川村雄大 (公明党)

2026年5月28日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 132 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 144 発言)

公明党の川村雄大です。

私は、会派を代表し、ただいま議題となっております健康保険法等の一部を改正する法律案政府原案に対し反対、修正案に対して賛成の立場から討論を行います。

医療保険制度を将来にわたって守り抜くこと、現役世代を始めとする保険料負担の軽減、給付の効率化、制度の持続可能性の確保等は、避けて通ることのできない課題であります。

とりわけ高額療養費制度は、病に直面した方が経済的な理由によって治療を断念することのないよう支える我が国医療保険制度の中核です。しかるに、政府原案は、その見直しに当たり、療養に必要な費用の負担が患者の家計に与える影響、発症後の収入減少、教育費や扶養に係る負担への影響等について十分な検討がなされているとは言えません。

条文に記された長期療養者への配慮についても不十分です。すなわち、年間上限額の償還が制度開始から一年以上後になり得ること、保険者をまたいだ多数回該当の継続が実現していないこと、七十歳未満におけるいわゆる二万一千円の壁など、制度運用上の課題が多く残されています。そのため、長期療養者のみならず、とりわけ中低所得者の命を守るセーフティーネットとしての機能を十分に果たすことができません。

専門委員会での議論についても、具体的な自己負担額が議論の最終回で示され、患者の声が制度設計に十分反映されたとは言えません。これでは、患者の声を十分に受け止められず、憲政史上初となる衆議院での修正、参議院での再修正の後に凍結に至った前回の反省が生かされておりません。

これらの課題に対して、国会審議を通じて与野党の議員から様々な懸念が示されました。しかし、政府の答弁は同じ答弁書を読むだけの場面が多く、議論に真摯に向き合っていただいたとは言い難いものでございました。

例えば、政府は、財政効果には受療行動の変化を織り込んでおきながら、必要な受診抑制は想定していないと強弁する一方で、その根拠を十分に明らかにしておりません。また、誰が負担増となり、誰が軽減されるのかという全体像もなお十分に示しておりません。

さらに、政府は、制度見直し後の影響について、丁寧に検証する、注視すると繰り返しながら、令和九年八月の第二段階の見直し前に第一段階の影響を十分に分析することは制度設計上困難であり、見直し全体の評価には少なくとも令和十年七月までの数字整理が必要であると答弁をされました。これでは、経済的負担によって治療に甚大な影響が出てしまうという患者団体の不安、そして国会の審議を軽視した対応と言わざるを得ません。

また、一部保険外療養の創設の理由として、医療用医薬品の給付を受ける患者とOTC医薬品で対応している患者との公平性を挙げておきながら、イトプリドというOTC医薬品を服用できない妊婦がどうして特別の負担を支払う対象になるのかを明確にできず、さらに、使用上の注意に関する指摘に対しても真正面からの答弁をいただけませんでした。必要な受診を妨げないための制度上の考え方について、論点を曖昧にした答弁に終始したことは極めて不誠実であります。

我が党は、こうした足らざる部分を補うため、高額療養費制度の中核的役割、家計への影響、必要な受診への影響、患者、医療者、専門家等の意見聴取を法律上明確にすること、また、OTC類似薬の一部保険外療養を適用するに際して、代替性を厳格に判断し、必要な医療へのアクセスを守ること等を定めた修正案を提出をいたしました。

もとより、政府原案には、妊娠、出産に伴う妊婦の経済的負担軽減、国民健康保険における子供の均等割保険料軽減の拡充、後期高齢者医療制度における金融所得を反映させる見直しなど、公明党がこれまで全力で取り組んできた大切な法改正も含まれております。しかし、今申し上げたように、国会審議を通じて生命、生活、生存を脅かす可能性のある重大な高額療養費制度の見直しに対して真正面から答弁をしない姿勢は残念であり、よって、政府原案に賛成することはできません。

以上、政府原案に対して反対の理由、そして修正案に対しての賛成の理由を申し述べ、私の討論を終わります。

ありがとうございました。

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