根本雄司日本弁護士連合会日弁連高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチーム座長/弁護士

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 129 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

お答えいたします。

まず一点目についてなのですが、先生御指摘のとおり、もちろん御家族の中で何か契約書等を交わすことがないというのは先生御指摘のとおりかと思います。

他方で、一般論として申し上げますと、民法は、先生御承知のように、個別の財産制というのを取っておるという関係もありますので、一部の相続人の方が御本人の財産を使い込んでおられるというような場合には、御本人の権利擁護の観点から、その取戻しへ向けて、その当該御親族と任意協議などを通じて返還を求めるということは、これは現行制度においても改正後においてもあり得るところだと思っております。訴訟提起まで至るということは多くないかもしれませんけれども、任意協議などの経過を経るということはあろうかと思います。

これらは、後見人は本人の財産管理との関係で善管注意義務を負っているということがございますので、返還を求めないということで逆に別居の別の親族から後見人の善管注意義務違反に基づく損害賠償請求を受けるリスクを有しているというようなことが影響しているというふうにも考えられます。

後見人は、親族間紛争において、本人、同居親族、別居親族の三者の関係性調整に追われることもございまして、ここで重要になってきますのは、同居の親族と別居親族の対応について中立的に接する、そういう必要があるんだろうというふうに考えています。

いずれにしましても、後見人は中立的でありながら柔軟な対応を行う必要があるという立場になりますので、そのような対応を専門職としては心がけていく必要があるのではないかというふうに考えております。

また、二点目の任意後見についてですが、先ほど小澤会長や山野目先生からも御指摘があったところでありますけれども、今回の任意後見契約の法律に関する改正において、監督人は必至ではなくなるということ、それから監督人の人選の希望をお伺いできる、また補助と任意後見が併存できる、それから代理権目録の変更について変更契約で可能にする、不開始の合意と審判障害事由によっていわゆる予備的受任者というのを定めることができるというような改正を行っておりますので、本人の意思決定支援ですとか、若しくは本人の意思尊重という観点からも、任意後見契約はお元気なときに結んでいただくものになりますので、選任の、そういった先生方からの御指摘の観点からも、活用が広がるということが必要であるというふうに考えております。

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