国民民主党・新緑風会の上田清司です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
基礎控除は、憲法二十五条の生存権に基づき、最低限の生計費には税金を掛けないとすることから設けられた控除です。
衆議院において創設された基礎控除の特例措置は、給与収入二百万円相当以下の方に対して、政府案から、基礎控除額三十七万円の上乗せ、また、給与収入二百万円相当超、八百五十万円相当以下の方については、令和七年、八年限りの措置として、給与収入に応じて四段階で基礎控除額を上乗せをすることとされています。
段階的に上乗せ金額が変わることに加えて、恒久的な措置と時限的な措置が混在しており、見直し後の特例付きの基礎控除ということが大変分かりづらいといった仕組みになっております。税の三原則、公平、中立、簡素の点からは大きく逸脱しているものと言わざるを得ません。
一九七七年のOECDの報告書では、日本は世界一再分配が進んだ国との報告がありました。今でも比較的格差が少ない国と思われていますが、実際は違います。近年の格差を表す指標のジニ係数を見ると、アメリカに次いで高いとの報告もあります。
また、この三十年間の税収を見ると、消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性の高いものであり、消費税増税のたびにその割合が増えております。
所得税収入は主に株式配当や売買などの金融所得が増えています。賃金が上がったことによる所得税収入増はごく最近のことであります。言わずもがな、金融所得は資産を持っている方だけが恩恵を受けていますので、格差が拡大するのは当然であります。
さらに、重い社会保険料負担により、国民負担も五〇%近い状況になりました。実質賃金は三年連続マイナスとなっています。多くの国民が貧困化しています。
この間の経済状況を見ますと、一九九一年から二〇二三年までのGDP伸び率は平均で〇・八%です。経済成長ができていないにもかかわらず、必死に働く中間層を増やすことをせず、格差が拡大してきた失われた三十年と言われております。この期間、主に政権を担ってきたのは自公政権です。この三十年間で就職氷河期世代を見捨て、非正規労働者を増やし、少子化が加速したのもこの期間であります。なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。今こそ中間層を増やして、国民負担を下げ、手取りを増やし、消費を活性化し、デフレを脱却するときであります。
二〇二五年春闘も明るい兆しはあるものの、中小企業の賃上げについては依然厳しいものがあります。米や野菜を始めとする食料品、電気、ガス、ガソリン代などの高騰により、国民の暮らしぶりは厳しさを増しています。このことは、エンゲル係数が四十三年ぶりに二八・三%と高水準になったことからも明らかであります。政府は、このことにしっかりと受け止めなければなりません。
また、当時にはなかった携帯電話、スマートフォン、インターネットなども生活必需品として家計の負担になっています。教育費も年々上がり、理想の子供の数を持てない夫婦が増えています。その結果、去年生まれた子供の数は七十二万九百八十八人で、九年連続で減り、過去最少となっております。
エネルギー価格高騰について、昨年末の自民党、公明党、国民民主党の三党の幹事長合意に基づき、ガソリンの暫定税率廃止を直ちに実施すべきところであります。
政府は、先週二十四日の経済財政諮問会議で、物価高対策としてガソリン補助金を四月以降も当面継続する方針を示しましたが、なぜ暫定税率を廃止しないのでしょうか。ガソリン補助金は、令和四年度に会計検査院が二百四億円もの税金が価格抑制に使われずに、いなかったと報告をしています。配る途中で中抜きされているのに、なぜこのような非効率なばらまきを続けるのか全く分かりません。
ガソリンの暫定税率廃止となれば、車が生活必需品である地方の方々が助かるだけでなく、食料などの輸送コストが低減され、都市に暮らす人にとっても大きな恩恵があります。石破総理は、初代地方創生担当大臣として、地方で暮らす人々からのSOSを真摯に受け止める責務があります。石破さんはいい人だと思ったのにそうでもないねという国民の声をはね返す意味で、今こそガソリンの暫定税率廃止を決断すべきであります。
再エネ賦課金についても申し上げます。
再エネ賦課金が導入された二〇一二年度は、標準家庭で月額八十八円、年額千五十六円の負担でした。当時、東日本大震災の直後でしたから、再生エネルギーを推進するための負担も少しぐらいならいいか、八十八円ならいいか、一年で千円ちょっとならいいかとみんな思って協力をしました。ところが、五月からの二〇二五年度は、標準家庭で月額千五百九十二円、年額一万九千百四円となり、導入当初と比べて何と十八倍、十八倍ものの負担を家庭に押し付けることになります。
