日本維新の会の原山大亮です。
会派を代表して、令和八年度補正予算について、高市総理大臣に質問をいたします。(拍手)
総理は、責任ある積極財政の重要な要素として、補正予算を前提とした予算編成手法との決別を訴え、必要な措置は当初予算で講ずる旨の方針を明確にされており、今般の補正予算も、その観点から、必要最小限の危機対応に絞って計上されたと考えています。
しかし、コロナ禍での危機対応による補正予算の膨張が示すとおり、出口戦略のない、また行動変容を通じてアウトカムに結びつかない危機対応は、政策の終期を曖昧にし、国の財政を悪化させることに直結いたします。そのため、補正予算があくまで直近の危機対応を主眼に置いたものとはいえ、この支出によって社会の何をどのように変え、危機に対応するのかを明確にする必要があることは言をまちません。
その観点から、以下十問、政府に質問いたします。
まず、補正予算の規模と、それが市場に与える影響について伺います。
今般の補正予算は、中東情勢への危機対応に集中することで規模を三兆円強に絞り込んでおり、令和七年度補正予算の十八・三兆円と比べればはるかに小さい規模です。また、財源についても、特例公債を発行する一方、令和七年度分の特例公債のうち約三兆円分を発行せずに済む見通しであることから、国債発行予定額全体の中で調整を行い、市中への発行総額は増やさずに対応が可能となります。
十年物国債の金利が五月十八日に一時二・八%に達するなど、市場が財政運営に神経質になっている局面です。規模を三兆円強に抑え、令和七、八年度を通じて市中への発行総額を増やさないという設計をあらかじめ明確に示すことは、市場との対話を丁寧に行い、長期金利の急変動を避ける上でも重要だと考えます。この設計に込めた財政運営上の意図を総理より御説明ください。
加えて、高市政権は、令和八年度当初予算において、当初予算ベースで二十八年ぶりとなる基礎的財政収支の黒字化を実現し、新規国債発行額も二年連続で三十兆円を下回りました。今般、三兆円強の補正を講じてもなお、財政健全化の歩みは引き続き堅持されると理解してよいか、明確にお答えください。
次に、今般の補正予算のもう一つの柱である、新たに創設する中東情勢等対応予備費について伺います。
総理は、この予備費を国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものと説明し、その使用については、憲法、財政法の規定に従って適切に運用し、十分な説明責任を果たすとされました。原油の中東依存度が九割を超えていた我が国にとって、イラン情勢の不確実性への備えは重要であり、機動的に発動できる予備費は、危機対応の手だてとして一定の合理性があると理解します。
その上で、中東情勢等対応予備費について、例えば、燃油を多用する運輸、漁業、農業への支援など、どのような使途を想定しているか、具体的に例をお示しください。
同時に、予備費は本来、国会の議決を経ない例外的な財政手段です。その規模を選択した根拠と、執行を見極める考え方、そして事後の透明性と説明責任をどう確保するか、丁寧に御説明ください。
次に、エネルギー安全保障について伺います。
イラン情勢の悪化以前、我が国の原油輸入は中東依存度が九割を超え、さらに、ホルムズ海峡経由が九割を超えていましたが、政府の尽力により、ホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達を八割程度まで高め、これを約八か月に及ぶ国家、民間の石油備蓄と合わせることで、年度を越えて来春までの安定供給にめどがついています。この間、調達先の多角化を着実に進めた政府の対応を高く評価いたします。
他方で、ナフサを始めとする石油化学関連の資材の中には、買いだめや売惜しみによる現場の目詰まりが発生しているものがあるとの指摘もなされています。引き続きの代替調達の拡大、産油国との関係強化、米国産原油の調達等、安定確保に向けた総理の決意をお聞かせください。
あわせて、ナフサを始めとする物資に関するサプライチェーンの目詰まり解消にどのように実効性を持って取り組むのか、お答えください。
次に、中小企業への支援について伺います。
燃料、原材料の高騰のしわ寄せを最も受けるのは、価格交渉力に乏しい中小企業、とりわけサプライチェーンの川下に位置する事業者です。総理は、信用保証による資金繰り支援を強化することに加え、取引Gメン、建設Gメンなどを千人体制として、中東情勢の影響を重点調査するとしました。現場の窮状に踏み込んだ機動的な対応であり、高く評価いたします。
