柴愼一 (立憲民主党)

2025年3月31日・第217回国会 参議院 財政金融委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 3 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 109 発言)

私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について反対の立場から討論いたします。

反対する第一の理由は、所得税の年収の壁対策に関わる一連の改正内容です。

基礎控除に年収に応じた四区分が設けられ、かつ時限措置となるなど、複雑極まる制度となりました。各企業の給与会計実務に携わる方々の事務負担やシステム改修などのコストが増大する観点からも、大きな問題が生じる懸念があります。

与党修正による年収二百万円を超えるラインを境に新たな壁が生じます。高所得層の減税額が大きくならないようおおむね二万円の減税額とするなら、二万円の定額減税とすればよかっただけです。税制の基本原則である公平、中立、簡素が大きくゆがめられた結果である本改正案を容認することはできません。

反対する第二の理由は、物価高に苦しむ国民生活に対して税制による支援が不十分な点です。

三党合意によっていわゆるガソリンの暫定税率を廃止することが決定されているにもかかわらず、今日までの衆参における予算質疑で、委員会質疑でその具体策が示されることは一切ありませんでした。また、石破総理が予算成立後に燃料費高騰対策の検討について触れたとする報道は、委員会での真剣な審議をないがしろにするものであり、厳しく指摘したいと思います。

反対する第三の理由は、法人課税の見直しが不十分な点です。

巨額の租税特別措置が、明確な効果が見られないまま惰性で続けられています。賃上げ促進税制に関しては、今次春闘交渉における大手の満額回答が相次ぐ中、価格転嫁が進まず、経営に苦しむ中小企業の賃上げに今こそ実効ある支援策を講じるべきです。

反対する第四の理由は、規模ありき、四十三兆円の防衛費確保のための税制措置は到底認められないからです。たばこ増税を含め、防衛増税は撤回するべきです。

政治と金の問題で政治への信頼回復に向けた様々な取組が進められていますが、そのような中、石破首相による十万円の商品券配付問題が発覚し、国民との金銭感覚の大きなギャップが明らかになりました。派閥裏金問題では、裏金を受け取った議員に対して納税を求めない税務当局に対する厳しい批判が沸き起こりました。国民は、一円たりとも徴税逃れ、申告漏れを許されません。このような状況の中で、政府・与党が税制を担い、国民に税の負担をお願いする資格はないと言わざるを得ません。

以上から、本改正案には明確に反対することを表明し、私の討論とさせていただきます。

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