ありがとうございます。
今、政府委員の方から、AIの便益では効率化とか生産性の向上という言葉が聞かれたんですけれども、私も若干古い人間なので、そういう話を聞くと、一九九〇年代、小泉内閣のときだと思うんですけれども、アメリカからある種の成果主義というものが日本に導入された時期がございます。
この成果主義というのは何かというと、それまでの日本のビジネスモデル、例えば年功序列であるとか終身雇用というものが余り効率よくないと。その効率とは何かというと、コストをカットしないと企業はもうけが増えないじゃないかということで、こういうモデルが導入されたことがあります。
しかし、こうした成果主義のモデルというのは、この時期をちょっと超えた段階でやはり限界に達したというふうなことを言われております。
どういう理由からかといいますと、短期の成果に走りやすい、まず身近なところで成果が上がればそれはオーケーということになってしまう。それから、これは実は労働管理の中の人事考課に使われたんですけれども、御存じのように、日本のように人事考課が元々余りなかったような社会では、公正な人事考課ができるかどうか。これは、ここにいらっしゃる皆さんそうだと思うんですけれども、こいつにだけは人事考課させたくないよみたいな人が上司にいれば、人事考課をやっても逆にマイナスになっちゃうということもあり得る。それから、ある意味では、スタンドプレーが上手な人が成果が上がってしまう。そして、労働者の分断とか、むしろ移動が頻繁にできるようになれば離職率が増加するなど、こういうことがあり、どちらかというと成功しなかったという評価を受けられるのではないかなというふうに思います。
効率化とか生産性の向上という目標をどういうふうに考えればいいかというのが、ある種、今の時代の重要なポイントではないかなというふうに思います。
これでいけば、例えば、生産性の向上が社会に貢献する、さっき石井委員がおっしゃったように、私が、例えば正規の労働者として五日四十時間働いていたときに、AIが導入されたので私の仕事が三日二十四時間で済むということになります。その条件の下で従来の賃金と社会保障が維持されていけば、生活の向上です。ところが、企業が、例えば私が三日二十四時間従来の仕事をすればいいということになれば、当然、次の判断は何かというと、非正規雇用に移されるとか、ある意味では解雇されるということになる。
そういう意味では、この生産性の向上というのは、労働分配をどう考えるかというビジョンと一緒に考えていかないと、やはり、人を排除する、先ほど河西委員からもありましたように、人を排除するのではないかということにつながっていくのではないかというふうに思います。
新しい仕事が創造されるということも言われていますけれども、私なんかは、本当でしょうかと。どうしてかというと、僕らの世代には多分新しい仕事は回ってこない。これは、いろいろな技術が革新されれば、新しい技術についていける世代はオーケーかもしれないけれども、ついていけない世代は世代ごと排除ということになります。少子化の社会に貢献すると言われていますけれども、これも、少子化、少子化と言われている割には非正規雇用の労働者が増加している。何で正規雇用が増えないのかという問題を考えていくと、やはり労働の構造を、一緒にこの社会というのを考えていかないと、この生産性の向上という言葉の意味が結構むなしくなるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
196
城内実(自民)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・経済安全保障)
御指摘のとおり、AIの開発、利活用について、例えば米国等が先行している状況にあることは御指摘のとおりで、これは否定できない事実でございます。
我が国のAI開発の遅れの主な理由としては、例えば、AIの研究開発に大規模な資金や人材が迅速かつ十分に集まってこなかったこと、あるいは、グローバルなビジネスモデルを描けていないことや、AI用の計算資源が不足していること、そしてIT人材が不足していること、また日本語特有の、マイナーな言語で同音異義語が多い、AI学習が難しいなど、データが少ない、そういったことが考えられております。
また、AI活用の遅れの主な理由とし…
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197
上村英明(れいわ)
今のお話を伺いますと、目標は設定したけれども実際には政策が追いつかなかったということが言えるのかというふうに思います。
次に、先ほどから皆さんリスクに関してたくさんお話をいただきまして、何か、AIが裏切っちゃうとかだましちゃうとかというのは、私も聞いていてすごいショックを受けた段階まで来ているというふうに思うんですけれども。
政府委員の方に簡単にお尋ねしたいんですけれども、AIの便益とリスクに関してどういうふうに考えればいいかというのを整理していただければありがたいと思います。
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198渡渡邊昇治内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官
AIの便益とリスクにつきましてお答えを申し上げます。
まず、AIの中でも、特に生成AIの性能が急速に進歩しておりまして、自然な文章の作成のみならず、プログラム、画像、音声等の作成も可能になっています。これによりまして、資料の要約ですとか、翻訳ですとか、議事録の作成、あるいは一般的なプレゼン資料の作成ですとか、問合せへの対応ですとか、そういった多様な業務へのAIの活用が可能となっておりまして、生産性の向上、働き方改革、労働力不足の解消といった様々な便益が期待されております。
一方で、AIをめぐるリスクに関しましては、予測は大変難しいところはございますけ…
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- (上の発言)
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上村英明(れいわ)
