鴨志田祐美弁護士(日本弁護士連合会再審法改正推進室長)

2026年5月29日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 55 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 281 発言)

ありがとうございます。お答えします。

私も弁護士でございまして、被害者参加の代理人をした経験も、また性犯罪の被害者側の代理人をやったことももちろんあります、複数あります。そのような中で、被害者の名誉やプライバシーの保護の必要性があるということは、本当に身にしみて私自身が実感するところではあるのです。

ただ、何が問題かというと、それを理由として一律に目的外使用というものを禁止してしまう、目的外が何なのかということも、どうもおとといの答弁を聞いていると曖昧かもしれないというふうに、非常に危惧しています。供述調書を、要旨であれば当たらない、全部を朗読すれば当たる可能性があるというようなやり取りもされていたように思います。

また、袴田さんの事件では、御承知のとおり、五点の衣類のカラー写真が、一年二か月みそに漬かっていたとは到底思えない非常にビビッドな色だったということから、支援者さんが弁護士と一緒に実験を始めて、その色調が全く違うということが再審開始、無罪に大きく動いた原動力になりました。

おとといの答弁の中で、支援者さんに提供して一緒にその実験をやるということは目的の範囲内であるという答弁があったかと思うのですけれども、一方で、開示された証拠のコピーそのものをマスコミに提供すると、これは目的外使用禁止になるのだという答弁もまた別途あったように思います。

そうだとすると、実験をしました、その実験結果がこういう色になりましたという、茶色くなっていたり黒くなっていたりするものと元々の開示されたカラー写真の色がこれだけ違うんですという形でマスコミに公表しなければ、この実験の本当の価値は伝わらないと思うんですね。こういう色というようなものを、じゃ、どうやって口で、口頭で概要を説明することができるんでしょうか。それは全くインパクトが違ってくるというふうに思います。

ですので、私は、やはり名誉、プライバシー保護のためには、他の法律で、閲覧、謄写の制限とか一部禁止といったようなものは例えば少年審判規則等にもありますので、立法技術でそういったところを取り入れながら、一方で、目的外は全部禁止という包括的な要件ではなくて、どのような場合がこの禁止に当たるのかということをきちんと限定列挙するという形で、例えば営利目的とか、まさにわいせつ目的とかいうようなところが列挙されているという形であれば、両方の要請を満たすということができるのではないかと考えております。

以上です。

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