参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
本日は、経済安保推進法そして株式会社国際協力銀行の法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
本法案は、経済安保推進法の改正により、特定重要物資の範囲の拡大、基幹インフラへの医療分野の追加、経済安保シンクタンクの創設などを行うものであります。また、株式会社国際協力銀行法、いわゆるJBIC法の改正により、認定特定海外事業に対してJBICが新たに出資などを行えるようにするものと承知をしております。
とりわけ今回の改正の核心は、認定特定海外事業に対するJBICの出資について、従来の償還確実性、収支相償の原則を外し、劣後出資などを通じて民間資金を呼び込みながら大胆なリスクテイクを可能にする特別な枠組みを設ける点にあります。
国民生活と産業を守るために、サプライチェーンの脆弱性に対し、半導体、レアアース、エネルギーなど重要物資の確保に取り組む必要があること自体には異論はありません。ロシアのウクライナ侵略、そして中東情勢の不安定化、米中対立の激化など、世界の緊張が高まり、物資の流れが政治に左右される時代になっていることは誰の目にも明らかであると思います。ホルムズ海峡の緊張や湾岸地域の施設への攻撃リスクは、日本が原油の大半を中東に依存する構造的脆弱性を改めて浮き彫りにしております。
経済安全保障を正面から政策課題として取り扱うこと自体は、時宜を得たものだと受け止めています。しかし、同時に、私たちが最も警戒すべきは、経済安全保障という言葉が何でも正当化する魔法の言葉として使われることです。経済安保の名の下に、公的機関がどれだけのリスクを取り、どれだけの資金を投じ、どれだけの情報を政府に集中させるのか。その結果が、本当に日本の自立した経済安全保障につながるのか。それとも、アメリカを中心とするグローバル金融システムや同盟国の戦略を支えるために、日本の資源、国力、公的機関のリスクを差し出す仕組みになっているのではないか。
参政党は、結党以来、自分たちの国は自分たちで守るという理念を掲げ、外圧や大国の論理に流されない真の国民主権、経済自立を主張してきました。経済安保の名をかりた大義名分が、実質的にはグローバリズムの拡張や他国戦略への奉仕に転化していく事態こそ、最も危惧すべきことです。名称がいかに立派であっても、その実態が日本国民の利益に直結しているかどうかを私たちは常に厳しく問い続けなければなりません。
とりわけ、JBICがその入口として使われているのではないか。さらに、クロード・ミュトスのような強力なAIを悪用したサイバー攻撃のリスクが顕在化する中で、経済安保の議論は金融インフラのサイバー防御と切り離せなくなっております。
本日は、JBICの劣後出資とこれまでの融資の焦げつきの教訓、そしてトランプ関税と対米八十兆円投資の問題、そしてクロード・ミュトス時代の新たなリスクを踏まえ、本法案の是非と方向性を伺っていきたいと思います。
まず、JBICの本来の役割と今回導入される劣後出資の性格の違いについて確認をいたします。
国際協力銀行は、旧輸銀、開銀以降、日本企業の海外展開を金融面から支えてきました。その中核には、民間金融では引き受けにくい長期、大型、高リスク案件を公的金融として補完するという思想がありました。
これまでのJBICは、民間と肩を並べてリスクを取る存在でありました。民間が一定程度のリスクを取った上で、足りない部分をJBICが埋める。公的な色は強くとも、民間もリスクに見合う判断として参加している、そういう構図でありました。
この原則には重要な意味があります。民間金融機関が採算性、返済可能性を独自に判断して参加するという事実が、案件の合理性を担保するフィルターとして機能していたからです。民間が二の足を踏む案件に公的機関が単独で突き進む構図は、政策金融の節度として本来避けるべきものであり、旧来の枠組みはその節度を制度的に保障するものでありました。
これに対して、今回の法案は、認定特定海外事業への出資に劣後出資を可能にします。劣後出資とは、利益の分配は後回しにされ、損失は真っ先に負担する出資形態です。事業が悪化した局面では、他の出資者が先に保護される一方、JBICが最後に残った損失を引き受けることになります。つまり、劣後出資とは、単に一緒にリスクを取るのではなく、いざとなれば最も不利なポジションで損失をかぶることで、他の投資家を安心させ、呼び込む役割を担うということです。民間が入りたがらないリスクの最も深いところに、日本の公的機関が先に潜り込む構図になり得ます。
