山添拓 (日本共産党)

2026年7月22日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 49 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 62 発言)

日本共産党を代表し、国民投票法、すなわち改憲手続法改定案に反対の討論を行います。

第一に、公選法並びの改正という本法案の趣旨自体に問題があります。

本法案は、投票環境の整備については公選法並びにとの考えの下に、二〇一九年及び二二年の公選法改正でとられた措置を国民投票法にも反映させるものと説明されます。しかし、議員や首長を選ぶ公選法上の選挙と改憲の賛否を問う国民投票では、その主体も内容も全く異なります。改憲国民投票は一度行えば二度と行えなくなるかもしれないものであり、投票環境の整備の在り方はおのずから異なるものと言うべきです。直近の公選法改正をその都度国民投票法に取り込み、公選法並びでさえあればよしとするかのような改定自体が問題です。

第二に、現行法が抱える根本的な欠陥を置き去りにしていることです。

最低投票率の定めがないこと、公務員や教員の国民投票運動を不当に制限していること、資金力の多寡によって広告量が左右されることなど、二〇〇七年及び一四年の附帯決議で検討を求めた事項は脇に置かれたままです。改憲派が多数を占めることが前提となる広報協議会が改憲についての広報を行うこととなるのも、改憲をしやすくするための仕組みです。また、二一年改定法の附則四条二項で当時投票の質に関わるとされたインターネットの利用をめぐる課題などについてのまともな検討もありません。現行法の根本的な欠陥を発議者自身も自覚しながら放置し、再び公選法並びの法改正を重ねようとしています。

先週の当審査会では、与党議員を含む改憲に積極的な会派からも、広報協議会の運営や有料広告、インターネット上の情報発信など、投票結果を左右する重大な課題について議論が必要との意見が述べられました。にもかかわらず、今国会で本法案をどうしても通さなければならない理由について説明はありません。それは、国民投票法の改正により、改憲手続の整備を装い、あたかも改憲の準備が着々と進んでいるかのように演出するためであることを露呈しています。極めて不当です。

それとも、発議者は、あわよくばこの法案の下で改憲発議を行い、国民投票の公正や投票の質を担保できないままに改憲が実現できればよいとでも考えているのでしょうか。それは余りにも有権者を愚弄した姿勢と言わなければなりません。もとより、今多くの国民は改憲を政治の優先課題として求めていません。

暮らしと平和をめぐる深刻な政治の行き詰まりをよそに改憲を急ぐなど、政治の役割を何重にも履き違えています。

改憲も改憲手続法の整備も必要ないことを重ねて強調し、討論とします。

前後のやりとり

45の発言を見る

53の発言を見る