自由民主党の清水真人です。
会派を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について質問をいたします。
参議院では、平成十五年に、当時の青木幹雄参議院改革協議会座長の下で決算の早期審査のための具体策を取りまとめ、それ以来、決算審議に力を入れてまいりました。
予算を先議する衆議院、決算にも重点を置いてきた参議院、この入りと出をしっかりと見ることで我が国の財政への統制が初めて完結するという、二院制のあるべき姿の一面でもあると考えております。
令和五年度決算に対するPDCAサイクルがスタートする本日の参議院本会議での決算代表質問は、石破内閣にとって初めてのものとなりますが、参議院での決算審議の意義をどのようにお考えなのか、まずは石破総理にお伺いをいたします。
また、国会に提出された令和五年度決算及び決算検査報告は、どのように次年度予算案に生かされるのでしょうか。加藤財務大臣にお伺いをいたします。
令和五年度の一般会計歳入決算額は百四十兆二千億円、そのうち租税及び印紙収入は過去最大の七十二兆八百億円と、九千億円増となっています。
一方、歳出決算額は百二十七兆五千億円と対前年度から四・八兆円減となっております。新規国債の発行は三十四兆九千億円となり、税収や不用額の発生状況等に鑑み、九・五兆円の特例国債の発行を取りやめております。
経済対策とそれを裏付ける補正予算が発動されましたが、プライマリーバランスは当初予算と比べて二・四兆円、赤字幅が縮小をされております。
こうして見れば、経済成長なくして財政健全化なしという方向での政策は正しく、石破内閣においても引き続き経済成長というスタンスで政策を進めていくべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
建設業や製造業等では、作業が何重にも協力会社に出される、いわゆる多重下請が散見をされます。下請法の下、政府は下請取引の公正化、下請業者の利益保護のための取組を進めておりますが、三次、四次下請といった形で発注される中で、中小企業等が赤字覚悟で受注する事例もいまだに見られます。
中小企業庁では全国の様々な業種の中小企業三十万社を対象に価格交渉促進月間フォローアップ調査を行い、五万社超から回答を得ましたが、その結果によると、コスト上昇分の価格転嫁率は、一次下請の企業は五割超であるのに対して、やしゃご請けと言われる四次請け以上の企業は三五%ほどです。特に四次請け以上の階層においては、全額価格転嫁できた企業の割合は一割程度にとどまっている上に、全く転嫁できなかった、あるいは減額されたという企業は全体の四割近くあります。受注側企業の取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合が低くなる傾向が明らかとなっております。
一方、価格転嫁ができている割合が高いほど受注者である中小企業の賃上げ率も高い傾向にあることから、物価高を克服する賃上げを実現するためには、協力企業における人件費や資材価格等、コスト上昇分の価格転嫁が絶対に必要であります。
そのために、直近の資材価格や調達状況、協力会社の労働者も含めた賃上げを適切に反映した契約の締結、既に締結された契約における資材高騰、賃金上昇に伴う請負価格の変更や設計の変更等に係る個別協議が当たり前にならなければなりません。
多重下請構造下にある中小企業・小規模事業者での実質賃金の引上げをどのように実現していくお考えでしょうか。総理にお尋ねいたします。
地方創生や防災・減災、国土強靱化、そして経済安全保障、あるいは激化する国際競争に対応をしていくためには、社会インフラの整備、生産性向上に応じた工場、事務所等の新設や維持更新を着実に進めていかなければなりません。
にもかかわらず、働き方改革に伴う残業規制の強化や人材獲得競争の激化等を背景に建設技術者の不足が深刻となっており、工事現場に置く技術者を確保できずに仕事に取りかかれない、公共、民間を問わず各種工事が計画どおりにできなくなる、最悪、事業自体が中止となる事態も発生をしております。
建設投資額は、ピークとなった平成四年度の八十四兆円から平成二十二年度に約四十二兆円まで落ち込み、その後は増加に転じまして、令和五年度は約七十兆円となる見通しと、回復基調にありますが、片や、建設技術者数は平成二十二年の三十一万人から令和五年でも三十八万人と、投資額に見合った回復とはなっておりません。
しかも、ここ数年でいわゆる団塊の世代約八百万人が七十五歳以上の後期高齢者となり、二〇四〇年になると八十五歳以上の人口を中心とした高齢化と生産年齢人口の更なる減少が進む中、建設技術者の数はますます厳しくなるものと思われます。