しかしながら、中小企業の価格転嫁の難しさは、今般の中東情勢に始まった問題ではなく、我が国経済の長年の構造的な課題でもあります。価格転嫁を危機対応として推進することは重要ではありますが、一方で、恒常的な取引慣行として根づかせることも、中小企業の賃上げを加速し、成長と分配の好循環を完成させるために重要と考えます。総理のお考えをお聞かせください。
加えて、資金繰り支援は、当面の経営安定に不可欠である一方、これを過剰債務の延命に終わらせては、逆に現場を疲弊させることにもつながりかねません。これらのメニューの出口戦略をどのように設計し、中小企業の生産性向上や事業再構築へつなげるか、構想をお示しください。
次に、補助金に依存しないエネルギー構造への転換について伺います。
補助金でエネルギー価格を抑えることはいわば対症療法であり、根本的な解決に向けては供給源の多角化を更に進める必要があります。
総理は、脱炭素電源の比率を現在の約三割から二〇四〇年度に最大七割程度へ引き上げる目標を示されました。中でも、安全性が確認された原発の再稼働、リプレース、新増設は、電力価格の予見可能性を高め、産業競争力を支える要です。新規制基準の下で再稼働した原発は全国で十五基に達し、着実な進展は見られるものの、目標達成にはなお更なる加速が必要です。
原発の再稼働、リプレース、新増設に対して前向きな姿勢を堅持した上で、補助金に頼らずとも価格が安定するエネルギー構造を目指すべきではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
電力の供給側の対策と車の両輪を成すのが需要側の省エネです。二度のオイルショックを経て、我が国はGDP当たりのエネルギー消費量をこの半世紀でほぼ半減させ、世界有数の省エネ社会を築き上げてまいりました。今回の危機は、単にこれを補助でしのぐだけでなく、省エネ社会を一段と推進する好機とすべきものです。総理も、昨年措置した数千億円規模の省エネ予算を最大限に活用して、取組を加速する方針と伺っています。
家庭における高効率機器への買換えや住宅の改修、省エネ投資の促進に向けた支援等の個別の政策をばらまき的な買換え補助とせず、どのように社会全体の変革につなげるか、長期的な構想を含めて総理のお考えを伺います。
以上、総理には力強い御答弁をお願いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
14
高市早苗(自民)内閣総理大臣
塩崎彰久議員の御質問にお答えいたします。
重点支援地方交付金の迅速な活用についてお尋ねがありました。
今般の補正予算においては、中東情勢が不透明である中で、経済活動や国民の皆様の暮らしに支障が生じないよう、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた物価高への支援を実施できるよう、重点支援地方交付金を一千億円追加措置することとしております。
本交付金が早期に活用されますよう、補正予算が成立しましたら直ちに、自治体に対して、内閣府から本交付金の概要や推奨事業メニューの内容、交付限度額などを示し、早期の予算化を含めた執行を依頼するとと…
この発言のページ
15
片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
塩崎議員から、中東情勢等対応予備費を含む危機対応と市場の信認の両立についてお尋ねがありました。
今般創設する中東情勢等対応予備費については、中東情勢が不透明である中、今後の物価動向や経済に与える影響を十分注視しつつ、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切かつタイムリーに対応するために、今後への万全の備えとして創設するものであり、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰といった我が国経済への影響を始め、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるようにするものです。
一方、歳入については、真に緊急性のある一時的な対応として特例公債を発行することとしてお…
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16
森英介議長
原山大亮君。
