ですから、私は、この法案審議入りに先立って、十八日の一般質疑で、刑事局長がこの政府案によって裁判所に提出される証拠の範囲は広くなるというふうに言うが、それはごまかしだということを指摘したつもりです。今日も古庄委員の質問、あるいはその十八日の私の質問に対してもそうでしたけれども、今のお話のとおり、これまでの実務慣行は変わらない、その上に、権利義務関係にある証拠提出命令、その中に提示命令というのを創設するのだから広くなると、そういう趣旨の答弁をされているんですね。
私はここにごまかしがあると申し上げたいと思うんです。どんなごまかしかというと、裁判官の判断、そして検察官の判断、それがそんなに信用できますかということです。
まず、裁判所について確認をしたいと思いますけれども、従来の職権による再審請求における証拠開示の勧告や命令が全て無辜の不処罰のために行われてきましたか。全ての裁判官が再審請求に当たってそういう証拠に対する向き合う勧告を出していたんだったら、こんな冤罪繰り返されないんですよ。
その点について、再審法に関わる刑事法研究者の声明では、こういうふうに言っています。裁判所の中には、請求人、弁護人が強く求めても、開示の命令、勧告に消極的な姿勢を取り続けたものもあった。そうなんですね、裁判官をそんなに何だか神様のように信頼しちゃならないんですよ。
どうしてそういうことになってしまうのかについて、古庄先生が今日配付をされた元裁判官の共同声明がありますけれども、二枚目の真ん中ほどにこう書いてあります、裁判所は、明確な条文上の根拠がないために検察官に証拠開示を命じることにちゅうちょし、検察官は、法律上の根拠がないとして開示の求めに応じないのであると。これは、刑事法の研究者や再審に関与してきた裁判官を始めとした実務法律家にとってみれば当たり前のことなんですよ、当然の再審の今の現実なんですよ。
だから、何だか全ての裁判官がひとしく真実発見のために再審請求人が求める証拠の開示を求めてくれる、開示命令を、提出命令を出してくれるのような、そんな前提に立つのは全くの間違いである。
だから、刑事局長にお尋ねをしたいと思いますが、これまで、再審格差と言われる、この裁判官が開示を求めるべき証拠について開示を求めてこなかった。それ、実際そうでしょう。だって、袴田事件だって、全て関わった裁判官が、五点の衣類にしても開示を求めたわけじゃないじゃないですか。真剣に吟味して開示を求めた裁判官がいたからこそ、この袴田さんは再審無罪が確定をしました、最後の最後になって。けれど、そうではない裁判官たちが幾人もいたから五十八年も掛かるんでしょう、雪冤まで。その原因についてどう考えているんですか。
232佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
基準と申し上げるのが大変難しゅうございますけれども、個別の事案ごとに今申し上げたような要素を考慮して裁判所の判断に必要な証拠を提出する運用が定着しているということを申し上げておりまして、その基準と申し上げているつもりではないわけですけど、その辺は御容赦願います。
この発言のページ
233
仁比聡平(共産)
つまり、個々の事案ごとという形の中で、全くはっきりしないという。言い換えると、検察の判断次第と。やっぱりシビアにそう見るべきだと思うんですよ。
改めて確認になりますが、従来、裁判所の裁量において再審請求審において行われてきたのは、裁量による勧告なのであって、勧告を出す義務も裁判所にないし、元々、これが勧告がなされても検察官には従う義務はない。もし義務があればそんな義務を課されるのはおかしいという議論になるんだけれども、再審請求審における証拠開示の運用についてはそういう権利義務の議論ではなかった、だから検察の判断次第と私は言っているんですね。しかも、再審…
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234佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
本法律案における証拠の提出命令制度は、今委員が御指摘のあったような、裁判所による証拠の提出、開示の勧告とか検察官による任意での証拠の提出、開示といった従来の実務運用を否定するものではございませんので、引き続きこれらの運用上の措置も活用されることを想定しているところでございます。
その上で、御指摘の裁判所の証拠開示の勧告には法的拘束力はありませんので、これに応じて証拠を任意に開示するかどうかは検察官が判断することとなると考えております。衆議院における修正により加えられた附則四条二項は、ただいま申し上げた運用上の措置について、事案に応…
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- (上の発言)
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仁比聡平(共産)