ICT化による生産性の向上や、他産業よりも低いと言われてきた賃金水準の改善など、取り組むべきことは多々ございますけれども、我が国の安全と生活と生産の基盤をつくり、そして守る建設業に必要不可欠な技術者の育成、確保等にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。石破総理にお伺いをいたします。
コロナ禍により訪日外国人旅行者数は、過去最高を記録した令和元年の三千百八十八万人から令和三年には僅か二十五万人と、百二十八分の一まで減少をいたしました。今や、令和五年は二千五百七万人、さらに今年は十一月時点で三千三百万人超と、令和元年を上回るペースで伸びております。本年七月の観光立国推進閣僚会議において当時の岸田総理が言及をした令和十二年六千万人は射程内にあると考えております。
片や、昨今、一部の地域に訪日客が集中をし、過度な混雑が住民生活に影響を与えていることから、六千万人達成には外国人観光客への、外国人観光客の地方への分散が不可欠です。既に近年は何度も日本を訪問する外国人観光客が増加しており、日本各地、津々浦々にまで足を伸ばす方々も増えていく傾向があります。
ルールを守らない外国人観光客への対応は必須でありますが、地方創生の推進力として、国内旅行者だけでなくインバウンドを活用しない手はなく、各地方は大きな期待を持ってその誘致に力を注いでおります。
私の住む群馬県におきましても、延べ外国人宿泊者数を令和元年の二十九万人から令和九年には六十万人とすることを目標として、地域を挙げて取り組んでおります。
ただ、地方の観光地には中山間地域に位置するところも数多くございます。特に昨今ではSNSで、言わば埋もれていた地域の魅力が発掘をされ、拡散されることで、外国人観光客が訪れるようになったところも多くありますが、そのようなところは公共交通機関がなく、長時間歩かざるを得ないこともあります。交通サービスの充実を図ろうにも、バスやタクシーの運転手不足等もあり、簡単なことではありません。また、県境をまたぐ広域観光圏を形成しようとしても、道路整備等が遅れていることがネックとなっております。
そこで、インバウンド六千万人と地方創生の実現のために外国人観光客の地方への分散を進めるべきと考えますが、地方の優れた潜在的な観光資源の活用や受入れ体制の整備、中山間地域等での地域交通の確保、さらには県境をまたぐ道路ネットワークの面的な整備なども含めて、どのような手だてを講じていくお考えでしょうか。この点を石破総理にお伺いをして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
1
関口昌一議長
これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和五年度決算の概要について)
財務大臣から発言を求められております。発言を許します。加藤勝信財務大臣。
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
この発言のページ
2
加藤勝信(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
令和五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額を会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
まず、一般会計の決算につきましては、歳入は百四十兆二千十六億円余、歳出は百二十七兆五千七百八十八億円余であり、差引き十二兆六千二百二十七億円余の剰余を生じました。
この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和六年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
なお、財政法第六条の純剰余金は八千五百十七億円余となり…
この発言のページ
3
関口昌一議長
ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。清水真人君。
〔清水真人君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
4
清水真人(自民)
自由民主党の清水真人です。
会派を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について質問をいたします。
