衆議院 憲法審査会 第8号
2025年6月5日・31 発言・国会会議録で会議の全文を見る(外部サイト、新しいタブで開きます)
発言の全文
令和七年六月五日(木曜日) 午前十時開議 出席委員 会長 枝野 幸男君 幹事 上川 陽子君 幹事 寺田 稔君 幹事 船田 元君 幹事 山下 貴司君 幹事 武正 公一君 幹事 津村 啓介君 幹事 山花 郁夫君 幹事 馬場 伸幸君 幹事 浅野 哲君 井出 庸生君 稲田 朋美君 井野 俊郎君 大空 幸星君 大野敬太郎君 黄川田仁志君 草間 剛君 小林 鷹之君 柴山 昌彦君 新藤 義孝君 高市 早苗君 葉梨 康弘君 平沢 勝栄君 古川 禎久君 古屋 圭司君 細野 豪志君 森…
これより会議を開きます。 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。 本日は、憲法と現実の乖離について自由討議を行います。 この自由討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派一名ずつ大会派順に発言していただき、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。 それでは、まず、各会派一名ずつによる発言に入ります。 発言時間は七分以内となっております。 質問を行う場合、一度に答弁を求めることができるのは二会派までとし、一回当たりの発言時間は答弁時間を含めて七分以内となりますので、御留意願います…
自由民主党の船田元であります。 今国会も終盤となってまいりましたが、憲法審査会の運営がこれまで比較的計画的に進められております。このことについては安堵をしております。憲法改正原案の策定にはまだ時間を要しますけれども、それに向けての歩みは着実に前進していると考えております。秋の臨時国会においても更に前に進めていきたいと考えております。 さて、本日のテーマであります憲法と現実の乖離については、憲法審査会の生みの親でもあります中山太郎先生が度々言及されていた、いわゆる三つの九条を掲げなければいけません。すなわち、九条二項と自衛隊の関係、七十九条と裁判官の報…
次に、山花郁夫さん。
立憲民主党の山花郁夫です。 まず、学問の自由、大学の自治に関する問題を取り上げたいと思います。 この問題に関しては、京大事件、滝川事件が有名です。 一九三三年、文部大臣が京都大学総長に対し、法学部の滝川幸辰教授を辞めさせるように申入れをしたことに端を発します。京都大学法学部教授会は、学問的研究の成果として発表された刑法学上の所説の一部が政府の方針と一致しないという理由で教授が退職させられるようでは、学問の真の自由は阻害され、大学はその存在の理由を失うに至るとして、反対意見を提出しましたし、京大総長もまた、文部大臣の要求には応じませんでした。そこで、…
次に、阿部圭史さん。
日本維新の会の阿部圭史です。 憲法九条をめぐる問題には、二つの乖離がございます。一つは安全保障環境との乖離、もう一つは国際法環境との乖離です。 まずは、憲法九条と安全保障環境との乖離について。 本年は戦後八十年。我が国を取り巻く極東の安全保障環境は分岐点を迎えようとしています。我が国は、力による現状変更をいとわない核保有国に囲まれ、周辺国による領海侵入及び領空侵犯が相次ぎ、我が国の抑止力の増強及び日米同盟の深化が喫緊の課題となっています。 一方、戦後八十年たってなお、沖縄を始めとする当時の占領地域はいまだに在日米軍基地として使用され、その約七〇%…
次に、浅野哲さん。
国民民主党の浅野哲です。 憲法規定と社会実態との乖離という本日のテーマの下、私は、本日、デジタル時代における人権保障と憲法九条に係る課題認識について意見を述べさせていただきます。 まず、人権分野におけるデジタル時代の人権保障についてです。 現代では、スマートフォンの位置情報やSNS投稿、購買履歴など、個人に関する情報が日常的に収集、分析され、AIの判断や広告配信に用いられています。こうした情報環境の変化は、これまで私たちが当然と考えてきた自己決定や人格的尊厳の前提を根底から揺るがし得るものです。 ところが、現行憲法はこうした事態を十分に想定をして…
次に、浜地雅一さん。
公明党の浜地雅一です。 本日のテーマでございます憲法と現実の乖離、ここにつきましては、憲法と自衛隊の問題について見解を述べたいと思います。 言うまでもなく、この議論の出発点は、九条二項に戦力の不保持、交戦権の否認とあるにもかかわらず、現実には我が国は自衛隊という実力組織を有している、そこに乖離があるように見えるという点でございます。 まず、この議論をするに当たりまして、公明党は、憲法九条の一項及び二項、この規定は今後とも堅持をすべきと考えております。戦後、九条の下で専守防衛の理念が果たした役割は大変大きいものがあったというふうに考えております。また…
次に、大石あきこさん。
れいわ新選組、大石あきこです。 憲法と現実の乖離。 憲法前文の第一段落を読みますね。 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であ…
申合せの時間が経過しております。質疑を終了してください。
やはり認めないことが必要と考えますが、武正理事、いかがでしょうか。
ただいまの質問については、先ほどの阿部さんからの質問と併せて、一巡した後に、御発言をしていただくかどうか決めたいと思います。
次に、赤嶺政賢さん。
日本共産党の赤嶺政賢です。 今年は、戦後八十年の年です。 かつて日本は、朝鮮半島や台湾を植民地化し、中国大陸を始めアジア太平洋諸国を侵略しました。国内では、国家総動員の方針の下、戦争に反対する人々を弾圧して、国民経済や国家予算、学術研究など、ありとあらゆるものを戦争遂行のために動員しました。日本の植民地支配と侵略戦争で、アジア太平洋地域で二千万人以上、日本国民三百十万人が犠牲となりました。 この反省から、日本国憲法は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、九条で、戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認を定めました。戦…