電気も生きるための重要なインフラであるにもかかわらず、負担を増大させて国民を苦しめるのはもうやめなければなりません。ガソリンの暫定税率と併せて、再エネ賦課金についても一時停止若しくは廃止したらいかがですか。国民生活をしっかり守っていきましょう。
物価高による家計負担は、みずほリサーチ&テクノロジーズによると、物価高対策なしで一世帯当たり平均十万円の負担増と試算がされており、今回改正法案の減税額では全く足らないことが明らかです。
また、生きるコストは年収にかかわらず全ての人が同じであります。四つもの壁を新たに設け、税制を複雑化させ、年収による分断を起こすやり方は決して容認できません。繰り返し述べますが、税の三原則は、公平、中立、簡素です。これは国税庁のホームページにもしっかりとアピールされています。この新たな壁のどこが公平で中立で簡素なのでしょうか。
今こそ、前回の控除を見直した際の最低賃金から現在までの最低賃金の伸び率を基に、真面目に働く全ての方を対象にして、一律百七十八万円まで引き上げるべきです。そのことが手取りを増やし、消費を活性化し、将来に希望を持てる社会になること、そのことを強く申し上げ、反対討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
39
関口昌一議長
高木かおり君。
〔高木かおり君登壇、拍手〕
この発言のページ
40高高木かおり(維新)
日本維新の会の高木かおりです。
私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。
初めに、今回我々は賛成の立場を取りますが、例えば、防衛増税の入口となるようなたばこ税の増税に関しては、日本維新の会としては従来から反対であり、改正案の全ての項目に賛成するものではないことを申し述べておきます。その上でなお、大きく三つの理由から賛成いたします。
まず第一に、三十年間動かなかった百三万円の壁を引き上げるべきという国民の声に応え、基礎控除と給与所得控除を見直し、総額一・三兆円の減税につなげた点であります。
長引くロシア…
この発言のページ
41
関口昌一議長
上田清司君。
〔上田清司君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
42
上田清司(国民)
国民民主党・新緑風会の上田清司です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
基礎控除は、憲法二十五条の生存権に基づき、最低限の生計費には税金を掛けないとすることから設けられた控除です。
衆議院において創設された基礎控除の特例措置は、給与収入二百万円相当以下の方に対して、政府案から、基礎控除額三十七万円の上乗せ、また、給与収入二百万円相当超、八百五十万円相当以下の方については、令和七年、八年限りの措置として、給与収入に応じて四段階で基礎控除額を上乗せをすることとされています。
段階的に上乗せ金額が変わることに加えて、恒久的な措置と時限的な措置が混在しており、見直し後の特例付きの基礎控除ということが大変分かりづらいといった仕組みになっております。税の三原則、公平、中立、簡素の点からは大きく逸脱しているものと言わざるを得ません。
一九七七年のOECDの報告書では、日本は世界一再分配が進んだ国との報告がありました。今でも比較的格差が少ない国と思われていますが、実際は違います。近年の格差を表す指標のジニ係数を見ると、アメリカに次いで高いとの報告もあります。
また、この三十年間の税収を見ると、消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性の高いものであり、消費税増税のたびにその割合が増えております。
所得税収入は主に株式配当や売買などの金融所得が増えています。賃金が上がったことによる所得税収入増はごく最近のことであります。言わずもがな、金融所得は資産を持っている方だけが恩恵を受けていますので、格差が拡大するのは当然であります。
さらに、重い社会保険料負担により、国民負担も五〇%近い状況になりました。実質賃金は三年連続マイナスとなっています。多くの国民が貧困化しています。
この間の経済状況を見ますと、一九九一年から二〇二三年までのGDP伸び率は平均で〇・八%です。経済成長ができていないにもかかわらず、必死に働く中間層を増やすことをせず、格差が拡大してきた失われた三十年と言われております。この期間、主に政権を担ってきたのは自公政権です。この三十年間で就職氷河期世代を見捨て、非正規労働者を増やし、少子化が加速したのもこの期間であります。なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。今こそ中間層を増やして、国民負担を下げ、手取りを増やし、消費を活性化し、デフレを脱却するときであります。
