資本金の中でのという話でありますけれども、現在でも焦げつきの分、危険債権が三千三百億、そして要管理債権が二千億近くということで、もう五千億円以上の焦げつき予備軍があるというふうな状況の中で、これから更にリスクを取っていくというのは、非常に国民に対してまだまだ説明が足りないと思っております。
次に、劣後出資案件の選定プロセスと政官業の癒着、いわゆるワシントン発の案件への巻き込みのリスクについて伺いたいと思います。
劣後出資は、特定の大企業や業界、あるいは政治案件の受皿として使われやすい性格を持っていると思います。経済安全保障上重要というラベルが一度貼られれば反対しにくくなり、採算性やリスクに疑問が残る案件でも、政治的圧力によって通ってしまう危険があると思っています。また、米国や国際機関からの要請が加われば、同盟国として協力すべき、G7としての責任があるという大義名分の下で、JBICが最も深いリスクを引き受ける役割を押しつけられる可能性も否定できません。
私がとりわけ懸念するのは、こうした政治的、外圧的な案件選定が透明性のないまま進んでいく構図です。重要という認定プロセスそのものが、官僚、業界、政治の三者による密室的な協議で決まるなら、国民の監視が届かないまま、巨額の公的なリスクが積み上がっていくことになります。劣後出資という損失を最初にかぶる特殊なポジションであるならばなおさら、第三者による厳格な審査と情報公開が不可欠であると思います。
ここで、対米八十兆円投資と今回の法改正との関係も確認しておきたいと思います。
二〇二五年七月の日米関税交渉で、日本は、高関税の引下げと引換えに、総額五千五百億ドル、約八十兆円規模の対米投資を約束したと報じられています。この枠組みでは、JBICや日本貿易保険、民間金融機関が資金の担い手として位置づけられています。
ところが、その後、アメリカの連邦最高裁判所は、この相互関税を含むトランプ政権の関税措置について、国際緊急経済権限法の使い方が違法であるとして無効の判断を下しました。つまり、日本が関税引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資は、その前提となる高関税措置自体が米国内で違法とされているにもかかわらず、日本側だけが投資約束の履行を続けていこうとする構図です。その中で、JBICは、対米投資の第一弾案件において、メガバンクと協調して数千億円規模の融資を決定し、旗振り役になっています。
約束の前提が崩れた以上、その約束を日本が一方的に履行し続ける義務は本来存在しないはずです。もし、それでも履行し続けるのであれば、それは外交的主体性の欠如であり、日本国民の資産と公的機関の信用を他国の利益のために差し出すほかありません。私は、この点をしっかりと問いたいと思います。
ここで、お聞きをします。
認定特定海外事業の選定が特定企業、業界、政治案件に偏らないよう、審査、選定にどのようなガバナンスと透明性、第三者チェック、利益相反排除の仕組みを設けるのか、小野田大臣の所見をお聞きします。
あわせて、違法と判断された、相互関税の引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資について、その前提が崩されているにもかかわらず履行を続けるべきなのか。今回の認定特定海外事業、劣後出資の枠組みが、実質的に対米八十兆円の投資のためにJBICが最も深いリスクを引き受ける制度として使われることはないのか。日本の国益より、トランプ関税をてことした米国側のディールが優先されているとの批判をどのように受け止めているのか。こちらは、参考人の見解を伺いたいと思います。
327渡渡邉和紀財務省大臣官房参事官
お答えいたします。
海外事業というのは元々リスクが高く、近年は、国際環境の変化、産業競争の激化により、そのリスクは一層高まっていると認識しております。このため、経済安全保障上重要な事業であっても、民間の判断のみでは投資が進まないケースが生じています。
今般創設いたします新制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援するものというものでございます。
そのため、委員御指摘のように、償還確実性や収支相償の原則の対象外となる新たな勘定を設けまして、一層強力な…
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328
川裕一郎(参政)
安全保障の観点からJBICがリスクを取っていく、これまでもそうだったと思うんですけれども、更に深い傷を負う可能性が多いのではないかというふうに危惧をしております。
次に、認定特定海外事業と原則以外の問題、そして、JBICが既に体験をしている融資の焦げつきの現状についてお伺いをします。
本法案は、認定特定海外事業に対する出資などについて、従来のJBICに課されていた償還確実性、収支相償の原則を適用しない特例を設け、より大きなリスクを取れるようにするものです。ここに、今回の法案の最大のポイントがあります。
一方で、JBICはロシア関連案件で大きな損失引…
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329渡渡邉和紀財務省大臣官房参事官
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回の新たな支援ツールというのは、償還確実性ですとか収支相償の原則を外して、JBICがより多くのリスクを取れるようにするものでございます。
そういったことも踏まえまして、この新勘定に係るリスク管理の仕組みにつきましては、この業務から生じる損失額が資本金の範囲内となるように運用することで、債務超過が生じないようにする状況を確保することとしております。これによりまして、JBICの財務の健全性に影響が生じないよう業務が実施可能であると考えてございます。
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- (上の発言)
