小野田紀美 (自由民主党)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)

2026年5月27日・第221回国会 参議院 本会議 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 16 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 42 発言)

窪田議員から、まず、経済安全保障推進法に基づくレアアースの安定確保等への成果と、ナフサの安定供給確保への取組についてお尋ねがありました。

経済安全保障推進法に基づき、昨年までに十六の特定重要物資を指定し、現時点において供給確保計画の認定件数は百四十九件に達しております。

議員御指摘のレアアースを含む重要鉱物については、これまで八件の供給確保計画を認定しており、具体的には、蓄電池に用いる金属の探鉱や精錬事業、廃棄される蓄電池からの金属の回収、精製に向けた実証試験などの取組を支援しております。

加えて、永久磁石につきましても六件の計画を認定しており、その中では、廃棄される磁石からレアアース原料をリサイクルする事業や省レアアース磁石の開発といったレアアース関係の取組も支援しております。

次に、ナフサにつきましては、備蓄原油を用いて国内での精製を継続していることに加え、中東以外からの輸入拡大により、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の在庫も合わせると年を越えて継続できる見込みであり、日本全体として必要な量が確保できていると承知しております。

他方、足下では一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じているものと認識しており、現在、政府として、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣の下、ナフサなどの石油製品、関連製品を含む重要物資の安定供給確保に向けた取組を進めているところです。

今般の中東情勢に限らず、国際情勢が急速に変化する中で、先を見越した物資の安定供給を確保していくことも重要であることから、引き続き、関係各省とも連携し、重要な物資の安定供給確保に向け取り組んでまいります。

次に、重要な物資の供給に不可欠な役務についてお尋ねがありました。

サプライチェーン強靱化のためには、物資そのものの生産等のみならず、物資の供給に不可欠な役務の提供が確保される必要があります。

このため、今般の改正により、重要な物資やその原材料等そのもののみならず、これらを供給する上で不可欠な役務であって、その役務が専ら当該物資等の供給のために用いられるものについて、外部への依存性や供給が途絶する蓋然性等が認められる場合に当該物資を特定重要物資として指定し、当該役務に関する取組を支援することにより重要な物資の安定供給確保を図ることができるようにするものです。

具体的にどのような役務が支援の対象となるかにつきましては、今後策定する基本指針において基本的な考え方を整理した上で、これに基づき特定重要物資ごとに定める取組方針において、当該物資の安定供給確保に必要な取組の内容に応じて、主務大臣の下で個別に判断し定めることとなりますが、例えば、役務の提供基盤となる施設や設備の整備、役務の提供に係る技術の開発や改良により供給不可欠役務の提供能力を維持強化することが考えられます。

次に、基幹インフラ制度への医療分野の追加に係る支援についてお尋ねがありました。

基幹インフラ制度への医療分野の追加に当たっては、まず、事業者にとって過度な負担にならないよう、規制対象は真に必要な範囲に限定するとともに、事業者の負担に配慮し、十分な準備期間を設けるため、段階的に対象となる病院を指定することを検討しております。

また、厚生労働省において、病院のサイバーセキュリティー対策等につき、既存の支援措置等を活用して可能な限り必要な支援を行っていくことも検討していると承知をしております。

こうした点も含め、対象事業者等の指定に当たっては、事業者等の御意見も伺いながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、基幹インフラの対象分野の追加の在り方についてお尋ねがありました。

基幹インフラ制度の対象となる事業は、国民生活及び経済活動の基盤となる役務であって、その安定的な提供に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものなどとされており、これらの要件を満たすものとして、これまで十五分野を選定し、今般、医療分野を追加することとしております。

対象分野の追加については、事案の発生を受けてから検討するのみならず、技術の進展や社会経済構造の変化などを踏まえ、不断の見直しを行っていくことが重要と考えております。

このため、政府としては、重要な役務を提供する事業について、平時から、安定的な提供を阻害する要因となり得るリスクなど、その事業に関連する脆弱性を幅広く点検、把握し、その対応策等の検討を行っております。

引き続き、こうした取組も踏まえつつ、基幹インフラ制度の対象分野の見直しを行ってまいります。

次に、経済安全保障上重要な海外事業の促進に関する制度における中小企業への支援についてお尋ねがありました。

本制度におきましては、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援することとしております。

支援対象とする事業の実施主体につきましては、経済安全保障法制に関する有識者会議における経済安全保障の更なる推進に向けた提言において、海外事業については、様々な実施主体が想定されるため、実施主体の要件を限定的にせず、多様な主体に対して支援できる枠組みを検討し、様々な主体が我が国の経済安全保障の確保に貢献できる制度とすべきであるとの御提言をいただいていることも踏まえ、中小企業を対象外とすることは予定しておりません。

