チームみらいの古川あおいです。
会派を代表し、健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
高市総理は、予算や経済政策の議論において、予見可能性という単語を繰り返し強調されています。企業が投資判断を行うために政策の先行きが見通せることが重要であるという点については、私も同意いたします。
本日、私が問いたいのは、国民にとっての医療の予見可能性です。病気になったとき自分が幾ら支払うことになるのか、世界情勢が不安定になっても医療が維持されるのか、それを見通せることは、国民の生活設計と治療の継続性にとって不可欠です。本日は、この観点から質問いたします。
まず、高額療養費制度についてお伺いします。
今回の見直しでは、本年八月に約七%、来年八月にはさらに最大約三割の引上げが行われる予定です。現在では、一年当たりの引上げ幅について基準もなく、今後も引上げが続くのか、どの程度引き上げられるのかも分からない状況です。患者の負担上限の適切な水準について、政府から具体的な方針は示されておりません。この点、WHOでは、医療費が家計支出の一定割合を超える状態を破滅的医療支出と定義しています。
本法案では、高額療養費制度の見直しに当たり、長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計に与える影響を考慮するという文言が追加されます。しかし、考慮するという言葉だけでは不十分です。今後の見直しにおいては、負担割合が破滅的医療支出の水準を超えないこと、また単年の引上げ幅を賃金上昇率の範囲にとどめることなど、具体的な数値を用いた議論を行うことを約束し、患者の予見可能性を高めていくべきではないでしょうか。
また、本法案の附則では、社会経済情勢の変化及び社会の要請に対応し、所要の措置を講ずると定めています。すなわち、社会経済情勢の変化や社会の要請の在り方次第では、所要の措置として、今後、高額療養費の自己負担限度額引下げを行うこともあり得ると理解してよろしいでしょうか。総理にお伺いします。
また、現行制度には、病気により退職した場合でも前年所得を基に負担上限が決まる仕組みなど、多くの構造的な問題が残されています。今回新たに患者負担の年間上限が導入されますが、事後精算が前提であり、年間上限に達した時点で医療費の支払いが不要になる仕組みとはなっておりません。
このような構造的な課題、特に、年間上限に達した後も患者の支払いが継続することがある点について、政府の認識、そして対応方針を厚生労働大臣にお伺いします。
次に、OTC類似薬に係る費用の一部を保険給付外とする一部保険外療養の創設についてお伺いします。
既存の選定療養は、患者が事前に説明を受けて選択した場合にのみ特別の料金が発生するものです。ところが、今回創設される一部保険外療養による負担は、医師の処方判断に伴って自動的に発生するため、患者が会計の場で初めて保険外の負担を知るという事態が起こり得ます。
この点について、患者への事前説明と同意の取得を制度上どのように担保するのか、医療機関や薬局における説明の在り方など、具体的な制度設計について、厚生労働大臣の見解を求めます。
また、今回の特別の料金は、高額療養費の算定対象外となります。患者が選んだわけではない保険外の負担が、最後のセーフティーネットである高額療養費の枠の外に置かれることになります。改正案では、配慮が必要な者への除外措置が検討されていますが、条文上は対象や措置について具体的な内容は示されておらず、患者の不安は払拭できません。
厚生労働大臣にお伺いします。配慮の対象となるのは具体的にどのような者か、今回の改正はそうした方々に対してどのような影響を与えるのか、また、そうした内容は、いつ、どのような形で決定するのか、政府の方針をお答えください。
最後に、中東情勢と医療関係物資の安定供給についてお伺いします。
患者にとっても医療現場にとっても、必要な物資が継続して手に入るかどうか見通しが持てることは、安心して治療を続けるための前提です。昨今の医療物資供給の不安に対して、総理は先日、Xで、厚労省の中東情勢関連対策ワンストップポータルを紹介されています。このように、国民の不安に対して積極的な情報発信を行っている点は評価いたします。
しかし、このポータルの役割は、一見して明らかではありません。総理の投稿には、医療関係物資の調達に不安をお感じの方は厚生労働省まで情報提供をとありましたが、こちらのポータルサイトはあくまで事業者向けであり、患者などからの問合せや情報提供は想定されていないという理解でよろしいでしょうか。もしそうであれば、広く国民に紹介をすることで想定外の問合せが集中し、必要な情報が埋もれるリスクもあるかもしれません。
この厚労省ワンストップポータルは、どのような方に使っていただくことを想定しているのか、また、ここで情報提供をするとどのような対応が取られるのか、改めてこの場で国民に向けて総理から御説明をお願いいたします。
また、原油や石油製品等について、政府の必要な量は確保されているという説明だけでは、国民も医療現場も先を見通すことはできません。医療関係物資やその原料について、代替調達ルートの確保や輸出国への働きかけなど、政府が取り得る選択肢は何か、どのような指標をモニタリングして対応を検討しているのかなど、具体的なシナリオが政府内に存在することを示していただければ、医療関係者、国民の安心につながります。
