後藤斎 (国民民主党)

2026年6月3日・第221回国会 参議院 本会議 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 37 発言)

国民民主党・新緑風会の後藤斎でございます。

会派を代表し、質問をいたします。

今、国民生活を覆う最大の不安は、明日の暮らしの見通しが立たない不安です。食品、電気、ガソリン、物流費、建設資材、農業資材など、あらゆる価格が上がり続ける一方、賃金上昇は物価高に十分追い付かず、国民は深刻な負担増に直面しています。

政府は、補正予算を通じ、迅速かつ的確な支援を行う必要があります。国民民主党は、現役世代の手取りを増やし、家計を支え、地域経済を下支えする政策を建設的に提案をしてまいりました。しかし、財源、対象、効果が曖昧なままでは、国民の安心にはつながりません。財政への信認が揺らげば、金利上昇、円安、輸入物価上昇を通じ、更なる物価高を招きかねません。

政府は、今回、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう、リスクの最小化の観点から資金面で万全の備えを取る補正予算であると説明をされています。必要な投資をためらわない姿勢は重要です。しかし、予備費を積み上げるだけではなく、目的、執行の透明性を明確に示すべきです。財源を安易に新規国債に頼れば、財政悪化懸念を通じて円安と輸入物価上昇を招き、国民生活を再び苦しめるおそれがあります。

今回の補正予算の財源をどのように調達するのか、改めて財務大臣にお聞きをいたします。

次に、エネルギー安全保障について伺います。

中東情勢の緊迫化は、我が国の経済と暮らしが地政学リスクに大きく左右される構造であることを改めて示しました。原油、LNG、石油製品、肥料原料、食料のいずれかが滞れば、国民生活と産業活動は大きな打撃を受けます。量が足りていても、価格高騰、納期不安定、地域、業種ごとの偏在が生じれば、現場にとっては事実上の供給危機です。特にナフサは、プラスチック、塗料、医療資材など、数千種類に及ぶ生活と産業を支える基礎原料です。

政府は、直ちに供給不安、不足の状況にはないとしておりますが、現場では、調達価格の高騰や納期遅延が広がっています。政府は、足りていると説明するだけではなく、数量、価格、納期、品目別、地域別、業種別の影響をしっかりと把握をし、分かりやすく公表すべきです。

化学メーカーに限らず、医療、農業、自動車、建設など幅広い産業への影響を緊急点検をし、政府説明と現場のギャップに早急に対応すべきと考えますが、総理の御見解をお伺いします。

ナフサの構造問題、構造にも課題があります。ナフサの中東依存は、輸入、国内精製を合わせて七〇%を超え、我が国の石油化学産業は中東リスクから逃れられません。

政府は、どの程度の依存度をリスクと認識し、どの水準まで引き下げることを目標としているのか、あわせて、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合の代替調達の可能性をどのように考えているのか、経産大臣にお伺いいたします。

次に、ガソリン等への価格抑制策について伺います。

原油価格高騰や中東情勢の緊迫化が国民生活と日本経済に深刻な影響を及ぼす中、燃油価格の急騰を抑える政策対応は必要です。しかし、補助金を長期にわたり全利用者に一律に継続することは、財政負担の面でも、市場価格をゆがめる面でも、持続可能とは言えません。

物流、公共交通、農林漁業など、真に支援が必要な分野への重点支援を強める一方、ガソリン一リットル百七十円目安も見直すなど、制度全体にめり張りを付け、持続可能な形へ変更すべきと考えます。あわせて、価格抑制の対象にナフサを加え、供給の安定、価格高騰を抑えるべきと考えますが、総理の御見解をお伺いをします。

次に、原油、LNGの調達国多角化について伺います。

中東は重要な供給地域ですが、依存度が高過ぎることは危機時の脆弱性です。複数の供給源、輸送ルート、契約形態を持つことは、価格交渉力を高め、国民負担を抑えるためにも不可欠です。

政府は、原油、LNGについて、どの程度の中東依存をリスクとみなし、どう多角化することを目標としているのか、経産大臣にお伺いします。

次に、備蓄政策について伺います。

我が国には、原油、レアメタルなどの国家、民間備蓄制度があります。食料についても、米の国家備蓄があります。一方、国民生活と産業の基礎物資であるナフサの備えは制度化されておりません。

保管コストや品質管理の課題はありますが、政府は、一九九三年まで存在した民間備蓄支援の法制化を早期に検討すべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。

次に、下水道のエネルギー利用について伺います。

エネルギー安全保障は、国内資源の最大化を図ることも大切です。その一つが下水道です。下水汚泥は処理すべく廃棄物ではなく、発電、リン肥料に活用できるバイオマス資源です。

下水道処理センターを単なる処理インフラではなく、地域の再生エネルギーと資源循環の拠点と位置付け、下水汚泥発電、リン肥料回収を早期に一体的に推進すべきと考えますが、総理の見解を伺います。

次に、肥料ショックについて伺います。

ホルムズ海峡の混乱は、原油やLNGだけの問題ではありません。肥料価格の高騰は農家の経営を圧迫をし、最終的には食料品価格の上昇となって国民を苦しめます。日本は、食料自給率が低く、肥料原料の多くも海外に依存しています。中東リスクが長期化すれば、肥料ショックが起きかねません。

肥料及び肥料原料について、調達先の多角化を早急に進めるべきと考えますが、農水大臣の見解をお伺いします。

また、肥料は世界の食料生産を支える基盤物資でありながら、危機時の国際協調は十分とは言えません。日本は、国際社会において肥料や肥料原料の国際的な備蓄、融通の仕組みづくりを主導すべきと考えますが、総理の見解を伺います。

最後に、気候リスクについて伺います。

気象庁は、今年の夏までにエルニーニョ現象が発生する可能性が高いとしております。高温、干ばつ、豪雨などが世界各地で起きれば、農作物の不作、食料品価格の上昇につながります。エネルギーと肥料の供給不安に気候リスクが重なれば、国民生活への影響は更に深刻になります。政府は早めの対策を講じるべきと考えますが、総理の見解を伺います。

終わりに、中東情勢の緊迫化、資源価格の高騰、供給不足、物価高、食料安全保障への不安、日本は今、複合的な危機に直面をしています。

こうした局面で政府に求められているのは、風林火山の精神です。国民生活を守る緊急対策は、速きこと風のごとく、迅速に実行する。国民生活と産業基盤を守る意思は、静かなること林のごとく、ぶれることなく堅持をする。危機への備えと供給網の強化は、侵略すること火のごとく、果断に進める。そして、財政への信認と国家の持続可能性は、動かざること山のごとし、揺るぎなく守り抜く。場当たり的ではなく、迅速性と戦略性を備えた危機対応を政府に強く求め、私の質問を終わります。

なお、答弁が不十分な場合は再質問させていただくことも併せて申し上げます。

ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

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