次に、北神圭朗さん。
有志の会の北神圭朗です。 以前も指摘したとおり、世界を見渡すと、各国軍隊の行動を法律で縛るものは、基本的に国際法だけです。それ以外は、自国を守るためであれば基本的に何でもできるというネガリスト方式が常識です。 ところが、自衛隊だけは、九条の必要最小限度という解釈により自衛権が制約され、警察法的な、やれることを限定列挙するポジリスト方式が採用されています。 そもそも、警察と軍隊の目的は全く違います。前者は、治安維持、犯罪防止が主たる任務です。そのためには、自国民に対し、必要に応じて実力を行使せざるを得ません。こうしたことから、警察法は、国民の権利を侵…
次に、委員各位による発言に入りますが、その前に、ただいま一巡目の御発言の中で、維新阿部議員から自由民主党に、れいわ大石委員から自由民主党と立憲民主党に質問がございました。
まず、申し上げます。
質問をされる場合は、できるだけ事前に紙で御提起をいただければ、答弁の方も御準備をいただいて実りある議論になるかなということで幹事会申合せをいたしておりますので、今後御留意をいただければと思います。
その上で、お答えになりますか。
まず、阿部委員に対しての質問にお答えしますが、阿部委員からは、自由民主党の二〇一二年における憲法改正草案、これは私、船田が過去において歴史的文書であるということを述べまして、それを復活したらどうか、そういう趣旨であると思いますが、二〇一二年憲法草案を歴史的文書とは言いましたけれども、決して否定したものではない、こういうふうに申し上げておきたいと思います。 その二〇一二年の草案を踏まえた上で、そして、二〇一八年に、より緊急に憲法改正をすべきと考える四項目、すなわち、九条、緊急事態、教育の充実、それから参議院の合区の解消、この四つの緊急なテーマを選ばせてい…
御質問にお答えいたします。 今国会につきましては、御案内のように、落ち着いた環境の中、憲法審査会の議論を進めてまいりました。 その中で、前任期中の、特にこの憲法審査会で、四党一会派の皆さんから、緊急事態における国会議員の任期延長、これの議論が進められてきたことは承知をしております。 今国会では、こうした緊急事態における議員任期延長について、初めてテーマとして取り扱って議論を深めました。我が党からは、国会議員の議員任期延長は必要ない、立法事実はないと、東日本大震災と同じような状況下でも八割以上の選挙区で選挙が行えるということから申し上げたところでござ…
発言を希望される委員は、お手元にある名札をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。 発言は自席から着席のままで結構でございます。 なお、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。 発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。 また、幹事会の協議に基づき、一回当たりの発言時間は三分以内となります。質問を行う場合、一度に答弁を求めることができるのは二会派までとし、一回当たりの発言時間は全ての答弁時間を含めて五分以内となりますので、御留意ください。 発言時間の経過につきましては、それぞれおお…
自由民主党の柴山昌彦でございます。 本日テーマとなっている憲法と現実の乖離ということですけれども、そもそも、現行の日本国憲法は解釈の余地が大きい、規律密度の比較的薄い条文となっていることから、ある程度の解釈が時代の変化に伴って認められると考えておりますが、先ほど船田幹事もお話しになった九条ですとか、あるいは裁判官の報酬に係る八十条、また私学助成をあたかも否定するような八十九条などについては、明確に、憲法の文言が公的な主体あるいはその実践と真っ向から食い違っている事例でありますので、憲法が理想とする状態が実現されていないというような抽象的なレベルではなか…
立憲民主党の平岡秀夫です。 私は、死刑と憲法について発言をいたします。 日本では古くから死刑制度が存在しておりますけれども、日本国憲法の下でも死刑は合憲であると解釈されて、制度が維持され続けています。他方、世界の潮流としては、現在、死刑廃止国は、事実上の廃止国も含めますと世界の七割を超える百四十四か国に及んでいる中で、日本も国際的には死刑廃止を求められています。 日本国憲法と死刑制度の関係については、次の二つの最高裁大法廷の判決が有名であり、今でも判例として生きています。 まず、昭和二十三年三月の判決は、生命に対する国民の権利についての憲法十三条…
自由民主党の大野敬太郎でございます。 本日のテーマである憲法と現実の乖離に関しては、私も憲法九条と自衛隊の関係を取り上げたいと思います。 現行憲法九条二項では、戦力の不保持、交戦権の否認が明確に規定されておりますが、現実には、我が国は世界でも有数の規模、能力を誇る自衛隊を保有しています。これが憲法と現実の乖離の最たるものであることは、私たち自由民主党だけではなく、多くの政党そして国民の共通認識ではないでしょうか。 私は、かつて防衛大臣政務官を務め、我が国を取り巻く安全保障環境が急激に悪化する中で、国民の生命財産を守るために、二十四時間三百六十五日、…
日本維新の会の和田有一朗でございます。 私は、憲法学者でもありませんし、弁護士でもありません。素直に、普通に感じることを発言してみたいと思うんです。我が党の考え方は先ほど阿部委員が申し上げたとおりでありますし、多くの方がいろいろなことを述べられたことをなぞることになるかも分かりません。九条、自衛隊の問題を中心に、素直に、感じるところを発言したいと思うんです。 どこから見ても、自衛隊は国防を担う実力組織、すなわち軍隊だと思います。軍隊です。どこかが攻めてきたら戦えます。当たり前だと思います。 でも、今の憲法を読み解くと、どうも本当にそう読み取れるかな…