備えあれば憂いなし。今後、状況が改善しなかった場合にどのような対応を取り得るのか、医療機器及び医療物資等についての政府の備えの状況について、総理にお伺いいたします。
私は、厚生労働省の職員として、コロナ禍においてはマスクなどの物資確保に当たっておりました。今、当時と似たような状況が繰り返されようとしていることに強い懸念を覚えております。
本法案の議論を通じ、医療制度の持続可能性、医療提供体制の安定、そして患者の予見可能性の向上を政府に強く求め、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
25
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
豊田真由子議員の御質問にお答えをいたします。
社会保険料の負担軽減についてお尋ねがありました。
今般、持続可能な医療保険制度の実現に向けて、世代間や世代内での負担の公平性を確保するとともに、限られた財源及び医療資源を効率的に活用することを目的として、本法案を提出いたしました。
今般の医療保険制度改革において、例えば、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しと高額療養費制度の見直しによる最終的な保険料への影響額は、一年当たり約二千六百億円の減少となります。被保険者一人当たりでは、加入している保険者によって異なりますが、例えば、健康保険組合を例に機械的に…
この発言のページ
26
赤澤亮正(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
豊田真由子議員から、デジタル化・AI導入補助金の不正受給対策とITツール解約時の補助金返還の在り方についてお尋ねをいただきました。
不正受給対策に関しては、令和五年度の会計検査院報告を受け、経済産業省として、本事業を執行する中小企業基盤整備機構及び事務局に対して指導を行い、既に、不正受給が認められた補助事業者に対して、交付決定取消しや補助金の返還、IT導入支援事業者としての登録取消しといった厳正な処分を行いました。また、不正防止のため、IT導入支援事業者及びITツールの登録審査の厳格化等を行うとともに、ITツールの利用状況の把握のため、毎年度の効果報告…
この発言のページ
27
石井啓一副議長
古川あおい君。
〔古川あおい君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
28古古川あおい(みらい)
チームみらいの古川あおいです。
会派を代表し、健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
高市総理は、予算や経済政策の議論において、予見可能性という単語を繰り返し強調されています。企業が投資判断を行うために政策の先行きが見通せることが重要であるという点については、私も同意いたします。
本日、私が問いたいのは、国民にとっての医療の予見可能性です。病気になったとき自分が幾ら支払うことになるのか、世界情勢が不安定になっても医療が維持されるのか、それを見通せることは、国民の生活設計と治療の継続性にとって不可欠です。本日は、この観点から質問いたします。
まず、高額療養費制度についてお伺いします。
今回の見直しでは、本年八月に約七%、来年八月にはさらに最大約三割の引上げが行われる予定です。現在では、一年当たりの引上げ幅について基準もなく、今後も引上げが続くのか、どの程度引き上げられるのかも分からない状況です。患者の負担上限の適切な水準について、政府から具体的な方針は示されておりません。この点、WHOでは、医療費が家計支出の一定割合を超える状態を破滅的医療支出と定義しています。
本法案では、高額療養費制度の見直しに当たり、長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計に与える影響を考慮するという文言が追加されます。しかし、考慮するという言葉だけでは不十分です。今後の見直しにおいては、負担割合が破滅的医療支出の水準を超えないこと、また単年の引上げ幅を賃金上昇率の範囲にとどめることなど、具体的な数値を用いた議論を行うことを約束し、患者の予見可能性を高めていくべきではないでしょうか。
また、本法案の附則では、社会経済情勢の変化及び社会の要請に対応し、所要の措置を講ずると定めています。すなわち、社会経済情勢の変化や社会の要請の在り方次第では、所要の措置として、今後、高額療養費の自己負担限度額引下げを行うこともあり得ると理解してよろしいでしょうか。総理にお伺いします。
また、現行制度には、病気により退職した場合でも前年所得を基に負担上限が決まる仕組みなど、多くの構造的な問題が残されています。今回新たに患者負担の年間上限が導入されますが、事後精算が前提であり、年間上限に達した時点で医療費の支払いが不要になる仕組みとはなっておりません。
このような構造的な課題、特に、年間上限に達した後も患者の支払いが継続することがある点について、政府の認識、そして対応方針を厚生労働大臣にお伺いします。
