竹内努法務省民事局長

2025年6月4日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 134 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 165 発言)

お答えいたします。

平成八年までの法制審議会による調査審議におきまして、いわゆるC案として、夫婦は同一の氏を称するものとする現行の制度を維持しつつ、婚姻によって氏を改めた夫婦の一方が婚姻前の氏を自己の呼称として使用することを法律上承認する案も検討されたと承知をしておりますが、委員御指摘のC案につきましては、呼称という概念を用いて事実上の夫婦別氏制を実現しようとするものであるが、制度上は、夫婦の一方が婚姻によって氏を改めることになるから、個人の氏に対する人格的利益を法律上保護するという夫婦別氏制の理念は、ここにおいては後退していること、氏とは異なる呼称という概念を民法に導入することになると、その法的性質は何か、氏との関係をどのように捉えるかなど、理論的に困難な問題が新たに生ずること、この民法上の呼称は、現在戸籍事務において用いられている呼称上の氏との混同を生じさせ、氏の理論を一層複雑、難解なものにするおそれがあることから、長期的な展望に立った氏の制度として採用することは相当ではないとして採用されなかったものと承知をしております。

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