仁比聡平 (日本共産党)

2026年6月23日・第221回国会 参議院 法務委員会 第17号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 235 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 268 発言)

ですから、私は、この法案審議入りに先立って、十八日の一般質疑で、刑事局長がこの政府案によって裁判所に提出される証拠の範囲は広くなるというふうに言うが、それはごまかしだということを指摘したつもりです。今日も古庄委員の質問、あるいはその十八日の私の質問に対してもそうでしたけれども、今のお話のとおり、これまでの実務慣行は変わらない、その上に、権利義務関係にある証拠提出命令、その中に提示命令というのを創設するのだから広くなると、そういう趣旨の答弁をされているんですね。

私はここにごまかしがあると申し上げたいと思うんです。どんなごまかしかというと、裁判官の判断、そして検察官の判断、それがそんなに信用できますかということです。

まず、裁判所について確認をしたいと思いますけれども、従来の職権による再審請求における証拠開示の勧告や命令が全て無辜の不処罰のために行われてきましたか。全ての裁判官が再審請求に当たってそういう証拠に対する向き合う勧告を出していたんだったら、こんな冤罪繰り返されないんですよ。

その点について、再審法に関わる刑事法研究者の声明では、こういうふうに言っています。裁判所の中には、請求人、弁護人が強く求めても、開示の命令、勧告に消極的な姿勢を取り続けたものもあった。そうなんですね、裁判官をそんなに何だか神様のように信頼しちゃならないんですよ。

どうしてそういうことになってしまうのかについて、古庄先生が今日配付をされた元裁判官の共同声明がありますけれども、二枚目の真ん中ほどにこう書いてあります、裁判所は、明確な条文上の根拠がないために検察官に証拠開示を命じることにちゅうちょし、検察官は、法律上の根拠がないとして開示の求めに応じないのであると。これは、刑事法の研究者や再審に関与してきた裁判官を始めとした実務法律家にとってみれば当たり前のことなんですよ、当然の再審の今の現実なんですよ。

だから、何だか全ての裁判官がひとしく真実発見のために再審請求人が求める証拠の開示を求めてくれる、開示命令を、提出命令を出してくれるのような、そんな前提に立つのは全くの間違いである。

だから、刑事局長にお尋ねをしたいと思いますが、これまで、再審格差と言われる、この裁判官が開示を求めるべき証拠について開示を求めてこなかった。それ、実際そうでしょう。だって、袴田事件だって、全て関わった裁判官が、五点の衣類にしても開示を求めたわけじゃないじゃないですか。真剣に吟味して開示を求めた裁判官がいたからこそ、この袴田さんは再審無罪が確定をしました、最後の最後になって。けれど、そうではない裁判官たちが幾人もいたから五十八年も掛かるんでしょう、雪冤まで。その原因についてどう考えているんですか。

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