参議院では、平成十五年に、当時の青木幹雄参議院改革協議会座長の下で決算の早期審査のための具体策を取りまとめ、それ以来、決算審議に力を入れてまいりました。
予算を先議する衆議院、決算にも重点を置いてきた参議院、この入りと出をしっかりと見ることで我が国の財政への統制が初めて完結するという、二院制のあるべき姿の一面でもあると考えております。
令和五年度決算に対するPDCAサイクルがスタートする本日の参議院本会議での決算代表質問は、石破内閣にとって初めてのものとなりますが、参議院での決算審議の意義をどのようにお考えなのか、まずは石破総理にお伺いをいたします。
また、国会に提出された令和五年度決算及び決算検査報告は、どのように次年度予算案に生かされるのでしょうか。加藤財務大臣にお伺いをいたします。
令和五年度の一般会計歳入決算額は百四十兆二千億円、そのうち租税及び印紙収入は過去最大の七十二兆八百億円と、九千億円増となっています。
一方、歳出決算額は百二十七兆五千億円と対前年度から四・八兆円減となっております。新規国債の発行は三十四兆九千億円となり、税収や不用額の発生状況等に鑑み、九・五兆円の特例国債の発行を取りやめております。
経済対策とそれを裏付ける補正予算が発動されましたが、プライマリーバランスは当初予算と比べて二・四兆円、赤字幅が縮小をされております。
こうして見れば、経済成長なくして財政健全化なしという方向での政策は正しく、石破内閣においても引き続き経済成長というスタンスで政策を進めていくべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
建設業や製造業等では、作業が何重にも協力会社に出される、いわゆる多重下請が散見をされます。下請法の下、政府は下請取引の公正化、下請業者の利益保護のための取組を進めておりますが、三次、四次下請といった形で発注される中で、中小企業等が赤字覚悟で受注する事例もいまだに見られます。
中小企業庁では全国の様々な業種の中小企業三十万社を対象に価格交渉促進月間フォローアップ調査を行い、五万社超から回答を得ましたが、その結果によると、コスト上昇分の価格転嫁率は、一次下請の企業は五割超であるのに対して、やしゃご請けと言われる四次請け以上の企業は三五%ほどです。特に四次請け以上の階層においては、全額価格転嫁できた企業の割合は一割程度にとどまっている上に、全く転嫁できなかった、あるいは減額されたという企業は全体の四割近くあります。受注側企業の取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合が低くなる傾向が明らかとなっております。
一方、価格転嫁ができている割合が高いほど受注者である中小企業の賃上げ率も高い傾向にあることから、物価高を克服する賃上げを実現するためには、協力企業における人件費や資材価格等、コスト上昇分の価格転嫁が絶対に必要であります。
そのために、直近の資材価格や調達状況、協力会社の労働者も含めた賃上げを適切に反映した契約の締結、既に締結された契約における資材高騰、賃金上昇に伴う請負価格の変更や設計の変更等に係る個別協議が当たり前にならなければなりません。
多重下請構造下にある中小企業・小規模事業者での実質賃金の引上げをどのように実現していくお考えでしょうか。総理にお尋ねいたします。
地方創生や防災・減災、国土強靱化、そして経済安全保障、あるいは激化する国際競争に対応をしていくためには、社会インフラの整備、生産性向上に応じた工場、事務所等の新設や維持更新を着実に進めていかなければなりません。
にもかかわらず、働き方改革に伴う残業規制の強化や人材獲得競争の激化等を背景に建設技術者の不足が深刻となっており、工事現場に置く技術者を確保できずに仕事に取りかかれない、公共、民間を問わず各種工事が計画どおりにできなくなる、最悪、事業自体が中止となる事態も発生をしております。
建設投資額は、ピークとなった平成四年度の八十四兆円から平成二十二年度に約四十二兆円まで落ち込み、その後は増加に転じまして、令和五年度は約七十兆円となる見通しと、回復基調にありますが、片や、建設技術者数は平成二十二年の三十一万人から令和五年でも三十八万人と、投資額に見合った回復とはなっておりません。
しかも、ここ数年でいわゆる団塊の世代約八百万人が七十五歳以上の後期高齢者となり、二〇四〇年になると八十五歳以上の人口を中心とした高齢化と生産年齢人口の更なる減少が進む中、建設技術者の数はますます厳しくなるものと思われます。
