じゃ、刑法二百二十六条の二の人身売買を処罰する規定について伺います。
まず、法定刑について、国内の場合は、最高が、営利、わいせつ、結婚、加害目的、売渡しを定めた三項、四項が一年以上十年以下の拘禁刑というふうに定められています。これは、万引きなどの窃盗罪、刑法二百三十五条と同じなんですね。「条解刑法」の第五版にも、拐取罪の法定刑を踏まえというふうに記されています。法定刑の設定にほかの罪との均衡を考慮した旨が記載されています。
しかし、人身売買が万引きと同程度の刑罰水準ということがなかなか衝撃的なんですけれども、例えば、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRの指針七も、人身取引は、一度その被害が生じたときには、完全な回復は不可能な深刻な損害を被害者に与えるというふうに記されています。
にもかかわらず、被害弁償によって完全な回復が可能な窃盗と同じ法定刑というのが日本の刑法です。到底国民の納得は得られないというふうに考えるんですが。なお、米国では、人身売買罪は終身刑もあります。英国も終身刑あり。ドイツ、韓国でも最長十五年です。日本の十年というのは余りに短いという指摘があります。
現行の二百二十六条の二の法定刑について、法務省は適正だとお考えですか。一般予防の見地から、このままでいいというふうにお考えですか。法定刑を引き上げるべきじゃないですか。
26佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
お尋ねは、個別具体的な刑事事件における犯罪の成否について問うものでございまして、法務省としてはお答えを差し控えるところでございますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、人身取引が疑われる事案について、検察当局においては、事案ごとに、人身取引事案に適用し得る様々な法令と、捜査によって収集した証拠に基づいて、犯罪の成否等を適切に判断しているものと承知しております。
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藤原規眞(立憲)
今のお答えの後段を少なくとも聞くと、客だから、客にすぎないから、そういうことで捜査対象とはならないというものではないと考えていいですね。
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28佐佐藤淳法務省刑事局長
個別具体的な事案のことでございますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、ある行為について、委員御指摘の不同意わいせつ罪、不同意性交等罪等々が、規定する罪の構成要件に該当する場合には、それぞれの罪が成立するということでございます。
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- (上の発言)
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藤原規眞(立憲)
じゃ、刑法二百二十六条の二の人身売買を処罰する規定について伺います。
まず、法定刑について、国内の場合は、最高が、営利、わいせつ、結婚、加害目的、売渡しを定めた三項、四項が一年以上十年以下の拘禁刑というふうに定められています。これは、万引きなどの窃盗罪、刑法二百三十五条と同じなんですね。「条解刑法」の第五版にも、拐取罪の法定刑を踏まえというふうに記されています。法定刑の設定にほかの罪との均衡を考慮した旨が記載されています。
しかし、人身売買が万引きと同程度の刑罰水準ということがなかなか衝撃的なんですけれども、例えば、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRの指針七も、人身取引は、一度その被害が生じたときには、完全な回復は不可能な深刻な損害を被害者に与えるというふうに記されています。
にもかかわらず、被害弁償によって完全な回復が可能な窃盗と同じ法定刑というのが日本の刑法です。到底国民の納得は得られないというふうに考えるんですが。なお、米国では、人身売買罪は終身刑もあります。英国も終身刑あり。ドイツ、韓国でも最長十五年です。日本の十年というのは余りに短いという指摘があります。
現行の二百二十六条の二の法定刑について、法務省は適正だとお考えですか。一般予防の見地から、このままでいいというふうにお考えですか。法定刑を引き上げるべきじゃないですか。
30佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
まず、刑法二百二十六条の二各項の法定刑について申し上げますと、第一項の人身買受けについては三月以上五年以下、これが第二項の未成年者買受けになりますと三月以上七年以下、それから、第三項、四項の営利目的あるいは人身売渡しにつきましては一年以上十年以下、それから、第五項の所在国外移送目的人身売買については二年以上の有期拘禁刑、これは二十年以下ということになりますが、これらの法定刑は刑法の同一の章に規定されておりまして、保護法益が共通する他の罪、具体的には略取誘拐でありますけれども、未成年者、あるいは営利目的等、それから所在国外移送目的の略…
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藤原規眞(立憲)
今、拐取罪、同じ章にある誘拐等についての均衡で適正さは欠かないというお答えでしたけれども、例えば人身売買罪は、対価を伴う点で、その客体、被害者の自由を拘束し続けるという強い動機があります。法益、ここでいえば客体の自由と保護者の監護権ですけれども、を更に侵害する危険が高いのが人身売買罪です。刑法二百二十四条の拐取罪との均衡というのを殊更に顧慮する必要はないんじゃないですか。
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32佐佐藤淳法務省刑事局長
殊更にということでございましたけれども、先ほど申し上げましたのは、今の刑法の考え方が人身売買と略取誘拐が同一の章に規定されていること、それから、法益が似たようなもので、似たようなというか類似のものであるということも踏まえて、そのような考え方でできているということでございます。
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