次に、OTC類似薬に係る費用の一部を保険給付外とする一部保険外療養の創設についてお伺いします。
既存の選定療養は、患者が事前に説明を受けて選択した場合にのみ特別の料金が発生するものです。ところが、今回創設される一部保険外療養による負担は、医師の処方判断に伴って自動的に発生するため、患者が会計の場で初めて保険外の負担を知るという事態が起こり得ます。
この点について、患者への事前説明と同意の取得を制度上どのように担保するのか、医療機関や薬局における説明の在り方など、具体的な制度設計について、厚生労働大臣の見解を求めます。
また、今回の特別の料金は、高額療養費の算定対象外となります。患者が選んだわけではない保険外の負担が、最後のセーフティーネットである高額療養費の枠の外に置かれることになります。改正案では、配慮が必要な者への除外措置が検討されていますが、条文上は対象や措置について具体的な内容は示されておらず、患者の不安は払拭できません。
厚生労働大臣にお伺いします。配慮の対象となるのは具体的にどのような者か、今回の改正はそうした方々に対してどのような影響を与えるのか、また、そうした内容は、いつ、どのような形で決定するのか、政府の方針をお答えください。
最後に、中東情勢と医療関係物資の安定供給についてお伺いします。
患者にとっても医療現場にとっても、必要な物資が継続して手に入るかどうか見通しが持てることは、安心して治療を続けるための前提です。昨今の医療物資供給の不安に対して、総理は先日、Xで、厚労省の中東情勢関連対策ワンストップポータルを紹介されています。このように、国民の不安に対して積極的な情報発信を行っている点は評価いたします。
しかし、このポータルの役割は、一見して明らかではありません。総理の投稿には、医療関係物資の調達に不安をお感じの方は厚生労働省まで情報提供をとありましたが、こちらのポータルサイトはあくまで事業者向けであり、患者などからの問合せや情報提供は想定されていないという理解でよろしいでしょうか。もしそうであれば、広く国民に紹介をすることで想定外の問合せが集中し、必要な情報が埋もれるリスクもあるかもしれません。
この厚労省ワンストップポータルは、どのような方に使っていただくことを想定しているのか、また、ここで情報提供をするとどのような対応が取られるのか、改めてこの場で国民に向けて総理から御説明をお願いいたします。
また、原油や石油製品等について、政府の必要な量は確保されているという説明だけでは、国民も医療現場も先を見通すことはできません。医療関係物資やその原料について、代替調達ルートの確保や輸出国への働きかけなど、政府が取り得る選択肢は何か、どのような指標をモニタリングして対応を検討しているのかなど、具体的なシナリオが政府内に存在することを示していただければ、医療関係者、国民の安心につながります。
備えあれば憂いなし。今後、状況が改善しなかった場合にどのような対応を取り得るのか、医療機器及び医療物資等についての政府の備えの状況について、総理にお伺いいたします。
私は、厚生労働省の職員として、コロナ禍においてはマスクなどの物資確保に当たっておりました。今、当時と似たような状況が繰り返されようとしていることに強い懸念を覚えております。
本法案の議論を通じ、医療制度の持続可能性、医療提供体制の安定、そして患者の予見可能性の向上を政府に強く求め、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
29
高市早苗(自民)内閣総理大臣
古川あおい議員の御質問にお答えいたします。
高額療養費制度の見直しについてお尋ねがありました。
今回の見直しでは、専門委員会で、国民の皆様の予見可能性を高める観点から、家計への影響を分析するため、延べ二十を超える様々な事例や、家計調査を用いた家計の収支状況に関する資料などをお示しした上で議論を行い、一人当たりの医療費の伸びを踏まえた上限額の見直しや所得区分の細分化などを行うこととしており、今後、見直しを行うに当たりましても、同様の取組を進めてまいります。
また、本法案の附則では、社会経済情勢の変化などに対応し、更なる改革について検討するとされており…
この発言のページ
30
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
古川あおい議員の御質問にお答えをいたします。
高額療養費の年間上限についてお尋ねがありました。
今回新たに創設する年間上限は、現物給付化するためのシステム整備を待つのではなく、まずは償還払いであっても早急に実現を図ることが専門委員会の議論の到達点となっており、本年八月から開始することが患者の皆様の意向にも沿うものと考えています。
その上で、患者の皆様の御負担を軽減するためにも、できる限り早い段階で現物給付化することは重要だと考えており、システム面や実務面での課題について、保険者を始めとした関係者と丁寧に議論を重ねてまいります。
OTC類似薬の保険…
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31
石井啓一副議長
これにて質疑は終了いたしました。
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