阿部先生、御質問ありがとうございます。
今回の遺言改正につきましては、これまで自筆証書遺言が担ってきた真正性や真意性の確保をデジタル社会でどのように確保するかが課題であったと承知をしておりまして、遺言書保管官の確認、そして全文口述、適切な保管などを通じた真意性の補強というデジタル社会での課題を受け止めたものと理解をしています。
平成二十九年度に法務省が実施した我が国における自筆証書による遺言に係る遺言書の作成・保管等に関するニーズ調査・分析業務では、年代によってぶれはあるものの、自筆証書遺言、公正証書遺言作成の経験に関して、全体として見ると、自筆証書遺言を作成したことがある方が三・七%、公正証書遺言を作成したことがあるという方が三・一%でありました。
これが、令和五年の十一月のアンケートによりますと、自筆証書遺言を作成したことがある方が八・五%、公正証書遺言を作成したことがあるという方が二・七%であったというふうに承知をしています。
数値に幅はあるものの、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成件数に関して、同数程度、あるいは自筆証書遺言の方が作成割合が高い傾向にある。今般の保管証書遺言は、遺言書保管官の前で全文口述という要件はあるものの、手軽に作成することができるため、そのニーズというのは非常にあるのではないかというふうに考えております。
また、所有者不明土地問題の抑止及び解消に当たって相続登記の申請の義務化がされましたが、相続登記の申請の際に重要となるのが遺言書の存在であり、自筆証書遺言は、気軽に作成することができる一方、形式上の不備を原因とした遺言無効や発見可能性の低下が課題として考えられるところでありまして、法務省の調査では、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成について、大差ない数、あるいは自筆証書遺言の方が上回っている結果につながっているにもかかわらず、自筆証書遺言の検認件数は公正証書遺言作成件数より下回っているということで、推測の域は出ないものの、せっかく作成した自筆証書遺言が相続人において発見されず、執行手続に活用することができなかった事案も一定程度あるものというふうに考えています。
そこで、今般の保管証書遺言は、遺言書保管官による形式不備に係るチェックがあり、また法務局で保管されることとなるため、無効になるリスクや発見可能性の低下は避けることができるということになります。結果、遺言者の最終意思を実現することが可能となり、ひいては所有者不明土地問題の解消にも資するものと考えております。
128
阿部弘樹(自民)
ありがとうございます。
その点が、後見人という名前が変わった、でも、成年後見なんですね。そこもちょっと私は非常に気になるところでございます。
私は、今、精神科の領域で医者もまだ続けております。そうすると、心の病の方々がたくさん入院しておりまして、そういう方々は精神障害者ということになってくるわけです。そうしますと、老人になったから、認知症になったから弁識能力が欠落しているわけじゃないですね。その病気のためになっている。でも、後見人を選任しないんですよ。
つまり、ほとんどの方々が財産がない。財産がないのに、後見人を頼めば後見人にお金を払わなきゃいけな…
この発言のページ
129根根本雄司日本弁護士連合会日弁連高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチーム座長/弁護士
お答えいたします。
まず一点目についてなのですが、先生御指摘のとおり、もちろん御家族の中で何か契約書等を交わすことがないというのは先生御指摘のとおりかと思います。
他方で、一般論として申し上げますと、民法は、先生御承知のように、個別の財産制というのを取っておるという関係もありますので、一部の相続人の方が御本人の財産を使い込んでおられるというような場合には、御本人の権利擁護の観点から、その取戻しへ向けて、その当該御親族と任意協議などを通じて返還を求めるということは、これは現行制度においても改正後においてもあり得るところだと思っております。訴訟提起まで至…
この発言のページ
130
阿部弘樹(自民)
いずれにしても、私は任意後見制度というのが非常に重要だと思っております。海外でもそれが主流でございますから。元気なうちに遺言をする、元気なうちに任意後見契約、監督人も指名する、そして財産、資産を扱う人を指名しておくということが大切だと思っております。
今度の遺言制度、非常にいいものができようとしておりますが、小澤参考人、その意義についてお願いします。
この発言のページ
- (上の発言)
131小小澤吉徳日本司法書士会連合会会長
阿部先生、御質問ありがとうございます。
今回の遺言改正につきましては、これまで自筆証書遺言が担ってきた真正性や真意性の確保をデジタル社会でどのように確保するかが課題であったと承知をしておりまして、遺言書保管官の確認、そして全文口述、適切な保管などを通じた真意性の補強というデジタル社会での課題を受け止めたものと理解をしています。
平成二十九年度に法務省が実施した我が国における自筆証書による遺言に係る遺言書の作成・保管等に関するニーズ調査・分析業務では、年代によってぶれはあるものの、自筆証書遺言、公正証書遺言作成の経験に関して、全体として見ると、自筆証書遺言を作成したことがある方が三・七%、公正証書遺言を作成したことがあるという方が三・一%でありました。
これが、令和五年の十一月のアンケートによりますと、自筆証書遺言を作成したことがある方が八・五%、公正証書遺言を作成したことがあるという方が二・七%であったというふうに承知をしています。
数値に幅はあるものの、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成件数に関して、同数程度、あるいは自筆証書遺言の方が作成割合が高い傾向にある。今般の保管証書遺言は、遺言書保管官の前で全文口述という要件はあるものの、手軽に作成することができるため、そのニーズというのは非常にあるのではないかというふうに考えております。
また、所有者不明土地問題の抑止及び解消に当たって相続登記の申請の義務化がされましたが、相続登記の申請の際に重要となるのが遺言書の存在であり、自筆証書遺言は、気軽に作成することができる一方、形式上の不備を原因とした遺言無効や発見可能性の低下が課題として考えられるところでありまして、法務省の調査では、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成について、大差ない数、あるいは自筆証書遺言の方が上回っている結果につながっているにもかかわらず、自筆証書遺言の検認件数は公正証書遺言作成件数より下回っているということで、推測の域は出ないものの、せっかく作成した自筆証書遺言が相続人において発見されず、執行手続に活用することができなかった事案も一定程度あるものというふうに考えています。
そこで、今般の保管証書遺言は、遺言書保管官による形式不備に係るチェックがあり、また法務局で保管されることとなるため、無効になるリスクや発見可能性の低下は避けることができるということになります。結果、遺言者の最終意思を実現することが可能となり、ひいては所有者不明土地問題の解消にも資するものと考えております。
132
阿部弘樹(自民)
ありがとうございました。
時間ですので、これで終わります。
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133井井上英孝(維新)
次に、有田芳生君。
この発言のページ
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有田芳生(中道)
有田芳生です。
今日は、御三人の方、ありがとうございます。
それぞれお聞きをしていきたいんですけれども、まず、小澤参考人には全体的な評価についてお聞きをして、その後に、根本参考人からはいわゆる連れ去り問題と関わって後見人がどのように関わっているのかについてお聞きをして、最後に、山野目参考人からは利用が終わるための制度について少し詳しくお聞きをしたいと思います。
最初、小澤参考人の全体的な評価の中で、画期的だという表現をされておりました。ところが、例えば後見制度と家族の会という組織は、利用者のためには改悪だという厳しい評価をされていて、後見は悪くなる…
この発言のページ