330
川裕一郎(参政)
資本金の中でのという話でありますけれども、現在でも焦げつきの分、危険債権が三千三百億、そして要管理債権が二千億近くということで、もう五千億円以上の焦げつき予備軍があるというふうな状況の中で、これから更にリスクを取っていくというのは、非常に国民に対してまだまだ説明が足りないと思っております。
次に、劣後出資案件の選定プロセスと政官業の癒着、いわゆるワシントン発の案件への巻き込みのリスクについて伺いたいと思います。
劣後出資は、特定の大企業や業界、あるいは政治案件の受皿として使われやすい性格を持っていると思います。経済安全保障上重要というラベルが一度貼られれば反対しにくくなり、採算性やリスクに疑問が残る案件でも、政治的圧力によって通ってしまう危険があると思っています。また、米国や国際機関からの要請が加われば、同盟国として協力すべき、G7としての責任があるという大義名分の下で、JBICが最も深いリスクを引き受ける役割を押しつけられる可能性も否定できません。
私がとりわけ懸念するのは、こうした政治的、外圧的な案件選定が透明性のないまま進んでいく構図です。重要という認定プロセスそのものが、官僚、業界、政治の三者による密室的な協議で決まるなら、国民の監視が届かないまま、巨額の公的なリスクが積み上がっていくことになります。劣後出資という損失を最初にかぶる特殊なポジションであるならばなおさら、第三者による厳格な審査と情報公開が不可欠であると思います。
ここで、対米八十兆円投資と今回の法改正との関係も確認しておきたいと思います。
二〇二五年七月の日米関税交渉で、日本は、高関税の引下げと引換えに、総額五千五百億ドル、約八十兆円規模の対米投資を約束したと報じられています。この枠組みでは、JBICや日本貿易保険、民間金融機関が資金の担い手として位置づけられています。
ところが、その後、アメリカの連邦最高裁判所は、この相互関税を含むトランプ政権の関税措置について、国際緊急経済権限法の使い方が違法であるとして無効の判断を下しました。つまり、日本が関税引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資は、その前提となる高関税措置自体が米国内で違法とされているにもかかわらず、日本側だけが投資約束の履行を続けていこうとする構図です。その中で、JBICは、対米投資の第一弾案件において、メガバンクと協調して数千億円規模の融資を決定し、旗振り役になっています。
約束の前提が崩れた以上、その約束を日本が一方的に履行し続ける義務は本来存在しないはずです。もし、それでも履行し続けるのであれば、それは外交的主体性の欠如であり、日本国民の資産と公的機関の信用を他国の利益のために差し出すほかありません。私は、この点をしっかりと問いたいと思います。
ここで、お聞きをします。
認定特定海外事業の選定が特定企業、業界、政治案件に偏らないよう、審査、選定にどのようなガバナンスと透明性、第三者チェック、利益相反排除の仕組みを設けるのか、小野田大臣の所見をお聞きします。
あわせて、違法と判断された、相互関税の引下げと引換えに約束させられた対米八十兆円投資について、その前提が崩されているにもかかわらず履行を続けるべきなのか。今回の認定特定海外事業、劣後出資の枠組みが、実質的に対米八十兆円の投資のためにJBICが最も深いリスクを引き受ける制度として使われることはないのか。日本の国益より、トランプ関税をてことした米国側のディールが優先されているとの批判をどのように受け止めているのか。こちらは、参考人の見解を伺いたいと思います。
331
小野田紀美(自民)内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)
本制度は、事業者からの計画の申請を受けて、主務大臣が支援対象事業の認定を行うこととしているものでございます。その際に、事業者から提供される情報のみで判断を行うのではなく、主務大臣はJBICに対して情報提供を求めることができるとしており、JBICから提供された事業の実現可能性や収益性の評価に関する情報も活用しつつ、支援対象事業の選定を行うこととしています。
加えて、主務大臣が支援対象事業の選定を行う際の基準については、経済安保法第八十五条の三第四項に対象事業の認定基準を明記しているほか、同法第八十五条の二において、基本指針を策定して、認定に関する基本的な…
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332渡渡邉和紀財務省大臣官房参事官
今般の制度は、海外事業のうち、我が国の経済安全保障上重要であるものの、採算性に不確実性があるため、本法律案に盛り込みました劣後出融資といった追加的な政策手段がなければ民間の資金が動員が図れないような事業を対象とするものでございます。
これに対しまして、日米戦略的投資イニシアチブは、了解覚書上も、元利返済相当額の分配とその後の追加的な利益配分を前提としておりまして、採算性が確保可能なプロジェクトを念頭に置いたものでございます。したがいまして、日米戦略的投資イニシアチブの下で実施されるプロジェクトに対し、今般の制度を活用することは想定しておりません。
そ…
この発言のページ
333
川裕一郎(参政)
政府の参考人に、ちょっと再質問したいんですけれども。
これは報道ベースでありますけれども、トランプ大統領から、日本側が行った対米の八十兆円の投資について、利益の九割はアメリカが取るというふうにインターネットで御本人が書き込まれて、そして、それがまた日本国内でのニュースでも回っていました。
それが本当かどうかは分かりませんが、本当にそれが現実であれば、なかなか、日本国にとっては非常に厳しい条件であったと思いますし、関税交渉との引換えに大きな痛手を負ってしまったのではないかというふうに危惧をしております。今回の劣後出資の件に関しても、なかなか投資される方…
この発言のページ