小野田紀美 (自由民主党)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)

2026年4月28日・第221回国会 衆議院 本会議 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 33 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 56 発言)

長谷川淳二議員からは、まず、現行法に基づく施策の成果と課題、改正案提出の考え方についてお尋ねがありました。

現行の経済安全保障推進法に基づき、これまで、十六の特定重要物資の安定供給確保のための支援、十五分野における基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、五十一の先端的な重要技術を対象とした研究開発等の伴走支援、二十五の特定技術分野における特許出願非公開による機微な発明の流出防止を実施することで、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保に向けた取組は着実に進展しております。

他方、中東情勢を始め、国際情勢の急速な変化等、我が国の経済安全保障をめぐる環境が複雑化する中、現行制度の見直しや拡充を行うべきであると考えます。具体的には、重要な物資のサプライチェーンの更なる強靱化のための取組、医療分野の基幹インフラ制度への追加による医療の安定提供の確保等が必要です。

加えて、国際情勢の激変等に伴う新たな課題に迅速かつ強力に対応していくため、経済安全保障上重要な海外事業を支援するための新たな制度、総合的な経済安全保障シンクタンク及び官民協議会の創設も不可欠です。

こうした課題を踏まえ、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を含む総合的な国力を強化しながら最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄を経済面から確保するための更なる措置を講ずるため、今般、経済安全保障推進法の改正案を提出するものであります。

次に、特定重要物資に係る制度の今後の活用についてお尋ねがありました。

現下の中東情勢に伴い、石油関連製品など、供給制約を受ける可能性が急速に顕在化した重要物資について、政府一体として安定供給確保に向けた対応を行っているところです。

その上で、厳しさを増す国際情勢を踏まえ、ある程度先を見越した物資の安定供給を確保していく観点から、関係各省と連携してスピード感を持ってサプライチェーン上のリスク点検を実施し、必要に応じて特定重要物資に指定していきます。

さらに、今般の法改正も踏まえ、物資のみならず、その供給に不可欠な役務を含め、民間事業者やその他の関係者の協力を得ながら、重要な物資の安定供給確保に取り組んでまいります。

次に、基幹インフラ制度への医療分野の追加に係る支援についてお尋ねがありました。

基幹インフラ制度への医療分野の追加に当たっては、事業者にとって過度な負担にならないよう、規制対象は真に必要な範囲に限定するとともに、事業者の負担に配慮し、十分な準備期間を設けるため、段階的に対象病院を指定することを検討しております。

また、厚生労働省において、病院のサイバーセキュリティー対策等について、既存の措置等を活用して可能な限り必要な支援を行っていくことも検討していると承知をしております。

こうした点も含め、対象事業者等の検討に当たっては、事業者等の御意見もお聞きしながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、経済安全保障上重要な海外事業の促進に関する制度を創設する意義等についてお尋ねがありました。

一般に、海外事業は国内事業に比べて事業リスクが高いことに加え、近年、国際環境が急激に変化し、国家間の産業や技術の囲い込み競争の激化に伴う政策変更等により、リスクが一層高まっております。

このため、経済安全保障上重要な事業であっても、民間企業の経営判断だけでは投資に踏み切れず、事業が実施されない場合があり得ます。

本制度は、海外事業支援の知見や実績を有する国際協力銀行が支援実施主体となって、より強力なリスクテイクを行うことで、民間資金の動員を図り、こうした海外事業を実施可能とするための仕組みを整備するものです。

具体的には、本制度においては、政府が認定した事業に対して支援を行うための新たな勘定を国際協力銀行に設けた上で、この業務から生じる損失額が資本金等の範囲内となるように運用することで、債務超過が生じないことを確保し、国際協力銀行の財政健全性に影響が生じないようにすることとしております。

その上で、本制度と日米戦略的投資イニシアティブとの関係性につきましては、本制度では、経済安全保障上重要ではあるが、採算性に不確実性があるため、本法案で盛り込んだ劣後出融資といった政策的な支援がなければ民間資金動員が図れない事業を対象としております。

これに対し、日米戦略的投資イニシアティブは、日米政府間での了解覚書上も、元利返済相当額の分配と、その後の追加的な利益配分を前提としており、採算性が確保可能なプロジェクトを念頭に置いていると承知をしております。

したがいまして、日米戦略的投資イニシアティブの下で実施されるプロジェクトに対し、本制度を活用することは想定しておりません。

最後に、総合的なシンクタンク及び官民協議会の役割についてお尋ねがありました。

議員御指摘のとおり、経済安全保障をめぐる様々な課題に対し、幅広い分野の専門知識を結集して対応することが重要となっています。

このため、総合的な経済安全保障シンクタンクを法的に位置づけ、外交、情報、防衛、経済、技術の高度な専門知識を総合的に結集し、政府の要請に即応することも含めて、定量的な調査研究や、各府省の所掌を横断したテーマの調査研究、政策提言を行わせることとしています。

また、経済安全保障においては、政府のみならず民間企業等も主要な担い手となることから、これまで以上に官民連携を強化することが重要です。

そのため、官民協議会の枠組みを創設し、構成員に国家公務員と同等の守秘義務を課すことで、情報保全を徹底しつつ、政府と民間企業等が経済安全保障に関する脅威やリスク認識等の情報を共有するなど、先ほど申し述べた経済安全保障シンクタンクも活用しながら、効果的な官民連携を一層推進することとしております。(拍手)

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