですか、こちらの方がより実態に即している制度なのかなというふうに私は理解しているところでございます。
253
國重徹(中道)
先ほど申し上げましたとおり、再審制度は、その入口については請求人、弁護人に依存している、請求人、弁護人が動かなければ始まらない制度になっています。にもかかわらず、証拠の一覧表が請求人らには開示をされない。その結果、証拠の全体像が分からない。
確かに、先ほどのやり取りを聞いていますと、通常審において様々な証拠が出ているので、その範囲では当然分かると思いますけれども、ただ、自分が無罪と主張する請求人にとっての有利な証拠がどこまであるのかというのは分からないというのもあると思います。そういう、全体像が分からない中で、どう適切に証拠提出の請求をしていくのか。
…
この発言のページ
254
西村智奈美(中道)
お答えいたします。
御指摘のとおり、再審請求人側にとって、通常審の段階で裁判所に提出されなかった証拠を含めて、証拠の全体像を把握することは極めて困難であります。しかし、再審請求人側が再審請求理由について的確に主張を組み立てた上で円滑に証拠開示の手続を進めるためには、その開示を求める証拠が証拠の全体像においてどのような位置づけでどの程度の重要性を有しているのかというのを適切に把握することが極めて重要だと考えております。
この点を踏まえて、超党派の議連では、通常審における証拠開示制度と同様に、保管証拠の一覧表の作成と交付についての規定を設けることも検討さ…
この発言のページ
255
國重徹(中道)
私は、再審制度をやはり適切にワークさせていくためには、今答弁でありましたとおり、再審請求人、弁護人への送致書類等目録あるいは証拠の一覧表の開示というのは不可欠で、ここが肝なんじゃないかなというふうに考えております。
法務省にお尋ねしますが、なぜ今回の政府案では、議連案が規定する送致書類等目録の再審請求人等への開示、あるいは三百十六条の十四に規定する弁護人への証拠の一覧表の開示のような規定を設けなかったのか、この理由について伺います。
この発言のページ
- (上の発言)
256佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
刑事訴訟法三百十六条の十四の第二項の証拠の一覧表の交付手続といいますのは、検察官が公訴事実を立証し、被告人、弁護人がそれに反証を行うという当事者主義的構造の下で、公判前整理手続あるいは期日間整理手続に付された事件におきまして、被告人が証拠開示請求をするための手がかりといたしまして検察官が保管している証拠の一覧表を交付することによりまして、証拠開示請求を円滑、迅速ならしめ、公判前整理手続等がより円滑、迅速に行われようとするためのものでございます。
その上で、これに対しまして、再審請求審というのはちょっとジャンルとか時期が違いまして、既に有罪判決が確定して、その根拠となった証拠群が判決書や確定記録によって把握できる、その論理構造、全体構造が把握できる中で、どの証拠の認定や証拠評価が誤っているかを自ら把握して主張する立場にある再審請求人の側から見て、その検察官の手持ち証拠がどのような証拠であるのかということを、自分が間違っていると考える事実認定、あるいは、その証拠がそもそも信用性がない証拠であるのに、それによった裁判所の判断が誤っているというふうに主張するためのことをまず念頭に置いて、それに関連する証拠を開示させていくということを狙った手続になるかと思うんですけれども、そういう意味で、再審請求人、再審請求者が再審請求事由の存在を主張して、裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続ということもあって、職権主義と当事者主義で前提が少し異なるというのは事実ではあろうというふうに思います。
その上で、審理の在り方とか、その時期、そもそも確定審の判決がある後なのか、そもそも裁判が始まる時点で証拠開示の手がかりをつくるべきなのかどうかという意味において、三百十六条の十四と二十七というのも、少しジャンルが違う、何といいましょうか、証拠の開示を迅速化するための一種の仕組みの、ちょっと違う視点から行われているものだということでありまして、今回、再審請求審において証拠提出命令のための制度をつくるに当たりましては、三百十六条の二十七ですか、こちらの方がより実態に即している制度なのかなというふうに私は理解しているところでございます。
257
國重徹(中道)
今日、私、一回目の質問なので、また今日を踏まえてやりますので、また議事録を精査した上で質問を重ねたいと思いますけれども、ちょっといろいろ、一つ一つ潰していきたいというか、やっていきたいと思いますので。今おっしゃったのは構造のところですよね、構造論についてお話をされました。これについては、そもそも何が一番の目的かというところのぶつかり合いがあると思いますので、またこれは改めて述べたいと思いますが。
以前、法務省の方から御説明を受けたときに、被害者のプライバシーと、この証拠の一覧表の開示のとき等に言われていたような気がするんですけれども、これは入らないとい…
この発言のページ
258佐佐藤淳法務省刑事局長
申し訳ございません、質問がよく聞き取れずにおりまして、三百十六条の十四の証拠の一覧表の交付に関するトラブルなのかどうかということで……(國重委員「もう一度聞きましょうか」と呼ぶ)はい。
この発言のページ
259
國重徹(中道)
今回、再審請求審においての証拠提出命令、ここにおいて、通常審における三百十六条の十四、つまり弁護人に対する証拠の一覧表の開示のようなものを再審に導入した場合に、これらは名誉とかプライバシーに関わるもの、捜査手法に関わるもの、捜査に支障が生じる場合もあるからここは控えるというようなことがかつて部会等のやり取りであったように認識しているんですが、ここは含まれるということでよろしいんでしょうか、どうなんでしょうか。
この発言のページ