〔原山大亮君登壇〕
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- (上の発言)
17原原山大亮(維新)
日本維新の会の原山大亮です。
会派を代表して、令和八年度補正予算について、高市総理大臣に質問をいたします。(拍手)
総理は、責任ある積極財政の重要な要素として、補正予算を前提とした予算編成手法との決別を訴え、必要な措置は当初予算で講ずる旨の方針を明確にされており、今般の補正予算も、その観点から、必要最小限の危機対応に絞って計上されたと考えています。
しかし、コロナ禍での危機対応による補正予算の膨張が示すとおり、出口戦略のない、また行動変容を通じてアウトカムに結びつかない危機対応は、政策の終期を曖昧にし、国の財政を悪化させることに直結いたします。そのため、補正予算があくまで直近の危機対応を主眼に置いたものとはいえ、この支出によって社会の何をどのように変え、危機に対応するのかを明確にする必要があることは言をまちません。
その観点から、以下十問、政府に質問いたします。
まず、補正予算の規模と、それが市場に与える影響について伺います。
今般の補正予算は、中東情勢への危機対応に集中することで規模を三兆円強に絞り込んでおり、令和七年度補正予算の十八・三兆円と比べればはるかに小さい規模です。また、財源についても、特例公債を発行する一方、令和七年度分の特例公債のうち約三兆円分を発行せずに済む見通しであることから、国債発行予定額全体の中で調整を行い、市中への発行総額は増やさずに対応が可能となります。
十年物国債の金利が五月十八日に一時二・八%に達するなど、市場が財政運営に神経質になっている局面です。規模を三兆円強に抑え、令和七、八年度を通じて市中への発行総額を増やさないという設計をあらかじめ明確に示すことは、市場との対話を丁寧に行い、長期金利の急変動を避ける上でも重要だと考えます。この設計に込めた財政運営上の意図を総理より御説明ください。
加えて、高市政権は、令和八年度当初予算において、当初予算ベースで二十八年ぶりとなる基礎的財政収支の黒字化を実現し、新規国債発行額も二年連続で三十兆円を下回りました。今般、三兆円強の補正を講じてもなお、財政健全化の歩みは引き続き堅持されると理解してよいか、明確にお答えください。
次に、今般の補正予算のもう一つの柱である、新たに創設する中東情勢等対応予備費について伺います。
総理は、この予備費を国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものと説明し、その使用については、憲法、財政法の規定に従って適切に運用し、十分な説明責任を果たすとされました。原油の中東依存度が九割を超えていた我が国にとって、イラン情勢の不確実性への備えは重要であり、機動的に発動できる予備費は、危機対応の手だてとして一定の合理性があると理解します。
その上で、中東情勢等対応予備費について、例えば、燃油を多用する運輸、漁業、農業への支援など、どのような使途を想定しているか、具体的に例をお示しください。
同時に、予備費は本来、国会の議決を経ない例外的な財政手段です。その規模を選択した根拠と、執行を見極める考え方、そして事後の透明性と説明責任をどう確保するか、丁寧に御説明ください。
次に、エネルギー安全保障について伺います。
イラン情勢の悪化以前、我が国の原油輸入は中東依存度が九割を超え、さらに、ホルムズ海峡経由が九割を超えていましたが、政府の尽力により、ホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達を八割程度まで高め、これを約八か月に及ぶ国家、民間の石油備蓄と合わせることで、年度を越えて来春までの安定供給にめどがついています。この間、調達先の多角化を着実に進めた政府の対応を高く評価いたします。
他方で、ナフサを始めとする石油化学関連の資材の中には、買いだめや売惜しみによる現場の目詰まりが発生しているものがあるとの指摘もなされています。引き続きの代替調達の拡大、産油国との関係強化、米国産原油の調達等、安定確保に向けた総理の決意をお聞かせください。
あわせて、ナフサを始めとする物資に関するサプライチェーンの目詰まり解消にどのように実効性を持って取り組むのか、お答えください。
次に、中小企業への支援について伺います。
