成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 63 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

お答え申し上げます。

まず、誤判が生じる原因として、取調べに無理があり、虚偽の自白を強要されているのではないかという御指摘がございました。

日本にこれまで起きた誤判事件というのはたくさんあるわけですけれども、その誤判原因の主要な原因の一つが、虚偽自白を無理やり取調べで強要したということがあるのは間違いない事実であろうと思います。とりわけ、先生御指摘のように、供述弱者の方に脅迫めいた取調べをするなんということはおよそ許されないことだと私自身思っております。

そのような事態が今後生じないようにするためには、まずは、その再審に行く前にその捜査段階で適正な取調べが行われるということが極めて重要です。私の意見陳述の中で冒頭申し上げたんですが、改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会という場では、まさにその点、取調べの適正化をどう図るかということが最大の課題でございました。捜査当局は、取調べの録音、録画を余り拡大したくないし、弁護人の立会いなんてとんでもないというふうな意見でしたけれども、私自身は、今申し上げたような問題意識から、取調べの適正化を担保するために、録音、録画は運用とはいえもっともっと拡大していかないといけないし、取調べへの弁護人の立会いについても試行を始めるべきであるというふうに、かなり強く提言をいたしました。

あの協議会については、今後新たに、これからの刑事手続を考える研究会というものが立ち上がりまして、そちらで更に議論が行われると思います。

私は是非とも、先ほど海外との比較を踏まえてという御指摘もありましたが、その録音、録画がなされるのみならず、取調べに弁護人が立ち会うというのは諸外国において極めて普通のことであります。それができていない日本は、ある種、これまでの捜査手法が取調べに依存し過ぎていたという背景事情がもちろんあるわけですけれども、今後もそれを続けるわけにはいかないというふうに私自身は思っておりますので、法務省において更に具体的な検討がなされることを期待したいと思います。

それから二点目ですけれども、法制審議会のメンバーの人選の公正性については、私は正直選ばれる側の人間でございまして、選ぶ側が何を考えているかというのは正直分からないところがございます。

ただ、今回の再審部会については、田岡参考人だけでなく、再審事件を精力的にやってこられた鴨志田先生ですとか、あるいは村山先生にも御参画いただいて、それぞれのお立場からいろいろな意見を出していただいたというふうに思っております。研究者についても、私はともかくとして、それ以外の研究者の構成員の方というのは、もうまさに日本の刑訴法学を代表するような方々に入っていただいているというふうに私は認識をしているところでございます。

以上です。

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