ありがとうございます。
今、政府委員の方から、AIの便益では効率化とか生産性の向上という言葉が聞かれたんですけれども、私も若干古い人間なので、そういう話を聞くと、一九九〇年代、小泉内閣のときだと思うんですけれども、アメリカからある種の成果主義というものが日本に導入された時期がございます。
この成果主義というのは何かというと、それまでの日本のビジネスモデル、例えば年功序列であるとか終身雇用というものが余り効率よくないと。その効率とは何かというと、コストをカットしないと企業はもうけが増えないじゃないかということで、こういうモデルが導入されたことがあります。
しかし、こうした成果主義のモデルというのは、この時期をちょっと超えた段階でやはり限界に達したというふうなことを言われております。
どういう理由からかといいますと、短期の成果に走りやすい、まず身近なところで成果が上がればそれはオーケーということになってしまう。それから、これは実は労働管理の中の人事考課に使われたんですけれども、御存じのように、日本のように人事考課が元々余りなかったような社会では、公正な人事考課ができるかどうか。これは、ここにいらっしゃる皆さんそうだと思うんですけれども、こいつにだけは人事考課させたくないよみたいな人が上司にいれば、人事考課をやっても逆にマイナスになっちゃうということもあり得る。それから、ある意味では、スタンドプレーが上手な人が成果が上がってしまう。そして、労働者の分断とか、むしろ移動が頻繁にできるようになれば離職率が増加するなど、こういうことがあり、どちらかというと成功しなかったという評価を受けられるのではないかなというふうに思います。
効率化とか生産性の向上という目標をどういうふうに考えればいいかというのが、ある種、今の時代の重要なポイントではないかなというふうに思います。
これでいけば、例えば、生産性の向上が社会に貢献する、さっき石井委員がおっしゃったように、私が、例えば正規の労働者として五日四十時間働いていたときに、AIが導入されたので私の仕事が三日二十四時間で済むということになります。その条件の下で従来の賃金と社会保障が維持されていけば、生活の向上です。ところが、企業が、例えば私が三日二十四時間従来の仕事をすればいいということになれば、当然、次の判断は何かというと、非正規雇用に移されるとか、ある意味では解雇されるということになる。
そういう意味では、この生産性の向上というのは、労働分配をどう考えるかというビジョンと一緒に考えていかないと、やはり、人を排除する、先ほど河西委員からもありましたように、人を排除するのではないかということにつながっていくのではないかというふうに思います。
新しい仕事が創造されるということも言われていますけれども、私なんかは、本当でしょうかと。どうしてかというと、僕らの世代には多分新しい仕事は回ってこない。これは、いろいろな技術が革新されれば、新しい技術についていける世代はオーケーかもしれないけれども、ついていけない世代は世代ごと排除ということになります。少子化の社会に貢献すると言われていますけれども、これも、少子化、少子化と言われている割には非正規雇用の労働者が増加している。何で正規雇用が増えないのかという問題を考えていくと、やはり労働の構造を、一緒にこの社会というのを考えていかないと、この生産性の向上という言葉の意味が結構むなしくなるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
200渡渡邊昇治内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官
ただいま委員から大変深い問題提起をしていただいたと思っております。
IT技術とかデジタル技術が人間を代替すれば、それは見た目にはデジタル革命が成功したということになるわけですけれども、それによって人の雇用が減ってしまうとか、先ほどの、人のコミュニケーションが減ってしまうということは、やはり好ましくないというふうに私は考えております。
そういった意味では、デジタル技術の普及とともに、やはりそれに伴って新しい仕事も増やしていくということも重要なのではないかというふうに考えております。
先ほど、九〇年代のIT革命の例もありましたけれども、今回、AI革命と…
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201
上村英明(れいわ)
ありがとうございます。お考えいただけるような御答弁だったというふうに思うんですけれども。
新しい産業という話だけではなくて、これは先ほどの河西委員の御発言にも関係するんですけれども、例えば、能動的サイバー防御をやりましたので、名古屋港の積荷の作業のところがサイバー攻撃に遭ったんですけれども、三日間で回復しました。なぜかというと、AIを使っていないときの労働のノウハウを知っている人たちが残っていたからなんですね。ですから、AIが、あるいはサーバーがダウンしても、どういうふうに手続をやればこの作業が回るかということを知っている人材が残っているということが、…
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城内実(自民)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・経済安全保障)
私も個人的に、判こ議連の会長として、デジタル化を阻止するとんでもないやつという烙印を押された経緯がございますからこそ、やはり、デジタルも大事ですけれどもアナログも大事でございまして、例えば脳科学的にも、デジタルよりも紙で調べたり調査した方が脳科学の分野で記憶に定着しやすいということが既に証明されております。
事ほどさように、極端に、いわゆるAIに頼り切って、AIに全て、適正な回答を出す、これは、スピードは当然速いでしょうけれども、委員御指摘のとおり、人間は何も考えずに、記憶に残らないとか、まさに知能が劣化してくるというようなことは、恐らく、もう少し突き…
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