ICT化による生産性の向上や、他産業よりも低いと言われてきた賃金水準の改善など、取り組むべきことは多々ございますけれども、我が国の安全と生活と生産の基盤をつくり、そして守る建設業に必要不可欠な技術者の育成、確保等にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。石破総理にお伺いをいたします。
コロナ禍により訪日外国人旅行者数は、過去最高を記録した令和元年の三千百八十八万人から令和三年には僅か二十五万人と、百二十八分の一まで減少をいたしました。今や、令和五年は二千五百七万人、さらに今年は十一月時点で三千三百万人超と、令和元年を上回るペースで伸びております。本年七月の観光立国推進閣僚会議において当時の岸田総理が言及をした令和十二年六千万人は射程内にあると考えております。
片や、昨今、一部の地域に訪日客が集中をし、過度な混雑が住民生活に影響を与えていることから、六千万人達成には外国人観光客への、外国人観光客の地方への分散が不可欠です。既に近年は何度も日本を訪問する外国人観光客が増加しており、日本各地、津々浦々にまで足を伸ばす方々も増えていく傾向があります。
ルールを守らない外国人観光客への対応は必須でありますが、地方創生の推進力として、国内旅行者だけでなくインバウンドを活用しない手はなく、各地方は大きな期待を持ってその誘致に力を注いでおります。
私の住む群馬県におきましても、延べ外国人宿泊者数を令和元年の二十九万人から令和九年には六十万人とすることを目標として、地域を挙げて取り組んでおります。
ただ、地方の観光地には中山間地域に位置するところも数多くございます。特に昨今ではSNSで、言わば埋もれていた地域の魅力が発掘をされ、拡散されることで、外国人観光客が訪れるようになったところも多くありますが、そのようなところは公共交通機関がなく、長時間歩かざるを得ないこともあります。交通サービスの充実を図ろうにも、バスやタクシーの運転手不足等もあり、簡単なことではありません。また、県境をまたぐ広域観光圏を形成しようとしても、道路整備等が遅れていることがネックとなっております。
そこで、インバウンド六千万人と地方創生の実現のために外国人観光客の地方への分散を進めるべきと考えますが、地方の優れた潜在的な観光資源の活用や受入れ体制の整備、中山間地域等での地域交通の確保、さらには県境をまたぐ道路ネットワークの面的な整備なども含めて、どのような手だてを講じていくお考えでしょうか。この点を石破総理にお伺いをして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
5
石破茂(自民)内閣総理大臣
清水真人議員の御質問にお答えをいたします。
参議院での決算審議の意義についてのお尋ねを頂戴いたしました。
参議院において決算を御議論いただき、その内容を予算編成に適切に反映し、予算の効率的かつ適切な執行につなげていくことは、財政民主主義の観点から極めて重要であると考えております。これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ、政府といたしましては、決算の早期提出や審議内容の予算への反映などについて取り組んでまいりました。
参議院における警告決議に対しましては、その指摘事項の一つ一つについて次年度以降の予算に反映させるなど適切に対応した上で、政…
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6
加藤勝信(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
清水議員より、令和五年度決算と決算検査報告の次年度予算への反映についてお尋ねがありました。
会計検査院の決算検査報告については厳粛かつ真摯に受け止めており、本年十一月八日の閣僚懇において私から各大臣に対し、本報告を踏まえて、令和七年度予算編成などに的確に反映するよう要請を行ったところであります。
この点、例えば令和六年度補正予算の事例でありますが、決算検査報告において、給付金、補助金などの支給事務等のための経費が過大であったとの指摘も踏まえ、低所得者世帯向け給付金、電気・ガス料金負担軽減支援事業などの計上に当たり、事務費等が過大にならないように配慮し…
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関口昌一議長
青木愛君。
〔青木愛君登壇、拍手〕
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