稲田朋美 (自由民主党)

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 27 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 175 発言)

まず、これは過去の個別事案ではなくて立法事実そのものですから、実は答えるべきなんですよ。

なぜなら、昭和三十七年、昭和の巌窟王、吉田石松、この人も福井の人ですけれども、冤罪事件をきっかけに法務委員会で再審法改正が議論され、その参考人の松尾浩也先生が、四百五十条から四百四十八条一項を削除すれば足る、まさしく今回の改正ですよね、と述べられてから、一度も再審法改正は実現しなかった。四死刑囚が無罪になった一九七〇年から一九八〇年代においても改正されなかった。

今回、改正が政府から提案されたのは、袴田、福井事件が再審無罪になったからです。この二つの事件がなければ改正案が政府から提案されることはなかったので、これはもう立法事実そのものですから、過去の個別事件ということで当てはめをしないということは、私は許されないと思いますよ。

抗告の原則禁止、これは肝ですから、検察官抗告をやめれば速やかに再審公判に移行して、無実になるべき人は早期に救済される、袴田さんの九年、前川さんの十三年は無駄にならずに済んだ、これを肝に銘じて運用してもらいたいと思います。

証拠開示についてお伺いします。

証拠開示については、平成二十八年以降、刑訴法三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表は通常審でも出ている。だから、平成二十八年以降の事件の再審でも基本出ています。だとすると、なぜそれ以前の再審事件で三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表を提出しないのか、私の疑問はここに尽きるわけです。

職権主義だから、当事者主義を前提とした証拠の一覧表を出すのは手続法としての整合性がないという答弁は、先日國重委員が指摘したように、論理的必然性ではないんです。そもそも、現行の再審法は大正時代に作られた規定ですから、証拠は全て裁判所が持っていた、一覧表は必要ない時代の規定ですよ。

その前提として、証拠は誰のものかということなんです。これはやはり、有罪を立証するためでなくて、真実発見のためのもの、国民のためのものだと思います。

まず、本改正によって証拠開示が狭まってはならない、これは立法の趣旨、立法の事実からも当然です。現状認められている証拠開示の実務は今後も認められるということですけれども、今回の法改正で証拠開示は今よりどう広がるのか、局長にお伺いします。

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