お答えいたします。
まず、一般論といたしましては、先ほどお話しさせていただきましたように、国際法上、普遍的に合意された武力の行使の定義はございません。また、国際法上の評価をする際に、今先生おっしゃったような、自衛隊であるかあるいは警察であるかというよりも、何を日本という国が行うのかということが決定的な評価として重要な要因になると思います。
その意味では、日本の警察官が、サイバー危害防止措置執行官だと思いますが、どういう措置を取るか。警察だから大丈夫だ、その事実だけで国際法上武力の行使にはなりませんよということにはなりません。その意味では、おっしゃる御懸念はそのとおりなんだと思います。
そういう意味では、国際法上は、警察だから大丈夫だとか、自衛隊だから大丈夫じゃないとか、そういうことではないんだろう、国際法上の評価においては。ただ、しかしながら、他方で、繰り返しになりますけれども、この歯止めというところの点は、日本政府が強調しているところは非常に重要なんだと思います。
例えば、私の理解が間違っていなければなんですけれども、アクセス・無害化措置というのは、警察官が行うか自衛官が行うか、つまり、危害防止措置執行官が行うか通信防護措置として行うかに関係なく、ひとしく公共秩序維持の観点から比例原則に基づいて慎重に行うという、繰り返しこの立場を表明されていることの意味というのは、国際法上非常に、他方で重要な武力の行使であるか否かを判断する上ではポイントだと思っています。
といいますのも、法的見地からすれば、そういう政府の立場は、意味しているのは、どの国に対しても、これは敵対的な意図があるわけじゃありませんよ、これはあくまでも日本の公共の秩序の意味にあるのであって、例えば領土的野心を持ってそれを域外に対してやるとかいうこととは全く違うことなんですよというメッセージを、恐らく国際法学者はそれを読み取るわけです。外国も多分それを読み取ると思うんですよね。
そういうことに加えて、しかも、被害が出ないように、つまりエスカレーション、先ほどの第一の質問になると思うんですけれども、避けるように、必要最小限度に行うのだと、極めて自制的なメッセージ、多分、私はそういうふうに、政府の繰り返し歯止めとして言われていることはメッセージなんだというふうに理解しております。
更に加えまして、外務大臣との協議とかサイバー通信情報監理委員会の承認、外務大臣だと協議になると思うんですが、委員会だと承認、勧告とかいう形になると思うんですけれども、そのプロセスを経て行われるので、恣意的な判断はしませんよというような厳格な歯止めが制度的にかかっているということも無視してはならないと思います。
その意味で、御指摘のような懸念に関しては、少なくとも法的なレベルでの歯止めという意味では適切にこれはなされていると思いますし、ただ、あと、これは慎重に実施、運用のところで是非徹底していただく必要があると思います。
繰り返しになりますが、先ほどの質問と同じように、やはり他国とのサイバー協議といいますか、平素から日本はやっているというふうに承知していますので、二国間であれ多国間であれ。そういうところで、先ほど言いましたエスカレーション回避、ここも、やはり武力の行使になるかどうかも重要ですので、そこも徹底しているので、政府としてはここをきちんと継続していくということが、御懸念に対応する上では重要かと存じます。
以上です。
24黒黒崎将広防衛大学校総合安全保障研究科教授
ありがとうございます。お答えいたします。
現実問題として、まず、どこまでエスカレーションを引き起こす蓋然性があるのかということは、法的評価だけでは答えられないことだと思いますし、また、予測することも困難なんですけれども、ただ、先ほどお話しさせていただきましたように、今回の法案では、少なくとも、アクセス・無害化措置の実効性を妨げない範囲で必要最小限度に抑えるという十分な歯止めが法的にかけられていると思います。
ただ、恐らく御懸念は、それでももし万一というお話だと思うんですけれども、そのエスカレートするということが、法的には何らかの国際法違反を日本はして…
この発言のページ
25大大澤淳公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所主任研究員
無害化措置のエスカレーションの可能性について御質問いただきましたので、お答え申し上げます。
米国での事例を考えますと、無害化措置をする場合に、非常に慎重に運用されているというふうに考えております。
これは、エスカレーションが生じるというのは、相手側で誤認をしてエスカレーションをさせる、という要因が働かないようにすることが重要になりますので、そういった誤認を避けるために、米国では、例えば、コロニアル・パイプラインにおける攻撃者側のPCの無害化とか、あと、二〇一八年のロシアからの情報戦に対する、サンクトペテルブルクの、拡散している会社のネットワークの停止…
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26市市來伴子(立憲)
先ほど黒崎参考人が、無害化措置が武力に当たると主張される可能性がある、また、国際法においては武力の定義がないとおっしゃっておりました。この点についてもう少し詳しくお聞きしたいのと、また、先ほど来出ています、自衛隊でなく警察が措置した場合でも国際法上は同じく扱われるということでよろしいでしょうか。
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- (上の発言)
27黒黒崎将広防衛大学校総合安全保障研究科教授
お答えいたします。