武正公一です。 国会は国権の最高機関とされながら、それが現実と乖離している点が憲法第七章「財政」です。 昨年の補正予算案は一千億円の災害対策費修正、今年度予算案は、衆議院に回付をされ、高額療養費の修正がされました。それぞれ立憲民主党は予算修正を求めましたが、その修正には、政府の対応に時間を要することで速やかな修正審議ができない事態も起きておりました。国会の議決が速やかに行えるような見直しが必要と考えます。 この十年を振り返れば、予備費が過大に計上され、その使途の範囲を広げてきました。憲法八十三条、国の財政処理の権限は国会議決に基づく一方、予備費は事…
自由民主党の高市早苗でございます。 まず、現実との乖離というテーマでございますので、私からは、第二十一条、表現の自由及び通信の秘密について申し上げます。 この規定は非常に重要なもので、現行憲法の書きぶりどおり、これは置いておけばいいと思うのですが、ただ、インターネットがなかった時代に定められた憲法でございますので、様々な問題点が発生しております。 つけ加える条文として、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行うことは認められない、こういったものが加わっていればかなりよくなると思うんですが、今直面している問題としましては、国民の皆様の命や財産…
れいわ新選組、大石あきこです。 やはり、改めて、来週六月十二日、幹事会で緊急事態条項の骨子案が出されるというのは絶対あってはならないです。 先ほどの七分の説明の中でも申し上げましたけれども、緊急事態条項の中の任期延長、これは立法事実がない上に違憲ですからね。様々もう議論は尽くしてきましたが、国民から選挙の権利を奪うもので、内閣の、衆議院議員の居座りを許すものですから、これは明らかに違憲提案なんですよ。しかも立法事実がないときていて。参議院の緊急集会の七十日限定説というのも、そういうものはなくなって、自民党内でも割れていて、限定していないという、もう論…
これにて自由討議は終了いたしました。
次回は、来る十二日木曜日午前九時四十分幹事会、午前十時審査会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十四分散会
顔写真の出典(Wikimedia Commons、14件)
- 枝野幸男: Yukio Edano 2024-10-14 (cropped).jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Noukei314、CC BY-SA 4.0
- 船田元: Hajime Funada 20230712 1.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Philippe STIRNWEISS / © European Union 2023 - Source : EP、European Parliament
- 山花郁夫: Ikuo Yamahana 201210.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 浅野哲: Satoshi Asano 20231023.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 浜地雅一: Hamachi Masakazu.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、首相官邸、CC BY 4.0
- 大石あきこ: Akiko Oishi, Member of the House of Representatives, addresses a rally in Fukuoka City.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、赤羽霧、CC BY-SA 4.0
- 赤嶺政賢: Seiken Akamine 190627-M-HB452-1219.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、U.S. Marine Corps photo by Cpl. Andrew Jones、Public domain
- 北神圭朗: Keiro Kitagami 2012.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 武正公一: Takemasa Koichi.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 柴山昌彦: Masahiko Shibayama.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、文部科学省、CC BY 4.0
- 平岡秀夫: Hideo Hiraoka.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 大野敬太郎: Keitarō Oono 2021.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、内閣官房内閣広報室、CC BY 4.0
- 和田有一朗: Yuichiro Wada 20230702.jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、總統府、CC BY 2.0
- 高市早苗: Official portrait of Sanae Takaichi, Prime Minister of Japan (HD).jpg(外部サイト、新しいタブで開きます)、Immediate source: MOFA/Japanese Embassy to South Africa, probable source: Cabinet Public Affairs Office、CC BY 4.0