お答えいたします。
平成八年までの法制審議会による調査審議におきまして、いわゆるC案として、夫婦は同一の氏を称するものとする現行の制度を維持しつつ、婚姻によって氏を改めた夫婦の一方が婚姻前の氏を自己の呼称として使用することを法律上承認する案も検討されたと承知をしておりますが、委員御指摘のC案につきましては、呼称という概念を用いて事実上の夫婦別氏制を実現しようとするものであるが、制度上は、夫婦の一方が婚姻によって氏を改めることになるから、個人の氏に対する人格的利益を法律上保護するという夫婦別氏制の理念は、ここにおいては後退していること、氏とは異なる呼称という概念を民法に導入することになると、その法的性質は何か、氏との関係をどのように捉えるかなど、理論的に困難な問題が新たに生ずること、この民法上の呼称は、現在戸籍事務において用いられている呼称上の氏との混同を生じさせ、氏の理論を一層複雑、難解なものにするおそれがあることから、長期的な展望に立った氏の制度として採用することは相当ではないとして採用されなかったものと承知をしております。
131
西村智奈美(立憲)
次に、本村伸子さん。
この発言のページ
132本本村伸子(共産)
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
日本共産党は、選択的夫婦別姓について、法制審の答申のもっと前から民法の改正を求めてまいりました。それは、請願が出されて五十年というように、当事者の皆さんの声があったからです。
一九九六年、法制審の答申後、ほかの野党の皆さん、当時の民主党の皆さんや社民党の皆様と選択的夫婦別姓を含む民法の改正案を提出し、私が秘書をしておりました八田ひろ子参議院議員がその提出者として法案に関する答弁もしたこともございます。
野党でこの間も一緒に出してきた選択的夫婦別姓の法案では、夫婦が同じ名字でも別…
この発言のページ
133
鈴木馨祐(自民)法務大臣
議論の経緯ですので、これまでのしきたりで、参考人の方から御答弁させていただきます。
この発言のページ
- (上の発言)
134竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
平成八年までの法制審議会による調査審議におきまして、いわゆるC案として、夫婦は同一の氏を称するものとする現行の制度を維持しつつ、婚姻によって氏を改めた夫婦の一方が婚姻前の氏を自己の呼称として使用することを法律上承認する案も検討されたと承知をしておりますが、委員御指摘のC案につきましては、呼称という概念を用いて事実上の夫婦別氏制を実現しようとするものであるが、制度上は、夫婦の一方が婚姻によって氏を改めることになるから、個人の氏に対する人格的利益を法律上保護するという夫婦別氏制の理念は、ここにおいては後退していること、氏とは異なる呼称という概念を民法に導入することになると、その法的性質は何か、氏との関係をどのように捉えるかなど、理論的に困難な問題が新たに生ずること、この民法上の呼称は、現在戸籍事務において用いられている呼称上の氏との混同を生じさせ、氏の理論を一層複雑、難解なものにするおそれがあることから、長期的な展望に立った氏の制度として採用することは相当ではないとして採用されなかったものと承知をしております。
135本本村伸子(共産)
このようなことで、法制審では通称使用の法制化は否定をされました。
日本維新の会の法案では、通称使用の法制化ですので、この法制審の指摘をされた問題をクリアしているのかという点も問わなければならないというふうに思います。
まず、また前提ですけれども、名字と名前がセットの氏名について、一九八八年の最高裁の判決の中で、「氏名は、社会的にみれば、個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが、同時に、その個人からみれば、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であつて、人格権の一内容を構成するものというべきである」ということが最高裁の判決…
この発言のページ
136
米山隆一(立憲)
時間も短いですので繰り返しませんけれども、私もまさに、その最高裁判決そのものだというふうに思っております。氏名とは、個人を同定する、英語で言えばアイデンティファイする機能を有し、それゆえ、社会的存在である人間にとって、自分が自分であると感じるアイデンティティーの根源の一つになっているというふうに考えております。
この発言のページ
137
藤田文武(維新)
最高裁判決においては、氏名は、社会的に見れば、個人を他人から識別し特定する機能を有するものであるが、同時に、その個人から見れば、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成するものであるというのが示されていますが、そのとおりだと思います。
この発言のページ