まず、一般論といたしましては、先ほどお話しさせていただきましたように、国際法上、普遍的に合意された武力の行使の定義はございません。また、国際法上の評価をする際に、今先生おっしゃったような、自衛隊であるかあるいは警察であるかというよりも、何を日本という国が行うのかということが決定的な評価として重要な要因になると思います。
その意味では、日本の警察官が、サイバー危害防止措置執行官だと思いますが、どういう措置を取るか。警察だから大丈夫だ、その事実だけで国際法上武力の行使にはなりませんよということにはなりません。その意味では、おっしゃる御懸念はそのとおりなんだと思います。
そういう意味では、国際法上は、警察だから大丈夫だとか、自衛隊だから大丈夫じゃないとか、そういうことではないんだろう、国際法上の評価においては。ただ、しかしながら、他方で、繰り返しになりますけれども、この歯止めというところの点は、日本政府が強調しているところは非常に重要なんだと思います。
例えば、私の理解が間違っていなければなんですけれども、アクセス・無害化措置というのは、警察官が行うか自衛官が行うか、つまり、危害防止措置執行官が行うか通信防護措置として行うかに関係なく、ひとしく公共秩序維持の観点から比例原則に基づいて慎重に行うという、繰り返しこの立場を表明されていることの意味というのは、国際法上非常に、他方で重要な武力の行使であるか否かを判断する上ではポイントだと思っています。
といいますのも、法的見地からすれば、そういう政府の立場は、意味しているのは、どの国に対しても、これは敵対的な意図があるわけじゃありませんよ、これはあくまでも日本の公共の秩序の意味にあるのであって、例えば領土的野心を持ってそれを域外に対してやるとかいうこととは全く違うことなんですよというメッセージを、恐らく国際法学者はそれを読み取るわけです。外国も多分それを読み取ると思うんですよね。
そういうことに加えて、しかも、被害が出ないように、つまりエスカレーション、先ほどの第一の質問になると思うんですけれども、避けるように、必要最小限度に行うのだと、極めて自制的なメッセージ、多分、私はそういうふうに、政府の繰り返し歯止めとして言われていることはメッセージなんだというふうに理解しております。
更に加えまして、外務大臣との協議とかサイバー通信情報監理委員会の承認、外務大臣だと協議になると思うんですが、委員会だと承認、勧告とかいう形になると思うんですけれども、そのプロセスを経て行われるので、恣意的な判断はしませんよというような厳格な歯止めが制度的にかかっているということも無視してはならないと思います。
その意味で、御指摘のような懸念に関しては、少なくとも法的なレベルでの歯止めという意味では適切にこれはなされていると思いますし、ただ、あと、これは慎重に実施、運用のところで是非徹底していただく必要があると思います。
繰り返しになりますが、先ほどの質問と同じように、やはり他国とのサイバー協議といいますか、平素から日本はやっているというふうに承知していますので、二国間であれ多国間であれ。そういうところで、先ほど言いましたエスカレーション回避、ここも、やはり武力の行使になるかどうかも重要ですので、そこも徹底しているので、政府としてはここをきちんと継続していくということが、御懸念に対応する上では重要かと存じます。
以上です。
28市市來伴子(立憲)
違法性阻却事由について、黒崎参考人と大澤参考人に伺いたいと思います。
違法性阻却事由の緊急避難が援用される、想定されるというふうに政府は言っているわけでございますが、この範囲はあくまで武力に至るまでの行為であって、相手国が武力であると主張した場合には、この援用についてはどうなるんでしょうか。
また、続けて、そもそもこの緊急避難の援用は可能なのかという懸念が聞こえてきます。緊急避難の要件が充足されない、あるいは、濫用のおそれがあるため認められにくいのではという意見もありますが、御見解を伺います。
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29黒黒崎将広防衛大学校総合安全保障研究科教授
お答えいたします。
まず、緊急避難で武力行使を正当化できるかについては、これは国際法学者の中では合意に至っていません。したがいまして、緊急避難でも武力の行使は正当化できるという見解と、いや、できないんだ、緊急避難の場合は武力は駄目なんだという見解が両方ございます。
ただ、いずれにしましても、日本としましては、恐らくこの法案が前提としているのは、武力に至らない、これはもう至上命題であるということでございますので、その必要最小限度で域外のアクセス・無害化措置を講じるという仕組みだと思いますので、平素から、そうしています、それに徹しますということを対外的に…
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30大大澤淳公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所主任研究員
お答え申し上げます。
緊急避難を、正当性、違法性阻却事由とした場合に、どちらかというと、私の見解では、それでは十分なのではないと。
つまり、緊急避難というのは、不正急迫の侵害が行われている最中であればできるんですけれども、例えば、その準備段階においてできる、十分措置が打てるのかということを考えますと、サイバー攻撃というのは、実際、最後の段階では、例えば電力が止まったりとか交通機関が乱れたりということが起きますが、それに至るまで、相手のネットワークに入る準備期間というのは、数か月かけて入ってきます。
ただ、その間は、不正急迫なことが起きているわけでは…
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