佐々木雅文 (公明党)

2026年5月15日・第221回国会 参議院 本会議 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 16 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 42 発言)

公明党の佐々木雅文です。

私は、会派を代表して、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法等を改正する法律案につきまして質疑を行います。

今回の改正については、電子渡航認証制度、JESTAに関係する部分と、在留資格変更許可等に係る手数料関係の部分と、大きく二つに分かれています。これらは制度目的や趣旨、改正に至る背景を異にするものであることを踏まえつつ、他方で、入管制度は在留資格制度とイコールであり、直結している制度であることも考慮しながら、具体的に質問をします。

まず、JESTAについてです。

観光を主な目的とする訪日外国人旅行者が増大しており、今後も増加が見込まれています。裾野の広い観光産業を更に発展させていくことや、日本の文化や歴史を知ってもらうためにも、訪日旅行者が増えることは歓迎すべきことです。

こうした訪日外国人の多くが査証免除対象者であり、短期滞在の在留資格で入国する方々ですが、上陸審査に時間が掛かっているという問題があり、審査手続の円滑化を進めることは有益な対策です。

そのための事前認証制度がJESTAですが、制度目的として、厳格な出入国管理の実現も掲げられています。

そこで、審査と情報管理の透明性を確保することの重要性と、その重要性を踏まえた制度設計を構築する観点から、具体的にどのような情報を取得するのか、また、取得に当たっては個人情報保護法六十二条の利用目的の明示を行う必要があると考えられますが、どのような手段で相手方に伝えるのか、明示する内容はどのようなものとなるのか、そして、取得した情報はどの組織がどのように管理するのか、法務大臣の答弁を求めます。

関連して、事前認証制度を支えるシステムや設備について伺います。

審査手続の円滑化を行う制度改正ですから、初期投資を含め、一定の費用が生じることはやむを得ません。他方で、情報取得や管理に伴うソフトやシステムの開発、各空港に設置されることが見込まれるウォークスルー型ゲートなどの開発、さらにはその維持管理、保守、更新などは恒常的な支出となり得ます。

そこで、情報管理等に関するシステム開発やウォークスルー型ゲート設置等の費用見込み、ウォークスルー型ゲートは海外渡航便のある空港に全て設置されるのかどうか、そして、これらを踏まえ、電子渡航認証制度に関して徴収する手数料の想定額はどのようになっているのか、費用対効果を明らかにする観点から、法務大臣の答弁を求めます。

続いて、在留資格制度について伺います。

JESTAの導入は、その背景として、短期滞在資格で入国したにもかかわらず、不法残留等の課題が生じていることにあると言われています。そのため、厳格な出入国管理の実現という要素もあって、制度導入や手数料の徴収ということには理解ができるところです。

他方で、既に日本に滞在している外国人は、技能実習、技人国、留学などの資格を有しており、普通に生活をされている外国人がほとんどです。また、そうした外国人材、外国人人材なくして、都市部も地方も産業、生活は成り立ちません。さらには、外国人であっても、働いて所得が生じれば税金も社会保険料も支払うことが原則であって、日本の各種制度に対し、フリーライドをしているわけではありません。

その上で、昨年四月にも在留資格変更許可等に係る手数料の額が改定され、今回も手数料を増額することとなっています。政令は国会審議を経ずに変更されるものですから、直ちに変わらなくとも、段階を経て上限額に変更されるのではないかという懸念も生じます。

そこで、今回、上限額を引き上げること、そして、新たに手数料を増額することの必要性、根拠について、立法事実を確認し、明らかにするために、法務大臣の答弁を求めます。

その上で、在留する外国人に相応の負担を求めるとしても、手数料の上限額の引上げが大きく、他方で、具体的な金額は政令に委任することとなっています。

この点、実費のほか、応益的要素や政策的要素を勘案するとしていますが、上限額設定の幅が広いため、予見可能性に欠けるものです。

政令に委任することがあるとしても、現時点で想定される金額を明らかにすることは、外国人や国民の理解、納得を得る上で不可欠なものであることから、在留資格変更、在留期間更新、永住、それぞれの許可申請に関する想定手数料がどのような積算根拠で算出されているか、その積算項目と併せて金額について、そして、それを前提に、全体として増える金額がどのようになるのか、法務大臣の答弁を求めます。

今申し上げましたとおり、実費のほか、応益的要素や政策的要素を勘案するとしていますが、具体的には、外国人の適正な在留の確保に関する事務に要する費用や、安定的かつ円滑に在留するための支援に関する事務に要する費用を踏まえることが示されています。

例えば、来年から技能実習制度が育成就労制度となり、その中で特定技能に移行するには相応の日本語能力の習得が求められるようになっています。そのための日本語教室等を地方を含めて拡充することに使うなどして、在留している外国人の受益につながるのであれば、政府の説明にも沿うとともに有意義であります。

他方で、在留許可手数料の収入は一般財源として計上され、使途が限定されるものではないと言われています。そうすると、政府の説明に十分な整合性が取れていないと言わざるを得ません。

徴収する手数料については、負担と公平の観点からも、外国人に関する政策に限定して使われるべきと考えますが、法務大臣の答弁を求めます。

国際法上、そして、日本国憲法九十八条二項からも、条約締結国はその条約を遵守する義務があります。条約は批准すれば国内法の効力が生じ、憲法、条約、法律という序列と考えるのが一般的です。そして、日本は、例えば国際人権規約A規約、B規約や難民条約を批准しており、法序列としては入管法に優位する規範と考えるべきです。

今回の改正の論議で、例えば難民申請をされている方々への対応を始め、多くの不安の声があります。まずは、難民条約の趣旨も踏まえ、短期滞在の上陸審査を効率化することに伴って得ることができた人的資源等を、長期化している難民認定申請手続を迅速化することに振り分けることも考えるべきです。

その上で、先般、衆議院の質疑も経ましたが、新設予定の六十七条三項において、人道上配慮すべき対象範囲が狭い上に、さらに経済的困難その他特別の理由に該当する具体例が狭過ぎて、ほとんど対象者がいなくなるという懸念も示されています。そして、具体的な手数料の減額や免除措置については、その範囲や内容が政令に委任されることとなっており、また、いわゆるできる規定となっており、そもそも減免措置等が実現するかどうかも不安定です。

日本が難民の受入れに消極的であることはつとに指摘されているところですが、手数料の点についても、減免措置は必ず設けること、そして、その対象者を広くすることを検討すべきと考えます。法務大臣の答弁を求め、私の質疑を終わります。

御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣平口洋君登壇、拍手〕

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