牧野俊一 (参政党)

2026年5月29日・第221回国会 衆議院 経済産業委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 100 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 139 発言)

ありがとうございます。

実際、学会で発表されている先生方のお話を聞きましても、特に、一番実用化が結構近い分野では、リキッドバイオプシー、医療の検査分野を、物すごく早期にがんとか認知症の兆候をつかんで、実際に病気が発症する前にそこに手を打てるような対策を考えていくとか、そういったことも、今後、量子センシングの技術を活用してできるようになる可能性が十分にあると伺っていますので、しっかりとそこを支援していっていただきたいと思います。

あわせまして、創薬といった観点から、量子コンピューターをそこにいかに応用していくかという視点でちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、量子コンピューター、この間、産総研で見させていただきましたが、あの技術自体は、実際の細胞の中で起こる様々な化学反応というのが量子力学の理論に沿って実際に反応が生じている、その反応が、まさに起きている、量子力学に沿って生じる原子レベルの化学反応を、従来型のコンピューターのプログラミング言語に翻訳することなく、量子的文脈のまま同時多発的にシミュレーションすることができるというので、非常に技術的に向いているというふうに理解しております。

現在も、従来型のスパコンの中で、複数の高分子の中で生じる化学反応のシミュレーションみたいなものも発達はしてきていまして、新しい創薬に使われてはいるんですけれども、とはいえ、お配りした資料の二枚目を御覧いただきたいんですが、こちらは野村証券が作った、最近の、創薬百年史と近未来という資料の中の抜粋なんですけれども、左側の図の右上、グレーで囲っているところの従来の創薬標的というところに、様々な、高血圧とか心不全、糖尿病等々書いていますけれども、こういった、昔ながらの薬が十分に使える領域というのは、かなり創薬の開発というのがやり尽くされた、一〇〇%やり尽くされたかといったら、そんなことはないと思いますが、かなり従来型の開発で相当ここの部分に対するニーズというのは満たされつつあって。

逆に、いわゆるアンメット・メディカル・ニーズと言われる、希少疾患であるとか、あるいは難病で治療法がまだ見つかっていない領域であるとか、がんの中でも非常に治療が難しい膵臓がんとか、そして、さっきも話題にしましたアルツハイマー病とか、こういった部分に対する創薬の方にシフトしていって、難易度が比較的に上がっていっていると。それに応じて、右側のグラフにありますとおり、新薬開発における、これはアメリカの例ですけれども、どんどん開発コストは上昇傾向にあるというふうな状況です。

実際に日本の方の統計でも、医薬産業政策研究所というところが出している資料に基づきますと、新薬一剤を上市するのに必要な開発コストが大体千四百億円ほどかかる、一剤当たり。これも、そのモダリティーが小分子なのか、あるいはたんぱく医薬みたいな中分子なのか、あるいは最近出てきている細胞医薬みたいなそういう新しいモダリティーなのかによって、また開発のリードタイムと必要コストはそれぞれ変わってきますけれども。

今度は資料の三枚目になりますが、資料の三枚目にございますとおり、近年、そういった新しいモダリティーを使った細胞医薬、遺伝子治療、こういった部分が徐々に売上高の構成比として増えてきていまして、直近、二四年では約三割に新世代のモダリティーが当たっていると。中でも、特に抗体医薬とか、ペプチド医薬、そういったものが新たに出てきているという状況です。

大体、この研究開発には、およそリードタイムとして十二年から十六年ほどかかる、うち約半分が前臨床研究という段階に該当しまして、それぞれの成功率ですけれども、今度、済みません、戻って資料の一枚目ですが、これはモダリティー別の成功確率というのが出ています。特に抗体医薬というのは、この抗体がこの仕事をしているということが分かれば、その抗体を製剤化すれば使えるということで、比較的ここに関しては成功率が高いんですけれども、特に真ん中の、下の黒い棒グラフが〇・〇八となっているところより右側、セルセラピー、ジーンセラピー、それからジーンモディファイドセルセラピーとか、そして最後、オンコライティックバイラスと書いてあって、こういう新世代の細胞医薬、私が所属していた鹿児島のラボでも、腫瘍溶解性ウイルス、このオンコリティックバイラスというものを作っているラボでございますが、なかなかそういったものに関しては成功率も非常に低くなってしまう。

実際に、うちのラボでも、こういうふうな遺伝子の設計をしてウイルスに組み込んだら、きっとこう動いてくれるだろうと思って設計をしても、ユニットを並べる順番が、Aが先でBが後というのを逆にするだけで全然機能が変わってしまったりとか、とにかく作って試さないと分からない、しかもそれに何年もかかるということで、非常に労力がかかる。

そのプロセスが研究者としては楽しいところでもあるんですけれども、どうしてもコストと労力がかかってしまうということで、ここを量子コンピューターの力を使って、いずれもし、多分子の中で、今のスパコンで動いているシミュレーションじゃなくて、細胞一個丸ごとですね、これをフルに量子コンピューターの中でシミュレーションできるというふうな技術が開発されれば、こういう遺伝子配列でウイルスを作って入れるとこういう動きをするというのがあっという間にシミュレートできる。しかも、超低コストで物すごく早くですね。

これができると、開発リードタイムとコストはめちゃくちゃ削減できるということで、多分、本当に細胞一個丸ごと、何億分子もその中に入っていますけれども、それをシミュレートできるような、そういう次世代の量子細胞シミュレーターみたいなものを最初に開発できた国が次の世代の医療、創薬分野の覇権を握れるというぐらいな、それぐらいの技術だというふうに思っていますし、昨日、学会で先生方に聞いてもまさにそのとおりだという御意見ではありました。

ただ、これを実現するには、産総研の先生に伺うと、大体百万量子ビットぐらい要ると。今目指しているのが一万量子ビットという段階ですから、まだまだ先の段階ではありますが、まずは細胞一個から、単細胞をやる、そういったときにこそ、この間話題に出ていたゾウリムシの研究とかをやられている先生の話もありましたが、ああいうシンプルな単細胞生物を突き詰めている人、基礎研究をやっている人がいるからこそ、今は何の役に立つんだと思うかもしれないけれども、いざ量子スパコンで細胞シミュレーターができたら、単細胞生物を実際に量子の世界で動かして現実と符合するのかという、ここを見ていくときには、逆に、シンプルな細胞の基礎科学をずっと地道にやってくださっている、こういったことがここで符合をして次の世代の飛躍につながっていく、こういったところもございますので、是非、国家プロジェクトとして量子細胞シミュレーターを開発するぐらいな勢いでコミットしていただきたいというふうに思っていますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

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