窪田哲也 (公明党)

2026年5月27日・第221回国会 参議院 本会議 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 42 発言)

公明党の窪田哲也です。

会派を代表して、経済安全保障推進法及びJBIC法の一部改正案について質疑を行います。

経済の武器化が進行する中、我が国は、二〇二二年五月に成立した経済安全保障推進法に基づき、経済面から国民の安全を守るための取組を進めてきました。公明党は、その前提として、日本経済の原動力である自由経済と安全保障を両立させることの重要性をかねてから主張してきました。自由経済の主な担い手である中小企業やスタートアップを含む民間企業が果たす役割は一段と重く、引き続き官民一体での施策の推進が求められます。

以下八点、全て小野田経済安全保障担当大臣に答弁を求めます。

初めに、現行法の成果及びナフサ安定供給確保への対応についてです。

同法は、二〇二二年の成立以来、初の大型改正となります。この間、ロシアによるウクライナ侵略の長期化やレアアース輸出規制の深刻化、中東情勢の緊迫化など、我が国を取り巻く経済安全保障環境は激動しています。

こうした安全保障環境を受け、レアアースの安定確保などに現行法がどのように機能してきたのでしょうか。また、特定重要物資には指定されていませんが、石油関連品の原料で、政府が全体として必要量は確保されていると説明するナフサの安定供給確保にどう対応できているのでしょうか。

次に、支援対象となる役務に関して伺います。

法改正では、サプライチェーンの強靱化に向けて、重要物資そのものだけではなく、光海底ケーブルの敷設、保守や人工衛星の打ち上げに関わる作業など、役務も対象となります。

今後どのような役務が支援対象となるのか、民間事業者に分かりやすく明示する必要があると思われます。想定される役務の定義や基準についてどのように考えますか。

三点目は、特定社会基盤事業者に指定される特定機能病院に対する支援についての質問です。

法改正によって、特定社会基盤事業者として特定機能病院が指定されることになります。しかし、指定される特定機能病院が特定重要設備を導入するには、過度の財政負担やサイバー関係の人材不足も不安視をされます。

医療機関は今、中東情勢の緊迫化を受けて、基盤物資の供給不安と価格高騰もあり、経営が悪化しています。そうした中で、特定社会基盤事業者に選定される特定機能病院に対し、国はどのような支援策を実施する考えでしょうか。

続いて、対象分野の追加の在り方について伺います。

基盤、基幹インフラ制度については、二〇二二年に成立した推進法において規定された十四分野で制度が開始されました。その後、二〇二三年七月の名古屋港におけるサイバー攻撃事案等を踏まえ、基幹インフラ制度の対象に一般港湾運送事業が追加されました。これについては、高市総理も、インシデント発生を受けて事後的に特定社会基盤事業に追加するのではなく、トップダウンのアプローチが求められると著書でも述べられたとおりです。

インシデント発生前の対象分野の追加の在り方について、どう考えますか。

五点目に、認定特定海外事業者認定へ向けた中小企業に対する支援策について伺います。

我が国の経済安全保障を確保するためには、国内において経済安全保障の確保に必要な取組を充実させるだけではなく、同盟国や同志国、グローバルサウス諸国等と協働し、官民一体で経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要性が高まっています。

特定海外事業を実施しようとする者は、特定海外事業計画を作成し、主務大臣に提出して、その認定を受けることができますが、大企業のみならず、中小企業も認定海外事業者の認定を受けることはできるのでしょうか。また、政府は、中小企業の認定のために、どのような支援策を実施していく考えでしょうか。

六点目に、JBIC劣後出資の許容範囲や、投資の適切性、透明性の確保について伺います。

改正案では、経済安全保障上重要な海外事業を支援するための新たな制度を創設することとし、国際協力銀行、JBIC法の目的規定に経済安全保障に係る項目を追加するとともに、JBICに新勘定を設け、同勘定から劣後出資等を供与することで民間資金の動員を図る仕組みが創設されます。

劣後出資等によって、JBICが積極的にリスクテークを行うこととなりますが、損失リスクの許容範囲を広げた投資の適切性や透明性をどう確保していくのでしょうか。また、新勘定については、一般会計予算から資本金を支出予定とされていますが、どのように財政規律を確保していくのでしょうか。

七点目に、総合的な経済安全保障シンクタンクの在り方について伺います。

シンクタンクについては、推進法制定前の骨太の方針から記述があり、政府が推進法に基づくシンクタンクとして想定したのは重要技術戦略研究所的なものであったと思われます。骨太の方針二〇二五には、総合的なシンクタンク機能を含む対応の強化と記載され、これが今回の改正につながっています。

総合的な経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所が併存することになりますが、その意味は何でしょうか。両者の調査研究対象に重複はありませんか。経済安全保障法制に関する有識者会議の提言では、人材、資金を最大限有効活用するべく、近い将来統合すべきとされていますが、政府はどのような将来像を描いているのでしょうか。

最後に、新たな脅威への対処について伺います。

米企業アンソロピックが開発したAI、クロード・ミュトスの衝撃が世界に広がっています。ミュトスはシステムの脆弱性を見付け出す能力を飛躍的に高めたAIであり、重要インフラがサイバー攻撃の標的になれば、経済社会システムが深刻な打撃を受け、経済安全保障上の影響は極めて大きくなります。

政府は、今月十八日、関係省庁会議の初会合を開き、重要インフラ事業者やベンダーらに注意喚起したとされますが、こうした経済安全保障上の新たな脅威にどう対処する考えでしょうか。

安全保障の裾野が経済、技術分野に急速に拡大しています。その中にあって、自由経済の下での安全保障の強化という、まさに自由と安全のバランスの重要性を訴え、質疑を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣小野田紀美君登壇、拍手〕

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