二〇二五年春闘も明るい兆しはあるものの、中小企業の賃上げについては依然厳しいものがあります。米や野菜を始めとする食料品、電気、ガス、ガソリン代などの高騰により、国民の暮らしぶりは厳しさを増しています。このことは、エンゲル係数が四十三年ぶりに二八・三%と高水準になったことからも明らかであります。政府は、このことにしっかりと受け止めなければなりません。
また、当時にはなかった携帯電話、スマートフォン、インターネットなども生活必需品として家計の負担になっています。教育費も年々上がり、理想の子供の数を持てない夫婦が増えています。その結果、去年生まれた子供の数は七十二万九百八十八人で、九年連続で減り、過去最少となっております。
エネルギー価格高騰について、昨年末の自民党、公明党、国民民主党の三党の幹事長合意に基づき、ガソリンの暫定税率廃止を直ちに実施すべきところであります。
政府は、先週二十四日の経済財政諮問会議で、物価高対策としてガソリン補助金を四月以降も当面継続する方針を示しましたが、なぜ暫定税率を廃止しないのでしょうか。ガソリン補助金は、令和四年度に会計検査院が二百四億円もの税金が価格抑制に使われずに、いなかったと報告をしています。配る途中で中抜きされているのに、なぜこのような非効率なばらまきを続けるのか全く分かりません。
ガソリンの暫定税率廃止となれば、車が生活必需品である地方の方々が助かるだけでなく、食料などの輸送コストが低減され、都市に暮らす人にとっても大きな恩恵があります。石破総理は、初代地方創生担当大臣として、地方で暮らす人々からのSOSを真摯に受け止める責務があります。石破さんはいい人だと思ったのにそうでもないねという国民の声をはね返す意味で、今こそガソリンの暫定税率廃止を決断すべきであります。
再エネ賦課金についても申し上げます。
再エネ賦課金が導入された二〇一二年度は、標準家庭で月額八十八円、年額千五十六円の負担でした。当時、東日本大震災の直後でしたから、再生エネルギーを推進するための負担も少しぐらいならいいか、八十八円ならいいか、一年で千円ちょっとならいいかとみんな思って協力をしました。ところが、五月からの二〇二五年度は、標準家庭で月額千五百九十二円、年額一万九千百四円となり、導入当初と比べて何と十八倍、十八倍ものの負担を家庭に押し付けることになります。
電気も生きるための重要なインフラであるにもかかわらず、負担を増大させて国民を苦しめるのはもうやめなければなりません。ガソリンの暫定税率と併せて、再エネ賦課金についても一時停止若しくは廃止したらいかがですか。国民生活をしっかり守っていきましょう。
物価高による家計負担は、みずほリサーチ&テクノロジーズによると、物価高対策なしで一世帯当たり平均十万円の負担増と試算がされており、今回改正法案の減税額では全く足らないことが明らかです。
また、生きるコストは年収にかかわらず全ての人が同じであります。四つもの壁を新たに設け、税制を複雑化させ、年収による分断を起こすやり方は決して容認できません。繰り返し述べますが、税の三原則は、公平、中立、簡素です。これは国税庁のホームページにもしっかりとアピールされています。この新たな壁のどこが公平で中立で簡素なのでしょうか。
今こそ、前回の控除を見直した際の最低賃金から現在までの最低賃金の伸び率を基に、真面目に働く全ての方を対象にして、一律百七十八万円まで引き上げるべきです。そのことが手取りを増やし、消費を活性化し、将来に希望を持てる社会になること、そのことを強く申し上げ、反対討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
43
関口昌一議長
大門実紀史君。
〔大門実紀史君登壇、拍手〕
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44
大門実紀史(共産)
日本共産党の大門実紀史です。
所得税法等改正案に反対の討論を行います。
反対する最大の理由は、本改正案が日本経済のゆがみを是正するどころか、更に助長するものだからです。
日本経済のゆがみとは、経済全体が株主資本主義に支配されていることです。株主資本主義は、企業は株主のものという考え方に基づき、株主利益の最大化を企業経営の目的とします。株価を引き上げ、配当を増やすために目先の短期利益ばかり追求され、賃金の抑制と人員削減が日常化し、企業の中長期的な発展のために必要な設備投資などは後回しにされます。
しかし、企業は株主だけのものではありません。企業は、…
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45
関口昌一議長
これにて討論は終局いたしました。
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