国民の税金や公的信用を裏づけるとするJBICが最も損失をかぶりやすいポジションに立つということは、最終的なリスクの負担者が日本国民になり得ることを意味します。こうした構造変化は公的金融の補完性という原則からの大きな逸脱であり、国民への十分な説明と厳格な制度設計なしに踏み出すべきではないと私は考えます。
ここで、お聞きをします。
劣後出資は、JBICが最も深いリスクを負う、従来とは全く質の違うスキームです。政府としてこの点をどのように認識をし、今後どのように国民に説明をしていくのか、所見をお聞きします。
323泉泉恒有内閣府政策統括官
御指摘の点につきましては、今回改正法案を提出するに当たりまして、政府の有識者会議で幾つか御指摘をいただいている部分もございます。これは小から大までいろいろあるわけですけれども、これを一つ一つ、経済安全保障の強化に向けて一つ一つ対応をしていかなければいけない、このように考えてございます。
この発言のページ
324
高山聡史(みらい)
ありがとうございます。
恐らく、挙げられていた論点、具体で例示をいただいてもいいんですが、ここ二、三か月で新しく出てきた論点をこれにどう議論としてのせていくかというところが一番大きなところではないかなというふうに思っておりまして、例えば、AIがこれほど、この法案の議論のボリュームですね、質疑の中で先進AIへの備えということがこれほどまでに議論になるというところは、この法案の前提にはなかった変化ではないかなというふうに思いますし、例えば中東情勢に関しても、中東情勢の影響ということが短期のことではなくて、数か月あるいは中期にわたってサプライチェーンに対して…
この発言のページ
325
山下貴司(自民)
次に、川裕一郎君。
この発言のページ
- (上の発言)
326
川裕一郎(参政)
参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
本日は、経済安保推進法そして株式会社国際協力銀行の法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
本法案は、経済安保推進法の改正により、特定重要物資の範囲の拡大、基幹インフラへの医療分野の追加、経済安保シンクタンクの創設などを行うものであります。また、株式会社国際協力銀行法、いわゆるJBIC法の改正により、認定特定海外事業に対してJBICが新たに出資などを行えるようにするものと承知をしております。
とりわけ今回の改正の核心は、認定特定海外事業に対するJBICの出資について、従来の償還確実性、収支相償の原則を外し、劣後出資などを通じて民間資金を呼び込みながら大胆なリスクテイクを可能にする特別な枠組みを設ける点にあります。
国民生活と産業を守るために、サプライチェーンの脆弱性に対し、半導体、レアアース、エネルギーなど重要物資の確保に取り組む必要があること自体には異論はありません。ロシアのウクライナ侵略、そして中東情勢の不安定化、米中対立の激化など、世界の緊張が高まり、物資の流れが政治に左右される時代になっていることは誰の目にも明らかであると思います。ホルムズ海峡の緊張や湾岸地域の施設への攻撃リスクは、日本が原油の大半を中東に依存する構造的脆弱性を改めて浮き彫りにしております。
経済安全保障を正面から政策課題として取り扱うこと自体は、時宜を得たものだと受け止めています。しかし、同時に、私たちが最も警戒すべきは、経済安全保障という言葉が何でも正当化する魔法の言葉として使われることです。経済安保の名の下に、公的機関がどれだけのリスクを取り、どれだけの資金を投じ、どれだけの情報を政府に集中させるのか。その結果が、本当に日本の自立した経済安全保障につながるのか。それとも、アメリカを中心とするグローバル金融システムや同盟国の戦略を支えるために、日本の資源、国力、公的機関のリスクを差し出す仕組みになっているのではないか。
参政党は、結党以来、自分たちの国は自分たちで守るという理念を掲げ、外圧や大国の論理に流されない真の国民主権、経済自立を主張してきました。経済安保の名をかりた大義名分が、実質的にはグローバリズムの拡張や他国戦略への奉仕に転化していく事態こそ、最も危惧すべきことです。名称がいかに立派であっても、その実態が日本国民の利益に直結しているかどうかを私たちは常に厳しく問い続けなければなりません。
とりわけ、JBICがその入口として使われているのではないか。さらに、クロード・ミュトスのような強力なAIを悪用したサイバー攻撃のリスクが顕在化する中で、経済安保の議論は金融インフラのサイバー防御と切り離せなくなっております。
