岡本三成 (中道改革連合)

2026年6月3日・第221回国会 衆議院 本会議 第22号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 9 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 36 発言)

中道改革連合・無所属の岡本三成です。(拍手)

アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃から三か月。エネルギー価格の高騰、物価高、石油製品の供給不足が日本経済と暮らしを直撃しています。

私たち中道、立憲、公明の三党は、令和八年度当初予算の段階から緊急経済対策を求め、衆参両院で組替えや修正を提案、その後も現場を歩き、全国一万二千件を超えるお声を伺い、四月二十八日、五月二十五日と政府に具体策を提言してまいりました。

本来、政府の補正予算案提出はもっと早くあるべきでした。しかも、三兆円を超える補正予算案について、予算委員会での審議が衆参それぞれ僅か一日では全く不十分であり、熟議とは言えない国会審議の在り方に強く警鐘を鳴らしたいと思います。

その上で、今重要なのは、立場を超えて、この補正予算案をよりよいものに仕上げていくことであります。本日は、国民の切実な声と命と暮らしを守る責任感を胸に、建設的な提案をさせていただきます。

まず総理に、見直すべき政治文化についてお伺いいたします。

我が国では、予算案や法律案が修正されると、政府・与党は敗北と受け止め、野党は勝利と自慢する空気があります。しかし、国民が望むのはよりよい予算や法律で、誰の手柄かなどは関係ありません。同じ議院内閣制のドイツでは、政府案に与野党が修正を加えながら合意形成を進める慣行があります。修正は、敗北ではなく、国民の声を受け止める柔軟な政治の姿であります。

今回の補正予算案でも、与野党の立場を超え、審議を尽くし、必要な組替えを受け入れていただき、よりよいものへと仕上げていく。国会の提案を政府が受け入れることは、弱さではなく、国民に向き合う強さだと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

政府案は、重点支援地方交付金一千億円を除けば、残る三兆円は全て予備費です。特定目的の中東情勢等対応予備費とはいえ、予備費は本来、予見し難い事案に備えるものであり、財政民主主義の観点からも極めて問題があります。

私たちが各地で頂戴したお声は、二月末からの中東情勢の激変により現に今国内で発生している問題であり、暮らしと仕事を支えるために今必要とされている具体的な施策です。何に支出するか不明確な予備費として積むのではなく、個別の項目として補正予算に位置づけるべきであります。

私たちは、総額は政府案と同じ三・一兆円としつつ、予備費を国民経済を直接支える施策へと組み替える動議を提出いたします。効果的な経済対策を具体的に予算立てし、一日も早く執行していくことが重要だと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

それでは、補正予算案の中身について質問いたします。

第一に、財源です。

政府は、財源を特例公債で賄う一方、前年度分の発行を減額できるため、発行総額は増やさないと説明しています。しかし、長期金利が上昇し、為替も不安定な今、結果として総額は増えませんだけでは、市場の不安は払拭できません。仮に金利が急上昇し、円安が物価高を助長すれば、何のための補正予算だったのかということにもなりかねません。

責任ある積極財政というのであれば、行動で示すべきであります。私たちは、三・一兆円の予算を、追加の国債発行に頼らず、積み過ぎた基金の取崩しで賄うことを提案いたします。

なお、他の基金は、必要なときに現金化できる交付国債方式を広く活用すべきです。基金を現預金で抱え、金利上昇の中で利払いだけがかさむのは余りに非効率です。

今回の財源を、新たな国債発行ではなく、資産のやりくりで賄うことで、責任ある姿勢を市場へのメッセージとして示すべきだと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

第二に、電気・ガス料金支援と低所得世帯への緊急支援です。

まず、私たちが求めてきた電気・ガス料金支援について、政府が決断されたことを評価いたします。既に猛暑日もあり、この夏の暑さが懸念されます。冷房を控えることは、命の危険に直結しかねません。また、電気・ガス料金の減額は、可処分所得を増やし、家計を支える有効な手段でもあります。

一方で、基礎控除の引上げによる所得税減税の恩恵が届きにくい方々には、的を絞った現金給付も必要です。物価高の影響が重い困窮世帯や、夏休みに支出が増える子育て家庭に迅速な支援をお届けするべきであります。

総理は、必要な施策を臨機応変に講じると述べていらっしゃいますが、こうした世帯に必須の現金給付は盛り込まれ得るのか、御見解をお願いいたします。

第三に、いわゆるガソリン補助金です。

激変緩和策として機能してきたことは評価をいたしますが、一律の補助を続けることは、財政面でも、公平性の面でも、持続可能とは言えません。

地方では車が生活必需品であり、支援を必要とされる方は大勢いらっしゃいます。一方で、高級車の利用者まで同じ恩恵を受ける仕組みは見直す時期ではないでしょうか。仮に継続するのであれば、本当に支援を必要とされる個人や、地域交通、物流、農業、漁業などの事業者へ重点化していくことも考えられます。また、原油から生成されるナフサ由来製品は行き渡らず、一部では極端な値上げが見受けられることも考慮すべきであります。

