殊更にということでございましたけれども、先ほど申し上げましたのは、今の刑法の考え方が人身売買と略取誘拐が同一の章に規定されていること、それから、法益が似たようなもので、似たようなというか類似のものであるということも踏まえて、そのような考え方でできているということでございます。
佐藤淳法務省刑事局長
2025年11月19日・第219回国会 衆議院 法務委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 32 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 408 発言)
前後のやりとり
じゃ、刑法二百二十六条の二の人身売買を処罰する規定について伺います。 まず、法定刑について、国内の場合は、最高が、営利、わいせつ、結婚、加害目的、売渡しを定めた三項、四項が一年以上十年以下の拘禁刑というふうに定められています。これは、万引きなどの窃盗罪、刑法二百三十五条と同じなんですね。「条解刑法」の第五版にも、拐取罪の法定刑を踏まえというふうに記されています。法定刑の設定にほかの罪との均衡を考慮した旨が記載されています。 しかし、人身売買が万引きと同程度の刑罰水準ということがなかなか衝撃的なんですけれども、例えば、国連難民高等弁務官事務所、UNHC…
お答えいたします。 まず、刑法二百二十六条の二各項の法定刑について申し上げますと、第一項の人身買受けについては三月以上五年以下、これが第二項の未成年者買受けになりますと三月以上七年以下、それから、第三項、四項の営利目的あるいは人身売渡しにつきましては一年以上十年以下、それから、第五項の所在国外移送目的人身売買については二年以上の有期拘禁刑、これは二十年以下ということになりますが、これらの法定刑は刑法の同一の章に規定されておりまして、保護法益が共通する他の罪、具体的には略取誘拐でありますけれども、未成年者、あるいは営利目的等、それから所在国外移送目的の略…
今、拐取罪、同じ章にある誘拐等についての均衡で適正さは欠かないというお答えでしたけれども、例えば人身売買罪は、対価を伴う点で、その客体、被害者の自由を拘束し続けるという強い動機があります。法益、ここでいえば客体の自由と保護者の監護権ですけれども、を更に侵害する危険が高いのが人身売買罪です。刑法二百二十四条の拐取罪との均衡というのを殊更に顧慮する必要はないんじゃないですか。
- (上の発言)
殊更にということでございましたけれども、先ほど申し上げましたのは、今の刑法の考え方が人身売買と略取誘拐が同一の章に規定されていること、それから、法益が似たようなもので、似たようなというか類似のものであるということも踏まえて、そのような考え方でできているということでございます。
これほど世界を震撼させる事件が起きて、大臣は今どうお考えですか。法定刑を引き上げるべきじゃないですか。政治決断すべきじゃないですか、ここは。
ただいま刑事局長の方から答弁したとおりでございまして、刑法二百二十六条の二に規定される犯罪につきましては、法定刑を引き上げる必要があるとは考えてございません。
いずれにせよ、人身取引事犯に対して厳正な刑罰が必要であるということは申し上げるまでもないことでありまして、検察当局においては、様々な法令を駆使して悪質な事情を適切に主張、立証することで厳正な科刑の実現に努めておりまして、引き続き適切に対処していくものと承知しております。
例えば、米国の国務省の人身取引監視対策部の二〇二四年の人身取引報告書において、日本に対して厳しい指摘がされているんですね。具体的には、厳しさが十分ではない刑を規定している法律に基づき、人身取引犯を訴追し、有罪判決を下した、また、少なくとも七年連続で裁判所は、有罪判決を受けたほとんどの人身取引犯に対して、実刑の全ての執行を猶予するか、罰金刑のみを科したというふうに記されています。
これは国際的にも恥ずべきことじゃないですか。法務大臣、どう思われますか。