青木栄一東北大学大学院教育学研究科教授

2025年4月18日・第217回国会 衆議院 文部科学委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 25 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 76 発言)

お答え申し上げます。

まず、教職調整額の必要性ということでありますが、貞広参考人のお答えに私なりにつけ加えさせていただきます。

貞広参考人のお話しされた内容については、私も違和感なく受け止めています。

まず、教員業務の特性ということは中教審でも議論されましたが、これを私なりに二つに分けてお答えしたいと思います。

基底部分にある、底にある、第一層と言っていいと思うんですが、そこには、教員業務の第一層には専門性というものがあると考えています。こちらは自発性や創造性という言葉で表現されているものでありまして、昭和四十一年の勤務状況調査の項目を見ますと、授業準備という項目がありまして、全体の業務の中で、こちらの業務が比較的多くカウントされていました。

他方、第二層に当たる部分、こちらが公共性と呼ばれるものと私は理解しております。第一層が専門職性、教員の専門職的なモデル観というのがあるわけですが、これに対して、第二層は、どちらかといいますと、聖職者モデルに近いものではないかと考えています。熱血教師モデルですね。こちらは、給特法成立時には相対的には余り意識されていなかったところでありまして、国立大学法人化で国立学校が給特法の対象から外れて、より意識されるようになってきた。つまり、公立学校というのはユニバーサルなサービスを提供しなければいけないので、いろいろな児童生徒を対応しなければいけないので、教員の業務も多様で、困難度が増しているということであります。

実は、昭和四十一年の勤務状況調査の項目でも、緊急の校外補導というような項目がありましたので、当時から、やはり、この第一層の専門性、第二層の公共性、両方が含み込まれた制度設計だったと思います。

もちろん、御案内のとおり、この専門性が現在はなかなか十分発揮できないということが問題になっているわけですが、今般の働き方改革、この第一層に向かってアプローチするものと理解していまして、じっくり授業準備や教材研究ができるようになれば、給特法本来の機能が発現するというふうに理解しております。

また、時間外勤務手当になった場合というふうにお尋ねを理解しましたが、仮にそうなったとしましたら、やはりタイムマネジメントが制約条件といいますか、課題になろうかと思います。

実は、前回の給特法改正のときに導入された変形労働時間制というのが、一年間の変形労働時間制に関しては消極的な御意見が様々ありましたが、私の理解では、その根底には、タイムマネジメントが十分各学校で機能していないのではないかなという疑念があったのではないかと思っております。

現在、例えば在校等時間の把握等々は進んではいますけれども、やはり必ずしもタイムマネジメントが十分ではないということであれば、やはり、時間外労働、残業手当化した場合には、各学校でのそのタイムマネジメントのよしあしというのが如実に表れてしまうのではないかという懸念を持っております。

以上でございます。

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