平林晃議員にお答え申し上げます。
まず、再審開始決定に対する検察官の不服申立てについてお尋ねがありました。
御指摘のように再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することは、三審制の下で確定した有罪判決について、一回限りの判断で常にやり直すこととなり、裁判の紛争解決機能が損なわれるなどの問題があり、相当でないと考えています。
これを踏まえ、本法律案においては、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って不服申立てをすることができることとしています。
その上で、不服申立てをした場合における理由の公表や、施行後五年ごとの検討などについての法整備も行うこととしており、本法律案の規定により、検察官の不服申立てについて、より慎重で抑制的な運用が確保されることとなると考えております。
次に、再審請求審におけるいわゆる証拠開示の範囲などについてお尋ねがありました。
本法律案においては、裁判所が、再審請求者等の請求により又は職権で、検察官に証拠の提出を命じる制度を設けることとしています。
この証拠の提出命令制度においては、再審請求理由に関連する証拠が対象となるところ、関連するとは、裁判所による再審請求理由についての判断に資するという意味であり、相当の広がりを持つものです。
そのため、この制度により、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えています。
なお、再審請求審は、裁判所が再審請求理由について審理、判断する手続であり、裁判所が再審請求理由との関連性を問わずに証拠の提出を命ずることができる制度は、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性に欠けると考えています。
次に、送致書類等目録の開示についてお尋ねがありました。
再審請求審は、職権主義の下、裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続であるところ、御指摘のような送致書類等目録を再審請求者側に開示させる仕組みは、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性に欠けると考えています。
他方、再審請求者側が裁判所に証拠の提出命令の請求をする際の証拠の特定は、請求に係る証拠を識別できる程度のもので足りるため、送致書類等目録がなくとも十分に可能であると考えています。
その上で、本法律案においては、裁判所による証拠やその一覧表の提示命令の制度を設けることとしており、これらも活用することで、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えています。
次に、証拠隠しを防ぐための措置についてお尋ねがありました。
本法律案において新設することとしている証拠の提出命令制度においては、裁判所は一定の要件の下で検察官に証拠の提出を命じなければならず、命令を受けた検察官は提出の義務を負うこととしています。
また、裁判所が証拠の提出命令について適切に判断することができるようにするため、裁判所による証拠やその一覧表の提示命令の制度を設けることとしています。
したがって、本法律案における証拠の提出命令制度は、検察官の恣意的な判断による証拠の不提出という事態が生じないものとなっていると考えています。
その上で、本法律案が改正法として成立した場合には、証拠の提出命令制度の適正な運用を確保するため、改正の趣旨、内容等について、関係機関への周知を徹底してまいります。
次に、証拠の目的外使用の禁止についてお尋ねがありました。
本法律案においては、再審請求審について証拠の目的外使用の禁止に関する規律を設けることとしていますが、謄写した書類の複製等を再審の手続やその準備等に使用することはもとより許される上、証拠の概要を口頭で伝達するなどの行為は禁止されません。
また、弁護人による目的外使用が罰則の対象となるのは、対価として利益を得る目的であった場合に限られます。
さらに、目的外使用の禁止に違反した場合の措置については、複製等の内容、行為の目的、態様等の個別の事情を考慮することとしています。
したがって、証拠の目的外使用の禁止により不当な事態が生ずることはないと考えています。
最後に、いわゆるスクリーニング規定についてお尋ねがありました。
再審請求の実情を踏まえると、スクリーニング規定、すなわち再審請求審における調査手続を設けて、再審請求理由についての審理を経た上で終局決定をすべき事件と、それ以外の事件を選別することとした上で、前者について、再審請求者側の手続保障をより充実させることが必要かつ合理的であると考えられます。
その上で、調査手続においては、再審請求の棄却事由を法令上の方式違反などに限定し、理由がないことが明らかな再審請求であっても、調査手続の段階ではそれを理由として再審請求を棄却することはできないこととしています。
したがって、御指摘のような真に救済が必要な事件が門前払いされるおそれはないものと考えています。(拍手)
〔西村智奈美君登壇〕
48
森英介議長
平林晃君。
〔平林晃君登壇〕
この発言のページ
49平平林晃(中道)
中道改革連合・無所属の平林晃です。
会派を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案、いわゆる再審法改正案の閣法並びに衆法第九号の両案について質問をいたします。(拍手)
冒頭、一言申し上げます。
党首討論でも、昨日の会見でも、高市総理は、ナフサの総量は足りている、目詰まりの解消に政府を挙げて取り組むとおっしゃいました。しかし、世論調査では、政府の説明に納得できないが六割を超え、現場には深刻な不安が渦巻いています。業界ごとに必要な成分のナフサが本当に届いているのか、調達価格の高騰はいつ落ち着くのか、中小零細企業の資金繰りはもつ…
この発言のページ
50
高市早苗(自民)内閣総理大臣
平林晃議員の御質問にお答えいたします。
刑事司法に対する現状認識と再審制度の改正に向けた決意についてお尋ねがございました。
近時、一部の事件において、捜査機関の活動が適正に行われていないのではないかといった厳しい指摘がなされていることは承知しております。
捜査機関の不適正な活動は、刑事司法に対する国民の皆様の信頼を揺るがすものでございますので、あってはならないことであります。
再審制度の見直しにつきましては、私自身、非常に強い思いを持って取り組んでまいりました。
本法律案は、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようなものにするために、…
この発言のページ
- (上の発言)
51
平口洋(自民)法務大臣
平林晃議員にお答え申し上げます。
