角田秀穂議員の御質問にお答えいたします。
精緻な需要予測についてのお尋ねがありました。
需要に応じた生産を推進するためには、生産者が作付の計画を立てられるよう、精緻な需要見通しを策定することが重要です。
このため、従来の、需要のマイナストレンドを前提とした見通しを見直し、今般、直近の一人当たり消費量実績や、精米歩留り、インバウンド需要の動向等を考慮した上で需要見通しを算定することとしたところであります。
また、今国会に提出している食糧法の改正案では、加工、中食、外食の事業者を届出事業者に追加し、流通事業者の需要実態を幅広く把握することなどの措置を盛り込んでいるところであり、引き続き、より精緻な需要見通しの策定に努めてまいります。
次に、コストに着目したセーフティーネットの構築についてのお尋ねがありました。
米の価格については、食料システム法に基づくコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産、再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待をしています。
農業収入が減少した場合のセーフティーネット対策については、収入保険などが既に措置されており、引き続き、こうした施策を着実に推進してまいります。
今後の米の価格や生産費の動向にも注視しながら、食料システム法に基づく米のコスト指標を踏まえた価格形成の促進と併せ、まずは、収入保険などのセーフティーネット対策による農業経営の安定に努めてまいります。
次に、国内外の米需要の拡大についてのお尋ねがありました。
昨年四月に策定した食料・農業・農村基本計画においては、二〇三〇年の米の生産量を二〇二三年の七百九十一万トンから八百十八万トンに増大する目標を掲げたところです。
この目標を実現するため、消費者や中食、外食ニーズなどに対応した多様な価格帯の米の供給を支援するほか、日系に加え、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路を開拓するとともに、グルテンフリーの米粉、米加工品など付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、米の新たな需要を開拓してまいります。
あわせて、農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めていくこととしており、これらの取組を通じて、米の国内外の需要拡大を図ってまいります。
次に、新たな届出、定期報告の実効性確保、流通実態の把握の在り方についてお尋ねがありました。
届出、定期報告の実効性確保については、今般の食糧法改正案において、届出事業者に対し、適正かつ円滑な流通の確保を図る観点から、国が必要な助言又は指導をすることができる旨の規定を設け、届出、定期報告に係る罰則を厳罰化することとしています。
あわせて、事業者の届出、定期報告の負担軽減を図るため、定期報告の対象者は一定の規模以上の方に限る、そして、事業者の業種や規模に応じ報告回数や内容を変えることとしています。
また、御指摘の農家直販やECサイトを利用した取引については、これまでも届出の対象としていたところですが、今般の改正案により、出荷量などの情報を定期的に報告することを義務づけることとしており、流通実態の適切な把握により一層努めてまいります。
次に、今後の備蓄水準の考え方についてのお尋ねがありました。
備蓄米の適正水準については、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会にも諮った上で、十年に一度の不作や、通常程度の不作が二年連続した事態にも対応可能な水準として、米の基本指針において百万トン程度としています。
今後の適正水準については、百万トンを適正水準と設定した当時から人口が減少しているものの、急激な需要増や災害への対応などを考慮する必要があること、現行の水準でも相応の財政負担が生じていることなどを総合的に考慮し、引き続き、百万トンの適正備蓄水準を前提とすることが適切と考えています。
次に、供給不足の把握についてのお尋ねがありました。
今般の食糧法改正案では、米の供給不足の状況を迅速に把握し、備蓄米を適時に供給できるようにするため、一定規模以上の米の取扱業者に対し、定期的に、在庫数量、出荷数量、販売数量などを報告することを義務づけることとしています。
これらの在庫数量などの情報に加えて、全国や地域別の流通実態について流通事業者と定期的に意見交換を行うことにより、供給不足の地域や流通段階、不足の程度を適時に把握することで、供給不足が生じた場合には、消費の現場に対して、備蓄米の迅速な供給を図ってまいります。
次に、民間備蓄の売渡価格の決定方法と売渡先についてのお尋ねがありました。
民間備蓄の価格については、民間の取引環境の中で決まるものですが、民間備蓄の趣旨を踏まえれば、合理的でない価格で民間備蓄が売り渡される事態を防ぐ必要があります。
まずは、令和八年度に実施予定の民間備蓄に係る実証事業なども踏まえ、具体的な民間備蓄の売渡しの状況を把握、確認してまいります。
また、今般の改正案では、売渡先について、国が、不足している地域や業種を示して、民間備蓄事業者に対して備蓄米の放出の要請を行うことなどを条文上も明記しており、供給不足が発生した場合にも、現場での混乱が生じないよう、しっかりと対応してまいります。
次に、民間備蓄の支援についてのお尋ねがありました。
