後藤斎 (国民民主党)

2026年7月13日・第221回国会 参議院 本会議 第28号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 13 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 51 発言)

国民民主党・新緑風会の後藤斎です。

会派を代表し、令和七年度政策評価等の実施状況について質問をいたします。

政策の目的は、国民生活をより良くすることにあります。そのためには、政策を評価し、その結果を次の改善に結び付ける不断の努力が不可欠です。

政策評価制度は、政策評価書を作成し、報告書を取りまとめること自体を目的とするものではありません。限られた財源の下で政策効果を客観的に検証し、その結果を次の政策へ反映させる、いわゆるPDCAサイクルを実質的に機能させるための重要な基盤です。しかし、現実には、評価書の作成が自己目的化し、評価結果が政策改善に十分に結び付いていないと思われる事例も見受けられます。

国民が求めているのは、評価を行ったという事実ではなく、評価を踏まえて何を改め、どのような成果につなげたかという結果です。評価結果が予算要求、制度改正、事業の廃止、見直しにどう反映されたかまで示されて初めて国会による行政監視機能も実効性を持ちます。

政府は、政策評価制度の実効性をどのように高め、各府省のPDCAサイクルをどのように機能させていくお考えなのか、総務大臣にお尋ねをいたします。

次に、官民ファンドについてお伺いをいたします。

官民ファンドは、民間だけでは十分な資金供給が難しい成長分野に政策的に投資をし、産業競争力の強化や新たな需要の創出を図るため設立をされてきました。しかし、先日、クールジャパン機構の累積赤字が約五百四十億円に達していることが明らかとなり、官民ファンド制度全体の在り方にも厳しい目が向けられています。

全ての官民ファンドが政策目的に照らして十分な成果を上げているのか、政府全体で検証すべきです。損益だけではなく、民間資金の呼び水になったのか、政策目的の達成に資したのかという観点も不可欠です。

現在、政府が所管する官民ファンドは総計で何件あり、投融資総額及び累積損益はどのような状況か、官房長官にお伺いをいたします。

次に、クールジャパン機構についてお伺いをします。

我が国の優れた文化、コンテンツ、食、ファッション、ビューティー、観光などを海外に発信し、新たな需要を開拓するという政策目的は今なお重要です。しかし、多額の公的資金を投入している以上、成果と責任は厳格に検証されなければなりません。

クールジャパンのこれまでの成果と課題をどのように評価しているのか、また、制度の見直しや官民ファンド全体の統廃合を含め、今後どのような方向性で取り組むのか、経産大臣にお伺いします。

次に、リニア中央新幹線について伺います。

私は、国土交通委員会において、累次にわたりリニア中央新幹線の整備状況と今後の見通しについて質してまいりました。

そうした中、七月七日に、静岡県知事が着工容認を表明をされました。当初は、二〇二七年度、来年度が開業予定でした。しかし、現在も新たな開業時期は示されておりません。東海道新幹線は、老朽化や南海トラフ地震等により長期不通になるというリスクを抱えています。東京、名古屋、大阪を結ぶ大動脈を二重系化するリニア中央新幹線は、国土強靱化、地方創生、国際競争の観点からも、我が国の将来を左右する国家プロジェクトです。政策評価の観点からも、当初計画と現状を冷静に分析をし、一日も早い開業に向けた工程を示すべきです。国として、JR東海任せにせず、関係自治体との調整も含め、責任ある関与を強めるべきです。

早期に開業すべきと考えますが、国土交通大臣の御見解をお伺いいたします。

次に、花粉症対策について伺います。

今や花粉症は日本人の二人に一人が罹患するとも言われる国民病です。労働生産性の低下、医療費、医薬品費などを含む社会的損失は極めて大きく、経済損失は一日当たり約二千四百五十億円、一か月では約七兆円を上回るという推計もあります。

政府は、二〇二三年に花粉症対策に関する閣議決定を行い、総合的な取組を進めていますが、社会的損失の大きさに見合う実効性が今問われております。

農林水産省が開発を進めてきた杉花粉症緩和米は、二十年以上研究が続けられ、安全性確認など一定の成果が得られながら、いまだ実用化に至っていません。二〇一〇年度に約五億五千万円、二〇一一年度には約六億円の予算が計上された時期もありましたが、継続的な予算措置は十分とは言い難く、研究成果が国民生活の改善に生かされていないと考えます。長年研究開発を続けてきた以上、出口戦略を明確にする責任があります。

政府は、これまでの研究開発成果をどのように評価をしているのか、そして実用化に至っていない要因をどう分析しているのか、農林水産大臣に伺います。

また、当初は御飯としての実用化を目指し、その後、医薬品としての開発へ重点を移してきましたが、医薬品に加え、機能性食品との実用化も二刀流で検討し、具体化すべきです。早期実用化に向けたお考えを農林水産大臣にお尋ねをいたします。

次に、米価と食料システム法について伺います。

昨年来高騰していた米価については、備蓄米放出による価格上昇の抑制効果は限定的でした。足下では過剰在庫圧力等から米価が低下をし、秋以降の新米価格の大幅下落も懸念されています。

消費者にとって米価下落は歓迎すべき面もありますが、生産者が再生産を維持できない水準まで価格が下がれば、我が国の主食であり、食料安全保障を支える米作りそのものが持続できません。必要なのは、消費者に過度な負担を求めず、同時に生産者が将来にわたって安心して生産を続けられる適正な価格形成です。

本年施行された食料システム法は、食品等の持続的な供給を実現するため、取引の適正化と合理的な費用を考慮した価格形成を進める法律です。価格上昇時だけではなく価格下落時にも、生産者と消費者の双方にとって望ましい価格形成が図られるよう運用されるべきです。

政府は、生産コストも踏まえ、適正な価格形成を実現するため、同法をどのように運用されていくのか、農林水産大臣にお伺いをいたします。

最後に、ナフサについて伺います。

中東情勢の緊張緩和等を背景に、原油やナフサの国際価格は一時的に落ち着きを取り戻しましたが、現状は、米・イラン暫定和平合意は機能不全に陥り、先行き不透明感が改めて高まっています。塗料、樹脂、包装材など、ナフサを原料とする製品価格はなお高い水準にあります。多くの中小企業や国民生活への影響は続き、今後、価格の動向は予断を許しません。

私は、六月の本会議代表質問において、燃料価格抑制策の対策にナフサを加えるべきではないかと質問しましたが、再質問の総理答弁は、現時点では対象に加える考えはないという内容でした。

政府は、再び中東情勢が緊迫化しているこの局面でも、ナフサを対象に加える考えはないのか、改めて経産大臣にお伺いをいたします。

また、ナフサ製品は我が国産業を支える基礎素材であり、経済安全保障の観点からも安定供給の確保が極めて重要です。ナフサ備蓄制度の創設に向け、どのような検討を進め、今後どのように具体化していくお考えなのか、経産大臣にお尋ねをいたします。

行政評価制度は、過去を振り返るためだけの制度ではありません。評価を国民の説明責任の起点とし、改善に結び付け、改善を成果に結び付けること、その成果を国民一人一人が実感できる制度へと高めていくことを強く求め、私の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

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