本日は、JBICの劣後出資とこれまでの融資の焦げつきの教訓、そしてトランプ関税と対米八十兆円投資の問題、そしてクロード・ミュトス時代の新たなリスクを踏まえ、本法案の是非と方向性を伺っていきたいと思います。
まず、JBICの本来の役割と今回導入される劣後出資の性格の違いについて確認をいたします。
国際協力銀行は、旧輸銀、開銀以降、日本企業の海外展開を金融面から支えてきました。その中核には、民間金融では引き受けにくい長期、大型、高リスク案件を公的金融として補完するという思想がありました。
これまでのJBICは、民間と肩を並べてリスクを取る存在でありました。民間が一定程度のリスクを取った上で、足りない部分をJBICが埋める。公的な色は強くとも、民間もリスクに見合う判断として参加している、そういう構図でありました。
この原則には重要な意味があります。民間金融機関が採算性、返済可能性を独自に判断して参加するという事実が、案件の合理性を担保するフィルターとして機能していたからです。民間が二の足を踏む案件に公的機関が単独で突き進む構図は、政策金融の節度として本来避けるべきものであり、旧来の枠組みはその節度を制度的に保障するものでありました。
これに対して、今回の法案は、認定特定海外事業への出資に劣後出資を可能にします。劣後出資とは、利益の分配は後回しにされ、損失は真っ先に負担する出資形態です。事業が悪化した局面では、他の出資者が先に保護される一方、JBICが最後に残った損失を引き受けることになります。つまり、劣後出資とは、単に一緒にリスクを取るのではなく、いざとなれば最も不利なポジションで損失をかぶることで、他の投資家を安心させ、呼び込む役割を担うということです。民間が入りたがらないリスクの最も深いところに、日本の公的機関が先に潜り込む構図になり得ます。
国民の税金や公的信用を裏づけるとするJBICが最も損失をかぶりやすいポジションに立つということは、最終的なリスクの負担者が日本国民になり得ることを意味します。こうした構造変化は公的金融の補完性という原則からの大きな逸脱であり、国民への十分な説明と厳格な制度設計なしに踏み出すべきではないと私は考えます。
ここで、お聞きをします。
劣後出資は、JBICが最も深いリスクを負う、従来とは全く質の違うスキームです。政府としてこの点をどのように認識をし、今後どのように国民に説明をしていくのか、所見をお聞きします。
327渡渡邉和紀財務省大臣官房参事官
お答えいたします。
海外事業というのは元々リスクが高く、近年は、国際環境の変化、産業競争の激化により、そのリスクは一層高まっていると認識しております。このため、経済安全保障上重要な事業であっても、民間の判断のみでは投資が進まないケースが生じています。
今般創設いたします新制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援するものというものでございます。
そのため、委員御指摘のように、償還確実性や収支相償の原則の対象外となる新たな勘定を設けまして、一層強力な…
この発言のページ
328
川裕一郎(参政)
安全保障の観点からJBICがリスクを取っていく、これまでもそうだったと思うんですけれども、更に深い傷を負う可能性が多いのではないかというふうに危惧をしております。
次に、認定特定海外事業と原則以外の問題、そして、JBICが既に体験をしている融資の焦げつきの現状についてお伺いをします。
本法案は、認定特定海外事業に対する出資などについて、従来のJBICに課されていた償還確実性、収支相償の原則を適用しない特例を設け、より大きなリスクを取れるようにするものです。ここに、今回の法案の最大のポイントがあります。
一方で、JBICはロシア関連案件で大きな損失引…
この発言のページ
329渡渡邉和紀財務省大臣官房参事官
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回の新たな支援ツールというのは、償還確実性ですとか収支相償の原則を外して、JBICがより多くのリスクを取れるようにするものでございます。
そういったことも踏まえまして、この新勘定に係るリスク管理の仕組みにつきましては、この業務から生じる損失額が資本金の範囲内となるように運用することで、債務超過が生じないようにする状況を確保することとしております。これによりまして、JBICの財務の健全性に影響が生じないよう業務が実施可能であると考えてございます。
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