まず、再審開始決定に対する検察官の不服申立てについてお尋ねがありました。
御指摘のように再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することは、三審制の下で確定した有罪判決について、一回限りの判断で常にやり直すこととなり、裁判の紛争解決機能が損なわれるなどの問題があり、相当でないと考えています。
これを踏まえ、本法律案においては、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って不服申立てをすることができることとしています。
その上で、不服申立てをした場合における理由の公表や、施行後五年ごとの検討などについての法整備も行うこととしており、本法律案の規定により、検察官の不服申立てについて、より慎重で抑制的な運用が確保されることとなると考えております。
次に、再審請求審におけるいわゆる証拠開示の範囲などについてお尋ねがありました。
本法律案においては、裁判所が、再審請求者等の請求により又は職権で、検察官に証拠の提出を命じる制度を設けることとしています。
この証拠の提出命令制度においては、再審請求理由に関連する証拠が対象となるところ、関連するとは、裁判所による再審請求理由についての判断に資するという意味であり、相当の広がりを持つものです。
そのため、この制度により、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えています。
なお、再審請求審は、裁判所が再審請求理由について審理、判断する手続であり、裁判所が再審請求理由との関連性を問わずに証拠の提出を命ずることができる制度は、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性に欠けると考えています。
次に、送致書類等目録の開示についてお尋ねがありました。
再審請求審は、職権主義の下、裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続であるところ、御指摘のような送致書類等目録を再審請求者側に開示させる仕組みは、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性に欠けると考えています。
他方、再審請求者側が裁判所に証拠の提出命令の請求をする際の証拠の特定は、請求に係る証拠を識別できる程度のもので足りるため、送致書類等目録がなくとも十分に可能であると考えています。
その上で、本法律案においては、裁判所による証拠やその一覧表の提示命令の制度を設けることとしており、これらも活用することで、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えています。
次に、証拠隠しを防ぐための措置についてお尋ねがありました。
本法律案において新設することとしている証拠の提出命令制度においては、裁判所は一定の要件の下で検察官に証拠の提出を命じなければならず、命令を受けた検察官は提出の義務を負うこととしています。
また、裁判所が証拠の提出命令について適切に判断することができるようにするため、裁判所による証拠やその一覧表の提示命令の制度を設けることとしています。
したがって、本法律案における証拠の提出命令制度は、検察官の恣意的な判断による証拠の不提出という事態が生じないものとなっていると考えています。
その上で、本法律案が改正法として成立した場合には、証拠の提出命令制度の適正な運用を確保するため、改正の趣旨、内容等について、関係機関への周知を徹底してまいります。
次に、証拠の目的外使用の禁止についてお尋ねがありました。
本法律案においては、再審請求審について証拠の目的外使用の禁止に関する規律を設けることとしていますが、謄写した書類の複製等を再審の手続やその準備等に使用することはもとより許される上、証拠の概要を口頭で伝達するなどの行為は禁止されません。
また、弁護人による目的外使用が罰則の対象となるのは、対価として利益を得る目的であった場合に限られます。
さらに、目的外使用の禁止に違反した場合の措置については、複製等の内容、行為の目的、態様等の個別の事情を考慮することとしています。
したがって、証拠の目的外使用の禁止により不当な事態が生ずることはないと考えています。
最後に、いわゆるスクリーニング規定についてお尋ねがありました。
再審請求の実情を踏まえると、スクリーニング規定、すなわち再審請求審における調査手続を設けて、再審請求理由についての審理を経た上で終局決定をすべき事件と、それ以外の事件を選別することとした上で、前者について、再審請求者側の手続保障をより充実させることが必要かつ合理的であると考えられます。
その上で、調査手続においては、再審請求の棄却事由を法令上の方式違反などに限定し、理由がないことが明らかな再審請求であっても、調査手続の段階ではそれを理由として再審請求を棄却することはできないこととしています。
したがって、御指摘のような真に救済が必要な事件が門前払いされるおそれはないものと考えています。(拍手)
〔西村智奈美君登壇〕
52
西村智奈美(中道)
平林晃議員の御質問にお答えします。
まず、議員立法の再提出に至った認識と思いについてお尋ねがありました。
令和五年三月に袴田事件の再審開始が決定されたことを受け、冤罪被害者の適切かつ迅速な救済が急務であるとの思いから、超党派による、えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟が設立され、その場において、関係者からのヒアリングや議員間での真摯な議論を積み重ね、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止し、再審請求審における証拠開示を幅広く認める内容の法律案を策定しました。
その法律案は、議員連盟の主要メンバーが所属する自民党におい…
この発言のページ
53
石井啓一副議長
金村龍那君。
〔金村龍那君登壇〕
この発言のページ
54
金村龍那(維新)
日本維新の会の金村龍那です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案、いわゆる再審法改正案について、内閣総理大臣並びに法務大臣に質問をいたします。(拍手)
我が国の刑事司法は、適正な手続の下で事案の真相を解明し、国民の基本的人権と社会の治安を守るために不断の努力を重ねてまいりました。とりわけ、確定判決に重大な誤りがあった場合に人権救済を図る再審制度は、司法の信頼性を担保する最後のとりでであります。
大正時代に現在の刑事訴訟法の基礎ができて以来、長期にわたり実務の運用に委ねられてきた再審手続について、手続の適正化…
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