塩崎彰久 (自由民主党)

2026年6月3日・第221回国会 衆議院 本会議 第22号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 13 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 36 発言)

自由民主党の塩崎彰久です。

自由民主党・無所属の会を代表して、令和八年度補正予算案について質問いたします。(拍手)

現下の中東情勢の緊迫化は、資源の大半を海外に依存する我が国にとって、国民の暮らしに直結する重大な危機であります。現在もペルシャ湾内で滞留を余儀なくされている日本関係船舶が三十八隻、私の地元、愛媛船主の船が実に十三隻に上ります。

私は、弁護士として多くの危機の現場に立ち会ってきました。だからこそ、この数を私は単なる数字として受け止めることはできません。そこには、船員の命があり、家族の不安があり、港で船の無事を待つ人たちの祈りがあります。中東の危機は、決して遠い海での出来事ではありません。船の安全、そしてエネルギーの安定供給は、海洋国家日本にとってまさに生命線であります。

そこで、まず高市総理に伺います。

政府はこれまで、ガソリンを全国平均で百七十円程度に抑えてきました。七月から九月の電気・ガス料金を標準家庭で合計約五千円引き下げる支援も打ち出しました。こうした先手先手の機動的な危機対応こそ、高市政権の真骨頂であります。

その上で、国の支援が直接届きにくいLPガスや特別高圧電力の利用者への目配りも忘れてはなりません。私の地元でも、LPガスを使う家庭、燃料費に苦しむ農家、物づくりの現場からも切実な声を伺っております。

そこで、高市総理に伺います。今回措置する重点支援地方交付金一千億円について、真に必要とする家庭と事業者へ迅速に支援を届けるため、政府はどのように地方自治体と連携していくのか、お聞かせください。

続いて、総理に目詰まりの解消について伺います。

先日、地元の薬局に立ち寄ると、薬剤師の方から切実な訴えを伺いました。塩崎さん、困っとるんです、子供用に粉薬を一回分ずつ包む分包用の袋が入ってこないんですと。すぐに関係省庁に確認したところ、生産量そのものは確保されている一方で、流通の偏りが疑われるということでした。ああ、これが目詰まりなんだなと痛感いたしました。

半世紀前のオイルショックを通じ、私たちは学びました。危機は総量が足りないときだけに起きるものではありません。情報が届かない、在庫が偏る、発注が膨らむ、価格転嫁が進まない、その一つ一つの目詰まりの連鎖が現場の不安を一気に広げます。統計の上では足りていても、薬局の棚に届かなければ、親御さんの安心にはつながりません。

そこで、高市総理、どのように現場の目詰まりを早期に発見し解消していくのか、どのように仕入価格の上昇に伴う中小事業者の資金繰りと価格転嫁を支えていくのか、お伺いします。

次に、片山財務大臣に伺います。

危機管理の鉄則は、最悪の事態への備えです。エネルギー価格の急変にも、支援の追加にも機動的に備える予備費は、国民生活を守る重要な一手であります。同時に、予備費は国会の事前議決の例外でもあります。白紙委任ではありません。危機への対応だからこそ、使途の公表、国会への報告、事後検証など、国民への丁寧な説明が求められます。

かつて、オイルショック後の不況対策では、政府案に賛成していただいた野党会派もあり、国会として危機対応を前へ進めた例があります。今問われているのも、党派の違いを超え、暮らしと経済を守る責任ではないでしょうか。

そこで、片山財務大臣に伺います。中東情勢等対応予備費を、どのような事態を想定し、どのような考え方で使用するのか、そして、責任ある積極財政の下、危機対応と市場の信認をどう両立させていくのか、お答えください。

最後に、高市総理にAI時代の電力基盤についてお伺いします。

半世紀前のオイルショックを転機とし、日本は、石油備蓄、省エネ、そして代替エネルギーへと大きくかじを切りました。今回の危機もまた、燃料価格を抑えて終わらせるのではなく、我が国のエネルギー需給構造を強靱化し、次の成長へとつなげなければなりません。

世界がエネルギー危機にあえぐ中、今、電力需要の爆発的な増加が始まろうとしています。AIは、聞いたことに答えてくれる道具から、現場を動かすエージェントAIへ急速に進化し、産業と社会の基盤となりつつあります。競争力の源泉は、モデルやデータの大小だけではありません。安定し、国際的に競争力のある電力を確保できるかどうかが決定的に重要となっています。

その危機感から、私も作成に携わった自民党のAIホワイトペーパー二・〇では、AI駆動型国家への構造転換を掲げました。電力需要見通しの抜本的な見直しと、そして大量需要に耐え得る電力供給力の確保を提言したところです。

確信を持って申し上げます。エネルギーこそ、AI時代の国力を決する基盤であります。総理、今回のエネルギー危機をAI時代の成長力へとどう転換していくのか、お考えを聞かせてください。

危機管理の実務に携わる中で、私は学びました。危機感こそ、変革の最大の原動力であります。この国は、エネルギーの危機を乗り越えるたびに強くなってまいりました。今度こそ、エネルギー危機におびえる国から、エネルギー制約を乗り越え成長の力に変える国へ、その大きな一歩を踏み出そうではありませんか。

高市総理を先頭に、私自身もこの危機を変革へとつなげる決意を申し上げ、私の質問といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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