ですから、私は、この法案審議入りに先立って、十八日の一般質疑で、刑事局長がこの政府案によって裁判所に提出される証拠の範囲は広くなるというふうに言うが、それはごまかしだということを指摘したつもりです。今日も古庄委員の質問、あるいはその十八日の私の質問に対してもそうでしたけれども、今のお話のとおり、これまでの実務慣行は変わらない、その上に、権利義務関係にある証拠提出命令、その中に提示命令というのを創設するのだから広くなると、そういう趣旨の答弁をされているんですね。
私はここにごまかしがあると申し上げたいと思うんです。どんなごまかしかというと、裁判官の判断、そして検察官の判断、それがそんなに信用できますかということです。
まず、裁判所について確認をしたいと思いますけれども、従来の職権による再審請求における証拠開示の勧告や命令が全て無辜の不処罰のために行われてきましたか。全ての裁判官が再審請求に当たってそういう証拠に対する向き合う勧告を出していたんだったら、こんな冤罪繰り返されないんですよ。
その点について、再審法に関わる刑事法研究者の声明では、こういうふうに言っています。裁判所の中には、請求人、弁護人が強く求めても、開示の命令、勧告に消極的な姿勢を取り続けたものもあった。そうなんですね、裁判官をそんなに何だか神様のように信頼しちゃならないんですよ。
どうしてそういうことになってしまうのかについて、古庄先生が今日配付をされた元裁判官の共同声明がありますけれども、二枚目の真ん中ほどにこう書いてあります、裁判所は、明確な条文上の根拠がないために検察官に証拠開示を命じることにちゅうちょし、検察官は、法律上の根拠がないとして開示の求めに応じないのであると。これは、刑事法の研究者や再審に関与してきた裁判官を始めとした実務法律家にとってみれば当たり前のことなんですよ、当然の再審の今の現実なんですよ。
だから、何だか全ての裁判官がひとしく真実発見のために再審請求人が求める証拠の開示を求めてくれる、開示命令を、提出命令を出してくれるのような、そんな前提に立つのは全くの間違いである。
だから、刑事局長にお尋ねをしたいと思いますが、これまで、再審格差と言われる、この裁判官が開示を求めるべき証拠について開示を求めてこなかった。それ、実際そうでしょう。だって、袴田事件だって、全て関わった裁判官が、五点の衣類にしても開示を求めたわけじゃないじゃないですか。真剣に吟味して開示を求めた裁判官がいたからこそ、この袴田さんは再審無罪が確定をしました、最後の最後になって。けれど、そうではない裁判官たちが幾人もいたから五十八年も掛かるんでしょう、雪冤まで。その原因についてどう考えているんですか。
236佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
今、先生の御指摘ですけれども、裁判所の判断に関わる事柄につきましては法務当局としてお答えすることは困難であることをまず前提としてお答えした上で、今回の証拠の提出命令制度につきましては、そのような、裁判官によってその証拠の取扱い、提出、開示に関する考え方が違うのではないか、まちまちになっているのではないかという指摘を踏まえまして、このような証拠の提出命令制度の関連、その再審請求理由に関連する証拠の要件なども定めまして、その上で裁判所に義務を、提出命令を出す義務を付与、与えたものでありまして、これに当然検察官もその提出義務を負うというこ…
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仁比聡平(共産)
政府案の証拠提出命令という仕組みが、今説明があったように、再審請求人も請求できる、これを裁判官が判断する、その決定に検察官は従わなければならないという、そういう権利義務の関係になっていると。そういう意味で、再審請求人の手続的権利の保障になっているということはそうだと、それは十八日も確認したことなんですよ。問題は、その要件と、それから再審請求人に直接開示ができる制度にしなければ再審の意義を果たせないのではないかという問題ですということなんですね。
ちょっと話戻りますけれども、裁判官が、その冤罪を晴らす最後の手段としてのこの再審制度なんだから、ここで証拠を…
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238佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
先ほど答弁申し上げたとおり、再審請求審における検察当局の証拠開示勧告への対応について法務当局として網羅的に把握するものではないということでございまして、また先ほど答弁しましたように、近年においてはという、先ほど、近年においては、裁判所の意向を踏まえつつ、先ほど述べたような要件などを考慮して検察官手持ち証拠を裁判所に提出するなどといった柔軟な対応を取っているということなんでありますけれども、その時系列の話と、かつその個別の事案ごとの話がありますので、ちょっと今の御質問に対して、そうですとか、そうでないとか言うのが大変難しいということは…
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