川裕一郎 (参政党)

2026年6月17日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 142 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。

かなり野党側の議員から厳しい質問が続いていますけれども、参政党として、この法案に関しては、まずは明確に反対の立場で質問させていただきます。

政府が進めるGSC構想及び機構の新設は、一見すると、スタートアップ支援、イノベーションと聞こえはよいものの、その実態は、時代認識を誤った箱物事業であり、国民の貴重な税金と人材を東京に一極集中させる極めて危うい計画であると判断せざるを得ません。

今、世界は、生成AI、大規模言語モデル、AIエージェントなど、既に次のパラダイムに突入しています。その中で、日本政府が掲げるのは、キャンパスを造ってスタートアップを増やすといった、十年前ならまだしも、今となっては一周遅れ、二周遅れの発想です。

AIによって産業構造そのものが書き換えられる局面で、箱を造ればシリコンバレーになれるといった考え方は余りにも時代錯誤であり、世界の技術覇権競争の現実を直視していないと言わざるを得ません。

シリコンバレーの本質は、ビルのデザインでもキャンパスの面積でもありません。人材の流動性、挑戦と失敗への寛容さ、AIやディープテックを理解する投資家と専門家の層の厚さ、大学、企業、投資家、行政の長年にわたる信頼と実績の蓄積、こうした目に見えない土台があるからこそ、あのエコシステムが成り立っています。箱だけ造ってもシリコンバレーのようにならない。これは、世界中の政策失敗事例が証明している現実であります。

加えて、本構想は、都心一等地への機能集約を前提としており、地方の大学、研究機関、中小企業らから人材と仕事を吸い上げる、典型的な東京一極集中プロジェクトです。地方創生を掲げながら、片方で、これほどに露骨に東京集中の大型プロジェクトを進めること自体、重大な政策矛盾であり、地方に対する裏切りと言わざるを得ません。

更に深刻なのは、失敗したときの責任の所在が全く明らかになっておりません。もしスタートアップが思ったほど生まれなかったら、誰が責任を取るのか。もし技術と人材が海外に流出し日本の経済安全保障を損なったら、誰が責任を取るのか。もし地方の基礎基盤が壊され地域産業が弱体化をしたら、誰が責任を取るのか。これらに対して政府は、具体的な撤退基準も、説明責任も、仕組みも示していません。

こうした基本的な視点を踏まえた上で、以下、質問させていただきます。

まず第一に指摘しなければならないのは、本構想において、我が国がこれからどの分野で世界をリードしていくかという国家としての大きな方針が決定的に欠落しているという点です。本来、巨額の国費を投じるプロジェクトは、何を目指し、どの分野で覇権を取り、どのような産業構造を描くのかというグランドデザインを前提として存在しなければなりません。

ところが、現在政府が説明している内容は、スタートアップ、ディープテック、エコシステム、世界最高水準といった、聞こえのよい横文字や流行語を並べているにすぎません。海外の事例をなぞるようなスローガンばかりが先行し、国家戦略としての軸足がどこにあるかが全く見えない状況であります。大きな方針がないままに事業を進めることは、単なる税金の無駄遣いにとどまらず、政策そのものを迷走させ、日本の科学技術力をむしろ弱体化させる危険すら、はらんでいると思います。

ここで、お聞きをします。

世界の最前線が既にAI、量子、バイオ、宇宙の覇権争いに突入している中、キャンパス、スタートアップという看板を掲げ、一周遅れの政策を続ければ、日本は決定的に取り残されます。時代はAIであり、本来ならAI基盤やデータ主権、AI人材育成に国家としての総力を集中すべきときに、なぜ箱と看板だけのGSCに国費を突っ込むのか。この時代認識のずれを大臣に説明いただきたいというふうに思います。

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