阿部弘樹 (自由民主党)

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 126 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

参考人の先生方、本当にありがとうございます。自由民主党の衆議院議員、阿部弘樹でございます。

まず、国連の障害者の権利に関する委員会、この勧告を参考にしていただいたというのは、非常に私はありがたいと思っております。

この障害者委員会は、政府を代表する方々が議論をする委員会ではありませんし、また、ともすれば、活動を中心とする方々が意見を述べる、一方的に述べる場でもあるわけでございます。

かつては、デンマークのミケルセンがノーマライゼーションを提唱した。それは、知的障害の子供が非常に差別的な扱いを受ける、そういうのではいけないということで、戦後間もなくそういう考え方を提唱されまして、そして今や世界中にノーマライゼーションの思想が広がっていったということで、障害者がそうでない健常者の方々と同等に暮らしていける社会を実現する、その一環だと私も思っておるところでございます。

一方で、この委員会は、成年後見制度について、理事弁識能力が欠けるというだけで全ての権限を奪い去り、自己決定権を取り去るということで、廃止の勧告をしております。

私は、廃止というのは非常に極端な言い方だと思いますが、しかし、理事弁識能力が欠けるだけでいろいろなことができないというのは、私は、いささか、平成十一年のこの新しい制度ができるときの厚生労働省の担当でもありましたが、このようになるとは思いも寄らなかったと思っております。

あるNHKの番組では、お彼岸になると、認知症の旦那さん、夫が、おはぎを食べたい、お墓参りに行きたいんだと。それで、後見人の人に聞いたら、駄目ですよと。お金は守らなきゃいけない、大切に使わなきゃいけない。おはぎも食べられない、そしてお墓参りにも行けない、そんな制度があること自体が私はおかしいと思っております。

そもそも、理事弁識能力が欠けるだけで、私は精神科医でもありますけれども、どういう検査をするかというと、例えば長谷川式というのが一番ポピュラーなんですが、自動車の絵を見せて、時計の絵を見せて、リンゴの絵を見せて、それを隠して、どんなものが出ましたかと、それをお答えするんです。あるいは、百から七を引く。計算間違いをすると点数が下がる。この委員の先生方も、百から七を引くと九十三とすぐ今なら分かるかもしれませんが、そのうち分からなくなってくると理事弁識能力の疑いが出てくるわけでございまして、それは人として能力の一つであるというふうに私は思っております。

そして、ましてや、原因は、皆さん認知症と一言に言われますが、認知症だけではないですね。例えばパーキンソン病なんかでも、非常に認知能力が低下してまいります。パーキンソン病は、今や、iPS細胞で、細胞を脳に移植することで劇的に回復するわけでございます。あるいは、うつ病の非常に進行したときでも、同じように、陰性症状が強くなると理事弁識機能が非常に落ちてきます。そうすると、今や、電子レンジの電磁波を頭に当てることで、それが画期的に、一部ですが、回復してくることがある。科学の進歩は、実は認知機能を回復させるのに大いに役立つことが分かってきている。

その点では、今回の法改正というのは、後見、保佐人を外すことができるということではいいことだと思っています。ましてや、補助人という名称だけ残ったということは、後見人だと全ての代理権をその人に与える印象が強いんですが、補助人だと、残された機能だけを補助するということで、私は非常にいいと思っています。

最初に、フランス民法の大家であります山野目先生にお伺いいたします。

日本の刑法、民法は、ボアソナード先生がお抱え学者として日本に導入されました。私も何度か質問したこともありますが、「エミール」などのルソーの影響を非常に受けた民法だと思っております。

先生は、三つの「でも」、無断でも後見人になれば財産処分もできる、何でもできるんだ、そして、いつまでもできるんだと。そのことについて、今回の法制審の議論はいかがだったでしょうか。先生、お願いします。

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