ガソリン補助金の出口戦略をどのように描いておられるのか。財政規律の観点からも、避けては通れない課題です。総理の具体的なビジョンをお伺いいたします。

第四に、重点支援地方交付金です。

政府の一千億円では全く足りません。住民生活に不可欠なサービスの多くが、ナフサ由来資材の価格高騰と供給不足に直面しています。とりわけ深刻なのが医療、介護、障害福祉の現場です。注射器や医療用手袋など、製品が届きにくく、小規模事業者ほど継続に不安を募らせています。

これらは、国民の命と尊厳を支える社会基盤です。使途が曖昧な巨額予備費では、誰に届くかも分からず、安心感も生まれず、課題を解決することはできません。地域の実情を最もよく知る自治体が柔軟かつ迅速に使える財源こそ必要であります。

重点支援地方交付金を大胆に拡充し、自治体が現場支援に充てられる予算を確保していくべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。

第五に、事業継続支援です。

今、経済の最前線では、受注はしたが、資材が高騰し手に入らず、完工できないために売上げが立たないという事態が頻発しています。黒字の会社の多くが資金繰りの悪化で理不尽に倒産してしまう。これを防ぐには、必要なときに手元資金が確保できる金融支援が欠かせません。これも予備費計上だけでは解決いたしません。

セーフティーネット貸付けなどを周知徹底をし、利用増に備えて公庫等への追加出資も検討していただきたい。あわせて、民間金融機関も含め、コロナ融資のリスケ等にも柔軟に対応し、資金繰り支援に万全を期すべきだと考えますが、財務大臣の答弁を求めます。

第六に、雇用です。

受注はあるのに資材が調達できず、五月に仕事ができたのは三日間だけだったという職人さんもいらっしゃいます。コロナ禍で私たちは、雇用調整助成金の特例拡充をリードし、多くの生活者を守りました。今こそ、その経験を生かすときです。

今回の打撃は、需要が緩やかに減る不況ではなく、供給ショック型の急激なものです。そのため、平時の要件では機動的に支援はできません。

中東情勢の長期化も懸念される中、雇用と暮らしを守り抜くため、雇用調整助成金の支給要件を思い切って緩和し、助成率を引き上げるべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。

最後に、未来への投資です。

今回の補正予算を、単に現状の政策を維持するためだけの守りの予算で終わらせてはなりません。原油高、ナフサ不足というピンチをむしろチャンスへと変える。今こそ、新しい経済の姿をつくり出すときです。

石油依存から脱却し、経済の足腰を強くすることが重要です。少資源国である日本は、エネルギー安全保障上のリスクを抱えています。だからこそ、海外情勢に振り回される体質を変えていく必要があります。

その鍵が、サーキュラーエコノミー、資源を循環させる経済への転換です。廃プラスチックを再びナフサに戻すリサイクルナフサや、再生可能資源から作るバイオナフサなど、こうした技術は既に国内で動き始めています。資源を使い捨てる経済から、再利用し、新たな価値を生み出す経済へ。この転換を日本の成長戦略の柱に据えてはいかがでしょうか。

あわせて、省エネを進める好機でもあります。ロボットやAIで生産工程を無人化し、冷暖房や照明を抑えるような省エネ化投資を税制や補助金で後押しすべきです。生活者に対しても、猛暑の中、冷房を我慢していただくのではなく、省エネエアコンへの買換え支援など、省エネと家計の負担軽減を両立する前向きなインセンティブが必要です。

政府は、昨年の骨太方針で、サーキュラーエコノミーへの移行を既に掲げていらっしゃいます。日本成長戦略でも、資源・エネルギー安全保障やマテリアルを戦略分野に据えています。一時的な支援にとどまることなく、同じ危機を二度と繰り返さない基盤をつくること、それこそが政治の責任です。

政府が掲げている方向性を踏まえて、今回の補正予算を出発点として、この夏の骨太の方針、そして来年度予算へと、具体的な実行へ移していくべきだと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

総理、立法府も行政府も、与党も野党も、目指すゴールは同じ。それは国民の命と暮らしを守ることです。物価高の中で暮らす生活者、資材高と向き合いながら雇用を守る事業者、国民生活を支えるエッセンシャルワーカー、そうした一人一人のお声に政治は応えていく使命があります。

そのために、私たち国会議員は、この補正予算をよりよく仕上げる責任があります。与野党の枠を超えて知恵を出し合い、奮闘する国民の皆様の期待に応えていこうではありませんか。

我々中道改革連合は、ピンチをチャンスに変え、一人一人の幸福につながる日本の未来を開いていく。その決意を申し上げ、そして総理の勇気ある御決断を期待いたしまして、質問を終わります。

ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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