お答え申し上げます。
今回の閣法で設けられる証拠提出命令制度につきましては、確かに再審請求理由に関連する証拠が対象となってございます。ただ、これは、裁判所が提出を命じる義務があるものであり、かつ検察官が証拠を提出する義務がある範囲はぎりぎり詰めるとどこまでかということを定めたものにすぎません。
今先生が御指摘いただいたその袴田事件や福井事件等でなされているものというのは、裁判所による勧告であろうと思われます。勧告については、必ずしもこの枠に全面的に依拠してぎちぎち詰める必要はないわけでして、請求人が出してきている新証拠及び主張を踏まえた場合に、この事案についてはかなり旧証拠の証明力についても丁寧に審査する必要があるというふうに裁判所が考えた場合、裁判所が幅広に証拠の提出を勧告するということは十分可能であり、両事件のような運用は今後も可能であるというふうに考えております。
以上です。
25田田岡直博香川県弁護士会弁護士
私は、この証拠提出命令ができたことによって、従来の実務運用として行われてきた証拠の開示がむしろ後退するのではないかという懸念を持っております。
なぜかと申しますと、従来、通常審における証拠開示制度を参考に証拠開示の勧告や証拠開示の運用がなされてきたからです。通常審では、類型証拠開示と主張関連証拠開示という二本立ての証拠開示制度になっておりまして、この類型証拠開示が非常に重要なんです。
例えば、現場にあった証拠物、実況見分調書、検証調書、鑑定書、それから関係者の未開示の供述調書、こういったものは、本来、主張と関係なしに当然開示すべきである、なぜなら防御…
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26高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
基本的に田岡参考人と同じ意見です。
幾つか付け加えさせていただきます。
これまで以上というのは、どこを水準にするかによって評価は変わり得ると思います。御存じのとおり、再審格差と言われるぐらいで、全く証拠開示に手を着けなかった裁判所もあります。そこを基準にしたならば、それはたくさん出てくる、そういう評価はあり得るでしょう。しかし、私たちがここで目指しているのはそんなことではなかったはずです。救済がなされた事例との比較においてどうかという基準を持たなければいけません。
それを前提に検討しますと、先ほど田岡参考人がおっしゃられたように、通常審に倣って開示…
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打越さく良(立憲)
続いての質問も、成瀬参考人、田岡参考人、高平参考人の順で伺いたいと思います。
例えば、袴田事件の第二次再審請求審の約六百点の証拠開示、福井事件の第二次再審請求審の二百八十七点の証拠開示は、証拠開示請求書の形式を見ますと、類型証拠開示の発想に基づき作成されたものと思われます。
今後、再審請求理由との関連性、必要性のある証拠に限定されるとしますと、このような証拠開示はどうなるのか。認められなくなるのではないかと、そういった懸念も抱くのですけれども、いかがでしょうか。
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- (上の発言)
28成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今回の閣法で設けられる証拠提出命令制度につきましては、確かに再審請求理由に関連する証拠が対象となってございます。ただ、これは、裁判所が提出を命じる義務があるものであり、かつ検察官が証拠を提出する義務がある範囲はぎりぎり詰めるとどこまでかということを定めたものにすぎません。
今先生が御指摘いただいたその袴田事件や福井事件等でなされているものというのは、裁判所による勧告であろうと思われます。勧告については、必ずしもこの枠に全面的に依拠してぎちぎち詰める必要はないわけでして、請求人が出してきている新証拠及び主張を踏まえた場合に、この事案についてはかなり旧証拠の証明力についても丁寧に審査する必要があるというふうに裁判所が考えた場合、裁判所が幅広に証拠の提出を勧告するということは十分可能であり、両事件のような運用は今後も可能であるというふうに考えております。
以上です。
29田田岡直博香川県弁護士会弁護士
福井事件について申しますと、この証拠開示請求書の書式はほとんどもう通常審の類型証拠開示請求の発想で作られているんですね。つまり、そのとき再審請求人が出していた新証拠に限定されずに、関係者の未開示証拠を全部開示してくださいとか、現場にあった遺留物を全部開示してくださいと、こういう開示請求をしています。
第一次の段階で九十五点開示されました。ところが、その中には「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書って含まれておりませんでした。これ、なぜかといいますと、裁判所が勧告したときに供述調書を出してくださいと言ったから、供述調書以外は出さなくていいんですねという形で漏…
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30高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
この点につきましては、私、田岡参考人と意見を同じくするところです。
幾つか補足だけさせていただきます。
勧告したところで、じゃ、その先どうなるかということを当然検察官は予想します。勧告されても、結局命令まで行き着かないのではないかという予測が立つわけです。ぎりぎりのところで義務が作られているということでしたので、この条文で作られていた関連性の枠がはまったところじゃないと命令は出されないだろうという予測が立つのであれば、じゃ、進んで証拠を出すでしょうか、任意で出すでしょうか。到底そのような結果は予想できません。
私からは以上です。
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打越さく良(立憲)
続いては、時間も足りなくなってきたので、田岡参考人と高平参考人に伺いますけれども、裁判所提出型にしても、弁護人は閲覧、謄写できるわけだから、直接開示を認めなくても問題ないという考え方ありますけれども、それについてはどう思われますか。
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