佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局長

2026年5月21日・第221回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 200 発言)

お答え申し上げます。

AIの開発などを念頭に置いておりますけれども、大量の文書を学習する場合など、個人情報が氏名や住所などの項目ごとに必ずしも整理されておりません、個人情報を抽出することが困難な場合も想定されますこと、それから、大量のデータに含まれます個々の項目が、提供先が行おうとする、そういった統計作成等との関係で提供の際に必要か否かについて判断することが困難な場合も想定されますものですから、今特例におきましては、提供に際して特定の項目を一律に削除するといった要件は設けていないわけでございます。

とはいいましても、特例を活用する事業者におきまして、データの提供時点において氏名や詳細な住所などの明らかに不要なデータが提供元によりいたずらに提供されたり、あるいは、データの提供後において不要なデータが提供先よりいたずらに保持され続けられたりする事態を防止するためのリスクに応じた対応が求められますので、御説明を続けさせていただきます。

まず、提供元でございますが、データ提供時の対応でございます。提供元に対しまして不要なデータ項目を削除すること自体を一律に法律上義務づけることは困難でありますけれども、氏名、住所等特定のデータ項目が提供先の行おうとするAI開発等のために不要であることが提供元にとっても明らかでありまして、その削除が容易である場合も想定し得ることがございます。

その場合には、提供先がAI開発等の目的で取り扱う必要がある場合というのが特例を満たすための条件でございますので、提供先において、漏えいした場合のリスクなどが高いデータを提供する場合でございますとか、行う統計作成等の内容に照らしまして氏名などが明らかに不要で容易に削除できる、そういったものをそのまま提供するということになりますと、この必要がある場合という要件を満たさないということになります。

このため、提供元が適法にデータ提供を実施する観点からは、提供時点におきましても、明らかに不要なこれらの項目においてはしっかり削除等をしてリスク対応を行うことがこの法律において求められるというふうに解せられるかと思います。詳細につきましては、ガイドラインその他で更に具体的に示したいと思います。

また、提供先におきましては、統計作成等の定義上、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるものということに限定してございますので、法案をお認めいただいた場合には、この規則におきまして、提供先に対し、不要なデータ項目を随時削除するために必要な措置を講じるよう求めていきたいというふうに思ってございます。

このため、漏えいした場合のリスク等に応じまして、必要のないデータ項目について遅滞なく削除するための適切な体制を整備、維持することなくこういった開発を行う行為は、ここで特例を設けました統計作成等に該当しないことになりますので、その違反は課徴金の対象ということにしたいと思いますし、安全管理措置に係る違反その他の適用も想定してございます。

また、医療分野でございますけれども、機微な病歴をAI開発に活用するケースにつきましては、まず、個人情報保護法は、立法当初より、ガイドラインを通じまして、一般法でございますので、解釈や判断基準を具体的に示した上で、そのガイドラインをまさに監督の基準として使っているということでございます。

あらゆる分野を対象とする一般法でございますので、そのような臨機応変な対応をしっかり措置する予定でございまして、医療分野につきましては、その趣旨に鑑み、現在も医療、介護関係事業者におけるガイドライン、ガイダンスというものがございますので、それをしっかり活用しながら対処してまいりたいと考えてございます。

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