燃料、原材料の高騰のしわ寄せを最も受けるのは、価格交渉力に乏しい中小企業、とりわけサプライチェーンの川下に位置する事業者です。総理は、信用保証による資金繰り支援を強化することに加え、取引Gメン、建設Gメンなどを千人体制として、中東情勢の影響を重点調査するとしました。現場の窮状に踏み込んだ機動的な対応であり、高く評価いたします。
しかしながら、中小企業の価格転嫁の難しさは、今般の中東情勢に始まった問題ではなく、我が国経済の長年の構造的な課題でもあります。価格転嫁を危機対応として推進することは重要ではありますが、一方で、恒常的な取引慣行として根づかせることも、中小企業の賃上げを加速し、成長と分配の好循環を完成させるために重要と考えます。総理のお考えをお聞かせください。
加えて、資金繰り支援は、当面の経営安定に不可欠である一方、これを過剰債務の延命に終わらせては、逆に現場を疲弊させることにもつながりかねません。これらのメニューの出口戦略をどのように設計し、中小企業の生産性向上や事業再構築へつなげるか、構想をお示しください。
次に、補助金に依存しないエネルギー構造への転換について伺います。
補助金でエネルギー価格を抑えることはいわば対症療法であり、根本的な解決に向けては供給源の多角化を更に進める必要があります。
総理は、脱炭素電源の比率を現在の約三割から二〇四〇年度に最大七割程度へ引き上げる目標を示されました。中でも、安全性が確認された原発の再稼働、リプレース、新増設は、電力価格の予見可能性を高め、産業競争力を支える要です。新規制基準の下で再稼働した原発は全国で十五基に達し、着実な進展は見られるものの、目標達成にはなお更なる加速が必要です。
原発の再稼働、リプレース、新増設に対して前向きな姿勢を堅持した上で、補助金に頼らずとも価格が安定するエネルギー構造を目指すべきではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
電力の供給側の対策と車の両輪を成すのが需要側の省エネです。二度のオイルショックを経て、我が国はGDP当たりのエネルギー消費量をこの半世紀でほぼ半減させ、世界有数の省エネ社会を築き上げてまいりました。今回の危機は、単にこれを補助でしのぐだけでなく、省エネ社会を一段と推進する好機とすべきものです。総理も、昨年措置した数千億円規模の省エネ予算を最大限に活用して、取組を加速する方針と伺っています。
家庭における高効率機器への買換えや住宅の改修、省エネ投資の促進に向けた支援等の個別の政策をばらまき的な買換え補助とせず、どのように社会全体の変革につなげるか、長期的な構想を含めて総理のお考えを伺います。
以上、総理には力強い御答弁をお願いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
原山大亮議員の御質問にお答えをいたします。
今回の補正予算の設計に込めた財政運営上の意図と財政健全化の歩みについてお尋ねがありました。
今回の補正予算においては、歳出の追加に伴い、歳入としては特例公債を三・一兆円追加することとなりますが、前年度分の特例公債のうち、今後六月までの発行が予定されている三兆円分について、税収、税外収入、歳出不用の見込みを踏まえ、実際には発行せずに済む見込みが立っております。
御指摘のように、マーケットの信認を確保するため、通年の市中発行額に配慮することは重要であると考えており、今回の補正予算におきましても、国債発行予定額…
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19
石井啓一副議長
田中健君。
〔田中健君登壇〕
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田中健(国民)
国民民主党の田中健です。
会派を代表して、ただいまの財政演説に対して質問をいたします。(拍手)
まず、冒頭申し上げます。
今回、政府が中東情勢を踏まえ補正予算を編成すること自体について、私たちは否定するものではありません。むしろ、国民民主党は、本予算審議の早い段階から、ガソリン価格の高騰、電気・ガス料金の上昇、原材料や石油化学製品の供給不安に対応するため、中東危機を乗り越えるための緊急経済対策が必要だと訴えてまいりました。今回の補正予算に、予備費ではありますが、ガソリン補助、電気・ガス料金支援などが盛り込まれたことは、私たちの問題意識の一部が反映さ…
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