また、海外事業は、国内事業と比べ事業リスクが高い一方、民間事業者、特に中小企業のみで得られる情報は限られることから、国際展開における事業リスクの認識、判断等においては、官民の連携が重要であるものと認識しております。

このため、本制度におきましては、関係省庁と密に連携の上、主務大臣や海外事業のファイナンスに関する知見、実績を有するJBICが情報の提供や助言等を行うことも可能としております。経済安全保障上重要な海外事業を実施しようとする中小企業におかれましては、こうした制度も活用していただきたいと考えております。

次に、JBICによる劣後出資等についてお尋ねがありました。

本制度におきましては、認定された特定海外事業を支援するため、償還確実性や収支相償の原則の対象外となる新たな勘定を設け、JBICによる一層強力なリスクテークを可能としております。

本制度に基づく投資の適切性、透明性の確保につきましては、経済安全保障推進法第八十五条の三第四項において特定海外事業を認定する際の基準を明記しているほか、同法第八十五条の二において、基本指針を策定する際には、認定に関する基本的な事項を更に具体化して定め、公表することとしています。

また、認定後の実施状況につきましては、第八十五条の六第一項及び第二項の規定に基づき、認定特定海外事業者からの定期的な報告と必要に応じた報告を受けることに加え、JBICを通じた適時適切なモニタリングも実施し、確認を行うこととしております。その上で、必要に応じて有識者等の御意見もいただきながら、適切にフォローアップを行ってまいります。

財政規律につきましては、基本指針で具体化する事項も踏まえ、個別の特定海外事業の認定基準への適合性を厳密に精査することを通じて投資の適切性を確保することに加え、本制度に係る業務による損失に伴いJBICが債務超過に陥らない運用を保持することで財政規律の確保に努めてまいります。

次に、総合的な経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所の在り方についてお尋ねがありました。

総合的な経済安全保障シンクタンクは、独立行政法人内に設置される公的機関であり、政府の要請への即応も含め、外交、情報、防衛、経済、技術の専門性を有する調査研究を実施し、政策提言を行うものです。

一方、いわゆる重要技術戦略研究所は、一般財団法人として設立される民間機関であり、技術に特化し、アカデミアも巻き込む形で、産学官連携による科学技術戦略の推進等に加え、大学と連携した人材育成を行うことが期待されています。

このように、二つのシンクタンクは役割や組織体制が異なることから、まず、各シンクタンクがそれぞれの役割に基づき設立され活動を進めていくことに経済安全保障上の意義があると考えております。

その上で、今後、経済安全保障法制に関する有識者会議の御提言も踏まえ、独立行政法人と民間機関という各シンクタンクの役割に適した組織体制の違い、経済安全保障へのアカデミアの関与といった論点も念頭に、各シンクタンク設立後の活動状況も見つつ、早急に統合の在り方について検討を進めてまいります。

最後に、高度なAIを活用した重要インフラへのサイバー攻撃への対処についてお尋ねがありました。

高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度上の対応のみならず、各重要インフラ所管省庁の業法等に基づく取組や、国家サイバー統括室のサイバー対処能力強化法に基づく取組等と連携し、政府全体で包括的かつ重層的に対応を進めることが重要です。

今月十二日には、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向け、重要インフラ事業者等への対応と、脆弱性の発見、修正等の対応の双方の観点から、政府全体での対応を早急に具体化し、実施するよう指示がありました。

これを受け、今月十八日には、AI性能の高度化を踏まえたサイバーセキュリティ対策に関する関係省庁会議が開催され、重要インフラ事業者等やソフトウェアベンダーにおける対策強化に向けた取組を政府一体で早急に進めていくため、事業者向けの周知とともに、必要な施策も含めた関係省庁、関係機関の施策を包括的にまとめた対策パッケージ、プロジェクト・ヤタ・シールドが発表されたところです。

経済安全保障担当大臣としても、この対策パッケージの一環として、国家サイバー統括室及び事業所管省庁と連携し、基幹インフラ事業者に対して、経営層のリーダーシップの下で、高性能AIの悪用リスクに備えたセキュリティー対策の実施や、より高速かつ大量に脆弱性が発見、修正されることを前提とした対策強化を求める注意喚起を直ちに実施いたしました。

引き続き、関係府省庁との連携を強化しつつ、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいります。(拍手)

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