民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し、備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に規定しています。
措置の具体的な内容については、今年度実施予定の民間備蓄に係る実証事業等も踏まえた上で検討してまいります。
次に、政府備蓄米の無償交付についてのお尋ねがありました。
政府備蓄米は、食糧法上、米の供給が不足する事態に備えることを目的としていますが、食育の観点から、子供食堂、フードバンクなどへの無償交付を特例的に実施しており、こうした取組を通じて、生活困窮者にも御活用いただいているものと承知をしております。
一方で、政府備蓄米の無償交付の範囲を食育以外の目的に拡充することについては、米の供給が不足する事態に備えるという政府備蓄米の目的を踏まえると難しいと考えており、引き続き、この本来の目的が損なわれない範囲で、生活困窮者支援を行っている他省庁と連携して、適切に取り組んでまいります。(拍手)
〔国務大臣茂木敏充君登壇〕
7
鈴木憲和(自民)農林水産大臣
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
米については、令和六年八月、南海トラフ地震臨時情報等を受けた需要の急増による小売店での品薄などに起因して価格が上昇し、令和七年三月には前年の約二倍にまで価格が高騰し、供給不安も発生しました。
この価格高騰の要因及び供給不安解消のために行った政府備蓄の売渡しの対応を検証した結果、農林水産省が多様化する流通実態を的確に把握できていなかったことや、政府備蓄は売渡し手続に時間を要し、機動性に欠けていたという課題が明らかになりました。
これらの課題に対…
この発言のページ
8
森英介議長
ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。角田秀穂君。
〔角田秀穂君登壇〕
この発言のページ
9
角田秀穂(中道)
中道改革連合・無所属の角田秀穂です。
ただいま議題となりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。(拍手)
質問に入る前に、イラン情勢の影響は、ガソリン、軽油など燃料の高騰にとどまらず、海上運賃の高騰や円安による肥料、飼料、生産資材価格の高騰、供給不足により、農業にも深刻な影響が及んでいます。
生産者を守り、国民の暮らしを守るため、私たちは、現場に足を運び、一万二千件に及ぶ現場の声を受け止め、政府に対して緊急要望を行いました。物価高騰、原材料の調達難、実質賃金の低下による家計の圧迫…
この発言のページ
- (上の発言)
10
鈴木憲和(自民)農林水産大臣
角田秀穂議員の御質問にお答えいたします。
精緻な需要予測についてのお尋ねがありました。
需要に応じた生産を推進するためには、生産者が作付の計画を立てられるよう、精緻な需要見通しを策定することが重要です。
このため、従来の、需要のマイナストレンドを前提とした見通しを見直し、今般、直近の一人当たり消費量実績や、精米歩留り、インバウンド需要の動向等を考慮した上で需要見通しを算定することとしたところであります。
また、今国会に提出している食糧法の改正案では、加工、中食、外食の事業者を届出事業者に追加し、流通事業者の需要実態を幅広く把握することなどの措置を盛り込んでいるところであり、引き続き、より精緻な需要見通しの策定に努めてまいります。
次に、コストに着目したセーフティーネットの構築についてのお尋ねがありました。
米の価格については、食料システム法に基づくコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産、再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待をしています。
農業収入が減少した場合のセーフティーネット対策については、収入保険などが既に措置されており、引き続き、こうした施策を着実に推進してまいります。
今後の米の価格や生産費の動向にも注視しながら、食料システム法に基づく米のコスト指標を踏まえた価格形成の促進と併せ、まずは、収入保険などのセーフティーネット対策による農業経営の安定に努めてまいります。
次に、国内外の米需要の拡大についてのお尋ねがありました。
昨年四月に策定した食料・農業・農村基本計画においては、二〇三〇年の米の生産量を二〇二三年の七百九十一万トンから八百十八万トンに増大する目標を掲げたところです。
この目標を実現するため、消費者や中食、外食ニーズなどに対応した多様な価格帯の米の供給を支援するほか、日系に加え、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路を開拓するとともに、グルテンフリーの米粉、米加工品など付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、米の新たな需要を開拓してまいります。
あわせて、農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めていくこととしており、これらの取組を通じて、米の国内外の需要拡大を図ってまいります。
次に、新たな届出、定期報告の実効性確保、流通実態の把握の在り方についてお尋ねがありました。
