竹田恒泰作家

2025年6月10日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 112 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 146 発言)

よく言われるのは、選択なんだから自由にさせればいいではないか、私は関係ないというんですけれども、今御指摘のあったとおり、社会に大きな変更があります。

例えば、私ごとですけれども、昨年、二人目の子供が生まれました。産気づいて急に妻が運び込まれたものですから、すぐに病院に駆けつけたんですね。そして、竹田ですと言ったら、一応、念のため免許証を見せてください、見せたら、分かりました、どうぞと。つまり、同じ姓であれば、夫婦であるということが推認されるわけですよね。

もしここで、今は多くないかもしれませんけれども、今後、選択的夫婦別姓が導入されて、多くの別姓夫婦が、日常的に、何割も出産するようになったら、看護師さんは、これまでやらなくていい手続をしなくてはいけない。つまり、夫婦関係の証明を求めるわけですけれども、これは免許証では確認できません。戸籍謄本の提出を求めるということになります。

それが、例えば親子関係だったらどうなるか。緊急手術が必要だったらどうなるか、これは、医療機関は全国に十一万施設あるわけです。学校でも、親子関係の証明、例えばお父さんが迎えに行ったときに、あなたは誰ですかということにもなるわけですね。学校は五万あるわけです。サービス業も、それから、夫婦別姓を前提とした労務管理システムも、全事業所が入れるということになりますので、これは社会的にかなり大きな負担になります。

あと、心理的な、社会的なコストというのもあります。例えば、飲み会に行ったときに、いろいろなカップルがいて、別姓だった場合に、この人たちは別姓の夫婦なのか、若しくは未婚なのか、不倫なのか、分からないわけですよね。これが同姓だと、この人たちはカップルなんだとすぐ分かる。

つまり、自分はどうでもいいよと言っていながら、今言ったのは小さいことですけれども、日常的にこれまで……(発言する者あり)だから、そうやって心配すること自体は小さいことかもしれない。でも、そういう、これはどっちだろうとか、会社でも、結婚したのかなとか、いろいろと影響があるということですね。

そして、これは法改正自体にもコストがかかります。システム改修だけではありません。民間事業所が全て選択的夫婦別姓を前提とした管理体制に行かなくてはいけない。なので、それをしてまで求めたい法益があるのか、これを考えていただきたいんですね。

アイデンティティーといいますけれども、例えば、結婚して、自分の旧姓で研究ができない、若しくは仕事ができないということであれば、アイデンティティーの問題になるでしょう。でも、それは今はできるんですね。維新案であれば、単独名でパスポートも取れるわけなんですよ。なので、それでもなお残るアイデンティティー問題というのは何なのかということですね。それは、とてつもない費用をかけ、社会が負担をしてまで実現しなきゃいけない利益なのか。

具体的なことと言いましたけれども、結局、経団連の十一の項目の中で、いまだ問題として残っているのは、パスポート関連の五項目だけです。あとは併記によって乗り越えられているわけなんですね。

前後のやりとり

108の発言を見る

116の発言を見る