田岡直博香川県弁護士会弁護士

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 64 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

まず、冤罪がなぜ起きるかということですが、まずやはり原因を究明しないと駄目ですよね、検証しないと駄目ですよね。つまり、福井事件にしても袴田事件にしても、検察庁は内部で検証するんですね。袴田事件についても余り問題はなかったという結論にしていますし、福井事件についても余り問題はなかったという結論になりそうです。ですから、これじゃ駄目なんですね。やはり、第三者委員会のように外部の目を入れて検証する、その中で、なぜこのような冤罪が起きたのか、冤罪をなくすにはどうすればいいかということを考える、こういう当たり前のことをやっていくべきだと思います。少なくとも、日野町事件や湖東事件に関して言えば自白が大きな問題であったことは間違いがありませんし、また、袴田や福井に目を向けると、証拠隠し、あるいは証拠の捏造といった問題があることも間違いありません。

取調べについては当然可視化の範囲を拡大すべきですが、現在は三%程度にとどまっておりまして、約九七%の事件は運用上の措置です。この運用上の措置って、任意の証拠開示と全く同じ表現で今行われておりまして、検察庁はこの運用上の措置が大好きなんですけれども、運用上の措置でやっているからといって義務付けではないんですね。確かに今任意でたくさんやっていますけれども、あくまで任意なんです。やっているんだからいいでしょうじゃなくて、やっているんだから義務にもうしたらどうですかと。いつまでも運用でやっている場合じゃないでしょうということが大事なことだと思います。

そして、可視化をしている中でも違法な取調べが後を絶たない。昨日も付審判決定が、また二件目が出ましたけれども、録音、録画されていると分かっていても、威圧的な取調べ、脅迫的な取調べがあるというのが実態なわけですから、可視化するだけでは駄目なんだと、そこに弁護人の立会いを入れていくとか、取調べの制限を、規制を入れていかないと、もう誤った虚偽自白による冤罪が起きかねない状況が起きていると私は思います。

二点目の法制審の人選については、私も、どういう人選が行われるのか、ちょっと私も詳しく分かっておるわけではありませんが、ただ、結果だけを見ると、今回の再審の答申に関しても、反対したのは弁護士委員三名、これは、再審の取り組んできた鴨志田弁護士、村山弁護士と被害者側の山本弁護士の三名が反対、ほかの研究者全員と裁判所委員、検察庁の委員、法務省の委員は全員賛成ということです。

これまでの諮問を見ても、大体研究者の委員の先生方は法務省事務当局案に賛成をされることが多く、研究者内部での議論が非常に少ないというのがこの法制審の特徴だと思います。せめて研究者の中に賛成の人と反対の人を入れるとか、そこで議論が行われるということにしないと、弁護士委員は反対、研究者委員は全員賛成というのは、やはりいびつな人選が行われているのではないかという危惧を禁じ得ないです。実際に研究者からの声明、意見書発表されていますので、こういうことを外部で言わせておいて、その中に入れないというのは私はよろしくないと、一人でもいいから反対意見の人を入れるべきだと思います。

以上です。

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