伊藤敏行日本食品関連産業労働組合総連合会会長

2025年5月8日・第217回国会 衆議院 農林水産委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 59 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 102 発言)

御質問ありがとうございます。

中にはやはり、価格転嫁がうまく進んで利益を確保できるようになった、その結果によりまして賃上げにつながったという企業もあると思いますけれども、一方で、大幅な賃上げを行った組合であっても、いろいろと内情を聞いてみますと、やはり人材流出を防ぐための防衛的な賃上げのため、企業の方もやむを得ず回答したというようなところも多く聞きます。また、そういった企業では、価格転嫁や商習慣の見直しが進んで利益構造の改善が進んだわけではないと推察されますし、根本的な原資確保にはまだまだ至っておらず、やはり来年以降の持続的な賃上げに向けては現状なかなか厳しいという声も聞いております。

さらに、食品製造業に限って見れば、全国に二万社以上、また従業員数は百万人を超えるということでありますが、やはり九五%が中小・小規模企業ということでございます。こうした企業群の多くはやはり、労働組合が存在せず、我々のように労使交渉をせずに、賃金改善もままならないといった、より厳しい環境に置かれているのではないかなというふうに思います。

中小・小規模事業者の食品関連産業は、やはり、地域に根差した事業を営み、地域経済、雇用、生活インフラを支える重要な存在であると思いますし、もし価格転嫁の遅れにより事業が困難に陥れば、地域の食の豊かさや雇用の基盤が失われるおそれがあるというふうに思っております。

このような状況を打破するために、何より、事業者が生み出した価値が正当に評価され、それが適正価格で取引される仕組みの構築が急務であるというふうに思っております。利益を確保しまして賃上げ原資を生み出す経済構造の再設計がなければ、やはり地域経済の持続可能性も危ぶまれるというふうに思っております。

以上でございます。

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