届出、定期報告の実効性確保については、今般の食糧法改正案において、届出事業者に対し、適正かつ円滑な流通の確保を図る観点から、国が必要な助言又は指導をすることができる旨の規定を設け、届出、定期報告に係る罰則を厳罰化することとしています。
あわせて、事業者の届出、定期報告の負担軽減を図るため、定期報告の対象者は一定の規模以上の方に限る、そして、事業者の業種や規模に応じ報告回数や内容を変えることとしています。
また、御指摘の農家直販やECサイトを利用した取引については、これまでも届出の対象としていたところですが、今般の改正案により、出荷量などの情報を定期的に報告することを義務づけることとしており、流通実態の適切な把握により一層努めてまいります。
次に、今後の備蓄水準の考え方についてのお尋ねがありました。
備蓄米の適正水準については、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会にも諮った上で、十年に一度の不作や、通常程度の不作が二年連続した事態にも対応可能な水準として、米の基本指針において百万トン程度としています。
今後の適正水準については、百万トンを適正水準と設定した当時から人口が減少しているものの、急激な需要増や災害への対応などを考慮する必要があること、現行の水準でも相応の財政負担が生じていることなどを総合的に考慮し、引き続き、百万トンの適正備蓄水準を前提とすることが適切と考えています。
次に、供給不足の把握についてのお尋ねがありました。
今般の食糧法改正案では、米の供給不足の状況を迅速に把握し、備蓄米を適時に供給できるようにするため、一定規模以上の米の取扱業者に対し、定期的に、在庫数量、出荷数量、販売数量などを報告することを義務づけることとしています。
これらの在庫数量などの情報に加えて、全国や地域別の流通実態について流通事業者と定期的に意見交換を行うことにより、供給不足の地域や流通段階、不足の程度を適時に把握することで、供給不足が生じた場合には、消費の現場に対して、備蓄米の迅速な供給を図ってまいります。
次に、民間備蓄の売渡価格の決定方法と売渡先についてのお尋ねがありました。
民間備蓄の価格については、民間の取引環境の中で決まるものですが、民間備蓄の趣旨を踏まえれば、合理的でない価格で民間備蓄が売り渡される事態を防ぐ必要があります。
まずは、令和八年度に実施予定の民間備蓄に係る実証事業なども踏まえ、具体的な民間備蓄の売渡しの状況を把握、確認してまいります。
また、今般の改正案では、売渡先について、国が、不足している地域や業種を示して、民間備蓄事業者に対して備蓄米の放出の要請を行うことなどを条文上も明記しており、供給不足が発生した場合にも、現場での混乱が生じないよう、しっかりと対応してまいります。
次に、民間備蓄の支援についてのお尋ねがありました。
民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し、備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に規定しています。
措置の具体的な内容については、今年度実施予定の民間備蓄に係る実証事業等も踏まえた上で検討してまいります。
次に、政府備蓄米の無償交付についてのお尋ねがありました。
政府備蓄米は、食糧法上、米の供給が不足する事態に備えることを目的としていますが、食育の観点から、子供食堂、フードバンクなどへの無償交付を特例的に実施しており、こうした取組を通じて、生活困窮者にも御活用いただいているものと承知をしております。
一方で、政府備蓄米の無償交付の範囲を食育以外の目的に拡充することについては、米の供給が不足する事態に備えるという政府備蓄米の目的を踏まえると難しいと考えており、引き続き、この本来の目的が損なわれない範囲で、生活困窮者支援を行っている他省庁と連携して、適切に取り組んでまいります。(拍手)
〔国務大臣茂木敏充君登壇〕
11
茂木敏充(自民)外務大臣
角田議員から、国際農業研究協議グループ、CGIARとの連携についてお尋ねがありました。
国際的な農業研究、人材育成等を実施するCGIARとの連携は重要です。
我が国は、気候条件の厳しい国々での作物の生産性向上、栄養価を高める品種改良を始め、特に邦人研究者が主導する案件を重点的に支援してきました。
昨今の気候条件の変化により、その成果の中には、日本でも利活用できるものが出てきています。
こういった点を踏まえると、御指摘のとおり、我が国のニーズをCGIARの活動に反映することは一層重要です。CGIARとも緊密に意思疎通しつつ、資金、人材両面において、…
この発言のページ
12
森英介議長
村岡敏英君。
〔村岡敏英君登壇〕
この発言のページ
13
村岡敏英(国民)
国民民主党・無所属クラブの村岡敏英です。
ただいま議題になりました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、農林水産大臣に質問いたします。(拍手)
食糧法は、単に米や麦の流通を定める法律ではありません。国民の命と暮らしを支える主食を、必要なときに必要な量、安定して届けるための、国家の根幹に関わる法律です。また、食卓の安心だけでなく、農家の営み、地域の仕事、農地や集落の維持など、地域の暮らしと農業の土台を支える法律です。
一昨年からのいわゆる令和の米騒動では、店頭から米が消え、価格が急騰し、国民生活と国民経済に大きな不安…
この発言のページ