ありがとうございます。
本日の私の意見陳述とは直接関係しませんけれども、これまで、私、取調べの録音、録画の制度設計並びにその逆のインパクトについて論文を書いたり発言してまいりましたので、その観点から簡単に御紹介いたします。
私が取調べの録音、録画は進めるべき立場であったところ、映像インパクトに気づきましたのは、二〇〇七年ぐらいの頃だったと思います。
それはどういうことかと申しますと、アメリカの心理学者のラシター教授とその研究チームが、取調べの録音、録画映像を被験者に見せると、普通に音声やそれから書面で供述調書を読ませた場合よりも、任意性や信用性が高く評価されるという実験結果を論文にしたものがあるんです。心理学の論文ですので、法学の雑誌ではないんですけれども、複数出ているのに気づきました。
このラシター教授のチームは、市民もそういうふうに感じるだけでなく、これを、被験者を変えて、法執行官や現役の裁判官に見せても同じような効果が得られるということを発見しました。これを彼らは、カメラ・パースペクティブ・バイアスという、CPBと略しておりますけれども、そういう名称をつけました。
これを知りまして、私は、心理学者らと一緒に日本でも同じような同種の実験をしてみましたところ、やはり同じような傾向が出るということが確認できましたので、学会や法律雑誌等でこの問題を提起しました。
例えば、ニュージーランド警察は、このラシターらの研究結果を受けて、カメラを被疑者と取調べ官の横から撮影するという、ニュートラル方式と言われる、そういう撮影方法を取り入れているところです。
これは、人間は人が話しているのを正面から見ると、その人がしゃべっていることを信じてしまう、自らしゃべっているというふうに感じてしまう、これはもう避け難いバイアスなんですね。これを避けるためには横から撮影する方がいいだろうということで、より妥当な方法を取り入れたということでございます。
これまで日本の裁判例では、この映像インパクトを避けるために、例えば、音声だけを法廷で再生するとか、あるいは、取調べの様子を書き起こした、いわゆる書き起こしの文字を裁判官、裁判員が証拠として読むというような回避措置が取られているということを聞いております。
全ての裁判でそのような対応が取られているわけではございませんが、やはり、人間の心理というものはルール等で規制することは難しいものですので、やはりこうした、私どもの言葉で言うと、環境そのもの、条件そのものを、取得する場合の、取調べの様子を取得する環境を変えないと、なかなかバイアスを抑止することは難しいのではないかというふうに考えている次第です。
ありがとうございます。
53
藤田文武(維新)
五名の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
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54
西村智奈美(立憲)
次に、小竹凱さん。
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55小小竹凱(国民)
国民民主党の小竹凱です。
本日は、五名の参考人の皆様、お忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。
早速、質疑に入りたいと思います。
まずは、指宿参考人に伺いたいと思います。先ほど、先生、意見陳述の中で、一九九八年頃から刑事司法のデジタル化に向けて取り組まれておられたということで、私、九八年生まれの二十六歳ですので、大変恐縮でございますが、質問させていただければというふうに思います。
まず、先生が書かれた「法情報学の世界」という本の中で、いろいろ書かれておりました。ITのマイナスの側面というところについてお聞きしたいというふうに思います…
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- (上の発言)
56指指宿信成城大学法学部教授
ありがとうございます。
本日の私の意見陳述とは直接関係しませんけれども、これまで、私、取調べの録音、録画の制度設計並びにその逆のインパクトについて論文を書いたり発言してまいりましたので、その観点から簡単に御紹介いたします。
私が取調べの録音、録画は進めるべき立場であったところ、映像インパクトに気づきましたのは、二〇〇七年ぐらいの頃だったと思います。
それはどういうことかと申しますと、アメリカの心理学者のラシター教授とその研究チームが、取調べの録音、録画映像を被験者に見せると、普通に音声やそれから書面で供述調書を読ませた場合よりも、任意性や信用性が高く評価されるという実験結果を論文にしたものがあるんです。心理学の論文ですので、法学の雑誌ではないんですけれども、複数出ているのに気づきました。
このラシター教授のチームは、市民もそういうふうに感じるだけでなく、これを、被験者を変えて、法執行官や現役の裁判官に見せても同じような効果が得られるということを発見しました。これを彼らは、カメラ・パースペクティブ・バイアスという、CPBと略しておりますけれども、そういう名称をつけました。
これを知りまして、私は、心理学者らと一緒に日本でも同じような同種の実験をしてみましたところ、やはり同じような傾向が出るということが確認できましたので、学会や法律雑誌等でこの問題を提起しました。
例えば、ニュージーランド警察は、このラシターらの研究結果を受けて、カメラを被疑者と取調べ官の横から撮影するという、ニュートラル方式と言われる、そういう撮影方法を取り入れているところです。
これは、人間は人が話しているのを正面から見ると、その人がしゃべっていることを信じてしまう、自らしゃべっているというふうに感じてしまう、これはもう避け難いバイアスなんですね。これを避けるためには横から撮影する方がいいだろうということで、より妥当な方法を取り入れたということでございます。
これまで日本の裁判例では、この映像インパクトを避けるために、例えば、音声だけを法廷で再生するとか、あるいは、取調べの様子を書き起こした、いわゆる書き起こしの文字を裁判官、裁判員が証拠として読むというような回避措置が取られているということを聞いております。
全ての裁判でそのような対応が取られているわけではございませんが、やはり、人間の心理というものはルール等で規制することは難しいものですので、やはりこうした、私どもの言葉で言うと、環境そのもの、条件そのものを、取得する場合の、取調べの様子を取得する環境を変えないと、なかなかバイアスを抑止することは難しいのではないかというふうに考えている次第です。
ありがとうございます。
57小小竹凱(国民)
ありがとうございます。
まさに先生の、法と心理学の広い意味での研究のことだと思いますので、ちょっと、これをしゃべり過ぎると終わりそうなので、次のテーマに行きますが。
私が先日の本会議の際に、いわゆる今回の電磁的記録の情報提供命令がなされた際に、一番大きな情報源となるのはスマートフォンで、スマートフォンのロック解除を、提供命令すると、それは自己負罪拒否特権に当たるのではないかというようなことを言って、大臣からは、それはしないというような答弁をいただきましたが。
これまた指宿先生の論文に面白いことが書いてありまして、ロック解除も様々パターンがありまして…
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58指指宿信成城大学法学部教授
ありがとうございます。
被疑者の持つスマートフォンのロック解除については世界中で捜査機関が頭を悩ませているところですが、私の仄聞するところで、日本では、一番捜査機関が簡単にできる手段としては、顔認証のロック解除について、被疑者の同意を得ないまま顔の前にかざして直ちに解除している。あるいは、本人の顔写真撮影や指紋採取と、流れ作業で、任意という形で、指紋で解除させているなどの実態があるというふうに聞いているところです。
この点につきましては世界中で議論があるところで、今日の資料でも配付しておりますように、フランスは明文で、捜査機関は専門家の援助を得ること…
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59小小竹凱(国民)
ありがとうございます。大変勉強になりました。
次の質問に入りますが、吉開参考人に是非お伺いしたいと思います。私、法務の分野が本当に素人でございまして、今回の法務委員会に当たりまして勉強させていただきまして、本当にたまたまなんですけれども、基本刑訴法の論点整理の本を買わせていただきまして、紹介のところに吉開先生の名前がありましたので、ありがとうございました。
質問に入らせていただきますが、刑事手続のIT化が進む中で、勾留とか拘禁の、身柄を拘束されている被疑者、被告人に対して、電磁的記録のアクセス、電子化された書類授受が定められておりませんが、これは処遇…
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