原山大亮 (日本維新の会)

2026年6月3日・第221回国会 衆議院 本会議 第22号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 17 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 36 発言)

日本維新の会の原山大亮です。

会派を代表して、令和八年度補正予算について、高市総理大臣に質問をいたします。(拍手)

総理は、責任ある積極財政の重要な要素として、補正予算を前提とした予算編成手法との決別を訴え、必要な措置は当初予算で講ずる旨の方針を明確にされており、今般の補正予算も、その観点から、必要最小限の危機対応に絞って計上されたと考えています。

しかし、コロナ禍での危機対応による補正予算の膨張が示すとおり、出口戦略のない、また行動変容を通じてアウトカムに結びつかない危機対応は、政策の終期を曖昧にし、国の財政を悪化させることに直結いたします。そのため、補正予算があくまで直近の危機対応を主眼に置いたものとはいえ、この支出によって社会の何をどのように変え、危機に対応するのかを明確にする必要があることは言をまちません。

その観点から、以下十問、政府に質問いたします。

まず、補正予算の規模と、それが市場に与える影響について伺います。

今般の補正予算は、中東情勢への危機対応に集中することで規模を三兆円強に絞り込んでおり、令和七年度補正予算の十八・三兆円と比べればはるかに小さい規模です。また、財源についても、特例公債を発行する一方、令和七年度分の特例公債のうち約三兆円分を発行せずに済む見通しであることから、国債発行予定額全体の中で調整を行い、市中への発行総額は増やさずに対応が可能となります。

十年物国債の金利が五月十八日に一時二・八%に達するなど、市場が財政運営に神経質になっている局面です。規模を三兆円強に抑え、令和七、八年度を通じて市中への発行総額を増やさないという設計をあらかじめ明確に示すことは、市場との対話を丁寧に行い、長期金利の急変動を避ける上でも重要だと考えます。この設計に込めた財政運営上の意図を総理より御説明ください。

加えて、高市政権は、令和八年度当初予算において、当初予算ベースで二十八年ぶりとなる基礎的財政収支の黒字化を実現し、新規国債発行額も二年連続で三十兆円を下回りました。今般、三兆円強の補正を講じてもなお、財政健全化の歩みは引き続き堅持されると理解してよいか、明確にお答えください。

次に、今般の補正予算のもう一つの柱である、新たに創設する中東情勢等対応予備費について伺います。

総理は、この予備費を国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものと説明し、その使用については、憲法、財政法の規定に従って適切に運用し、十分な説明責任を果たすとされました。原油の中東依存度が九割を超えていた我が国にとって、イラン情勢の不確実性への備えは重要であり、機動的に発動できる予備費は、危機対応の手だてとして一定の合理性があると理解します。

その上で、中東情勢等対応予備費について、例えば、燃油を多用する運輸、漁業、農業への支援など、どのような使途を想定しているか、具体的に例をお示しください。

同時に、予備費は本来、国会の議決を経ない例外的な財政手段です。その規模を選択した根拠と、執行を見極める考え方、そして事後の透明性と説明責任をどう確保するか、丁寧に御説明ください。

次に、エネルギー安全保障について伺います。

イラン情勢の悪化以前、我が国の原油輸入は中東依存度が九割を超え、さらに、ホルムズ海峡経由が九割を超えていましたが、政府の尽力により、ホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達を八割程度まで高め、これを約八か月に及ぶ国家、民間の石油備蓄と合わせることで、年度を越えて来春までの安定供給にめどがついています。この間、調達先の多角化を着実に進めた政府の対応を高く評価いたします。

他方で、ナフサを始めとする石油化学関連の資材の中には、買いだめや売惜しみによる現場の目詰まりが発生しているものがあるとの指摘もなされています。引き続きの代替調達の拡大、産油国との関係強化、米国産原油の調達等、安定確保に向けた総理の決意をお聞かせください。

あわせて、ナフサを始めとする物資に関するサプライチェーンの目詰まり解消にどのように実効性を持って取り組むのか、お答えください。

次に、中小企業への支援について伺います。

燃料、原材料の高騰のしわ寄せを最も受けるのは、価格交渉力に乏しい中小企業、とりわけサプライチェーンの川下に位置する事業者です。総理は、信用保証による資金繰り支援を強化することに加え、取引Gメン、建設Gメンなどを千人体制として、中東情勢の影響を重点調査するとしました。現場の窮状に踏み込んだ機動的な対応であり、高く評価いたします。

しかしながら、中小企業の価格転嫁の難しさは、今般の中東情勢に始まった問題ではなく、我が国経済の長年の構造的な課題でもあります。価格転嫁を危機対応として推進することは重要ではありますが、一方で、恒常的な取引慣行として根づかせることも、中小企業の賃上げを加速し、成長と分配の好循環を完成させるために重要と考えます。総理のお考えをお聞かせください。

加えて、資金繰り支援は、当面の経営安定に不可欠である一方、これを過剰債務の延命に終わらせては、逆に現場を疲弊させることにもつながりかねません。これらのメニューの出口戦略をどのように設計し、中小企業の生産性向上や事業再構築へつなげるか、構想をお示しください。

次に、補助金に依存しないエネルギー構造への転換について伺います。

補助金でエネルギー価格を抑えることはいわば対症療法であり、根本的な解決に向けては供給源の多角化を更に進める必要があります。

総理は、脱炭素電源の比率を現在の約三割から二〇四〇年度に最大七割程度へ引き上げる目標を示されました。中でも、安全性が確認された原発の再稼働、リプレース、新増設は、電力価格の予見可能性を高め、産業競争力を支える要です。新規制基準の下で再稼働した原発は全国で十五基に達し、着実な進展は見られるものの、目標達成にはなお更なる加速が必要です。

原発の再稼働、リプレース、新増設に対して前向きな姿勢を堅持した上で、補助金に頼らずとも価格が安定するエネルギー構造を目指すべきではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。

電力の供給側の対策と車の両輪を成すのが需要側の省エネです。二度のオイルショックを経て、我が国はGDP当たりのエネルギー消費量をこの半世紀でほぼ半減させ、世界有数の省エネ社会を築き上げてまいりました。今回の危機は、単にこれを補助でしのぐだけでなく、省エネ社会を一段と推進する好機とすべきものです。総理も、昨年措置した数千億円規模の省エネ予算を最大限に活用して、取組を加速する方針と伺っています。

家庭における高効率機器への買換えや住宅の改修、省エネ投資の促進に向けた支援等の個別の政策をばらまき的な買換え補助とせず、どのように社会全体の変革につなげるか、長期的な構想を含めて総理のお考えを伺います。

以上、総理には力強い御答弁をお願いし、質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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